preview/DMU
マジックは多元宇宙を舞台とした背景ストーリーに基づいてカードが作られている。
多元宇宙...様々な次元を僕らはカードを通して眺めてきたが...疑問に思ったことはないかな。
「この世界の宇宙ってどうなってるんだろう?」と。各次元に月や太陽、空にきらめく星の姿を見ることが出来た。ただ、それらが浮かぶ宇宙空間についてしっかりと描かれたものは《次元の被覆》以外には見ることが出来ない。
次元と次元の間は久遠の闇と呼ばれる空間を通って移動するらしいが、では星々が浮かぶ銀河は?この疑問に答える存在になるかもしれないセットがこの秋に登場する。
ジョーク・セットであるアン・シリーズ。その最新作である『Unfinity』!
毎度毎度、マジックのルールを捻じ曲げるぶっ飛んだメカニズムや、セルフパロディ的なカードがたっぷり詰まっているアン・シリーズ。
今回のテーマはアミューズメントパーク、そしてスペースファンタジー!そう宇宙!惑星、隕石、ロケットにUFOにエイリアン...絶対おもろいやないかい!
既に公開されている基本土地や《神聖なる泉》などのギルドランドの宇宙要素が溢れた特殊イラスト仕様が、背景世界における宇宙の神秘に対するアンサーになる...のかもしれない。なるのか?わかんねぇな。なにせ銀枠セットだから...って、今回は黒枠!?
ジョーク・セットと言えばカードを縁取る枠が銀色で、それ故に構築戦では使用不可能なものばかり。
しかし『Unfinity』は黒枠セットだ。つまり、レガシーや統率者戦などの構築戦で使用することが可能なのである!
マジかよ。しかしながらあまりにもマジックのルールを覆す、ぶっ飛んだカードには...カード下部の偽造防止のホログラムであるセキュリティ・スタンプが、通常の楕円ではなくどんぐりの形で印刷されている。
このどんぐりカードはこれまでの銀枠カードと同様に、カジュアルに遊ぶ際にのみ使用可能であるということだ。トーナメントでは使用できないが、その分楽しさや新体験を追求したデザインになっており、カジュアルマジック愛好家にはたまらないものになっている。
今回ウィザーズ・オブ・ザ・コースト様より公式プレビューの機会をいただいた1枚のカードは、このどんぐりカード!待ってましたッッ!フツーのカードじゃ満足できないマジックマニアにお届けする、『Unfinity』の自由さを体現した1枚がこれだ!
《Animate Graveyard》 ③BB
Enchantment-Aura
Enchant your graveyard
Enchanted graveyard is a creature on the battlefield with base power and toughness each equal to the number of cards in it.It has the text boxes of all creature cards in it.
It's still a graveyard.
If enchanted graveyard would leave the battlefield,instead exile Animate Graveyard.
能力をザックリ翻訳
エンチャント(あなたの墓地)
エンチャントされている墓地は基本のパワーとタフネスがその墓地に置かれているカードの枚数に等しいクリーチャーである。それはその墓地にある全てのクリーチャー・カードのテキスト欄を持つ。それは墓地でもある。
エンチャントされている墓地が戦場を離れるなら、代わりにAnimate Graveyardを追放する。
こ、これは宇宙...ッッ!墓地からクリーチャーを釣り上げる、リアニメイト呪文。そんな黒の伝統をぶち壊す、墓地そのものをクリーチャー化させて勝負する化け物じみた狂気のデザインッ!
ぶっ飛んでるぜ~さすがはアンの系譜。われわれの想像を超えてくる、クレイジーワールドへようこそ!墓地はその枚数分のパワーとタフネスを持つとのことで、5マナと重めなオーラながら二桁サイズも見込める、フィニッシャーとして申し分ないクリーチャーを得られる。
しかも《魂剥ぎ》や《壊死のウーズ》などを彷彿とさせる墓地のクリーチャーカード全てのテキスト欄を持つという強烈な能力獲得っぷり!キーワードとか起動型とか、能力は選ばん!全部持ってこいの精神。デメリット能力も得てしまうのはご愛敬。とりあえず被覆や呪禁を得て除去を避けたいところ。
墓地自体がそれらの対象にならなくなる能力を持ったとして、そこに落ちているカードは《外科的摘出》《漁る軟泥》などの能力の対象になるのかどうか?
プレビュー中の段階では何とも言えないが、アン・シリーズお馴染みカオスなリリースノートに詳細が記されることになる...はず。銀枠セットを実際に買わなくても、このリリースノートは面白いので読んでるって人は少なくないだろう。マジックの根底を揺るがす、人知を超えたカード。その挙動は公式のみぞ知る...のか?
《Animate Graveyard》には《Animate Library》という兄弟分が既に『Unstable』にて登場している。ライブラリーがクリーチャーになる!これもルールをぶっ壊した1枚だった。
そしてこれら銀枠のAnimateカードは《動く壁/Animate Wall》《動く秘宝/Animate Artifact》《動く死体/Animate Dead》《動く土地/Animate Land》と動く/Animateサイクルを形成する1枚と捉えることもできる。
本来戦闘(攻撃)できないもので殴ることが出来るようになる、そのオーラの仲間に遂に墓地も加わったんだなぁ...こうして見ると、赤いAnimteだけまだ存在していないんだな。いつの日か赤い《Animate Player》とか《Animate Hand》とか出てくるかもしれんなぁと夢が拡がる。
宇宙空間を漂うアミューズメントパークの廃棄物が一つのクリーチャーとして目覚める、雰囲気抜群のイラストも最高だ。どんぐりカードに相応しい、最高にエキサイティングな《Animate Graveyard》。
カジュアルなルールで遊んだり、『Unfinity』を用いたドラフトで暴れさせたり...楽しさと夢しか含まれていない、過激なセット『Unfinity』。いつもと違うマジックを味わいたい方は、2022年10月7日、このカオスなパックを手にして宇宙に触れるべし!お求めの際はお近くのBIG MAGIC、あるいは当サイトbigwebで!宇宙のどこかで、また会おう。