『神河:輝ける世界』にて、BIG MAGICでは計5枚もの新カードをプレビュー!凄い量だったなぁ...
というわけでこんにちは、こんばんは、Hello!岩SHOWです。
新セットのリリース前にウィザーズ・オブ・ザ・コースト様からの依頼で新カードを紹介させていただくこのプレビューという企画。
今回も『ニューカペナの街角』から、世界に向けて2枚のカードをここに紹介させていただこう!
今回の舞台はタイトル通り、ニューカペナ。豪華で、かつ権力や富を巡る抗争の臭いが漂うこの近代都市。それを取り仕切るのは5つの一家。3つの色マナに基づいたこれら一家が同セットのメインテーマであり、それぞれの一家毎に個別の能力や得意とすることが分かれている。
3色ないし2色の組み合わせがテーマのセットは決して少なくないが、このニューカペナはちょっと懐かしい雰囲気を放つ。マジックのカード裏面に描かれた色マナの、隣り合う3つの組み合わせ・通称"友好3色"を取り上げるセットはかなり久しぶりだ。
『インベイジョン』や『アラーラの断片』などを通った世代にとってはこの3色の組み合わせというのはなんだか落ち着くものだ。そんな3色を扱う一家の中で、白青黒の組み合わせは常夜会(とこよかい)という一家の担当になっている。手のひらに鍵穴、そして短剣...一家のシンボルマークはメッセージ性が強く、様々な解釈が出来そうだ。この一家については「サイドストーリー:何を見る」にてその雰囲気を垣間見ることが出来る。
一家の長たるはスフィンクスの《策謀の予見者、ラフィーン》。ニューカペナの街を見下ろすガラス張りの部屋にて、ラフィーンは一家の調査員が掴んだこの街の秘密と策謀を監視している。
デーモンと手を結んだことで得た大いなる幻視の力により、このラフィーンが知らぬことはないという。常夜会のメンバーは彼女に情報を送ることを任務としており、今日もニューカペナの街角にて調査を行っている__と、実に白青黒の3色らしい設定の一家だな。
このサイドストーリーにて登場したキャラクターにカミーズとクェザの師弟コンビがある。二人の種族はまさかのセファリッド!この種族はドミナリアのオタリア大陸に生息しており、当該地域が舞台のセットでは青の主要タイプの一つとしてカードが作られた...のだが、『レギオン』を最後に新規カードは作られていない。
これがなんと19年前の話で、これだけの期間が空いてしまうともう新たにこのクリーチャータイプを持ったカードが出てこないのだろうなと、そう考えるのが自然な話。
それを良い意味で裏切って、ニューカペナでまさかの再登場!しかも街の秘密を調査する役柄ときたもんだ。タコの姿をした知的種族であったセファリッド、ニューカペナにいるその同族はスーツを着こなし、よりヒューマノイドらしいシルエットで、スタイリッシュでカッコイイ。
タコの触手は人間でいう髪の部分に見て取れるデザインになっていて、ドミナリアのそれとはかなり趣が異なる。カミーズはラフィーンの右腕とも呼ばれ信頼されており、その弟子であるクェザもカミーズの右腕と称されている。今回紹介する1枚目のカードは...このセファリッドの占い師であるクェザだ!
《苦悶の占い師、クェザ/Queza, Augur of Agonies》 ①WUB
伝説のクリーチャー セファリッド・アドバイザー アンコモン
あなたがカード1枚を引くたび、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
3/4
タキシードにネクタイ、過去のマジックのイラストの中でも屈指のオシャレないでたちが目を引く《苦悶の占い師、クェザ》の登場だ!セファリッドはタコやイカといった生物をモデルにしているだけあって、皮膚が発光する能力を備えている。クェザは興奮すると目の周りの模様が青緑色に脈打つらしい。このイラストの彼女はまさにその最中というところだな。
一家の色マナシンボルをすべて持った4マナ3/4。どちらかというと戦闘をガンガン行うカードというよりは、その能力を駆使してゲームをじっくりとこちらの優位に持っていくタイプの、所謂システムクリーチャーのようだ。
カードを1枚引くたびに対戦相手のライフを1点吸い取ってしまう、ドレインと呼ばれる能力で間接的にライフ差を拡げていく。何の工夫をせずとも、とりあえず毎ターンのドローを行っていればドレインできるのが嬉しいところ。
リミテッドではこの1点がバカにならず、かつパワー3までのクリーチャーは食い止める壁役として機能するのを期待できる。
そして彼女の属する常夜会のキーワード能力は謀議。定められた枚数分カードを引き、同じ枚数を捨てる。ルーターと呼ばれる手札入れ替え能力であり、不要なものをより良いカードに置き換えたり、あるいは墓地に置かれることで効力を発揮するカードを送り込む手段として、様々なデッキで好まれるメカニズムだ。
そして謀議はこれに加えて、捨てたカードのうち土地でないもの1枚につき、クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置くという戦闘面にも影響を及ぼす能力になっている。
この謀議を持ったカードでクリーチャーを強化し、同時にクェザでライフを吸い取って...と、素のクリーチャーサイズで劣っていても対戦相手をいつの間にか窮地に陥れる。常夜会一家の戦い方はテクニカルなものであり、リミテッドではなかなかに強そうだなと。
上手くハマった時の気持ちよさはピカイチなデッキが作れそうで、今からクェザをピックするのが楽しみだ。アンコモンだし、遭遇する機会は多そうだね。
勿論構築でも、ドローを多用するデッキにおいてはゲームを終わらせるフィニッシャーとして活躍する可能性が。《Lich》《リッチの熟達》《極悪な死》《失われし夢の井戸》といったライフとドローに関するカードとのコンボは決まった時の爽快感が凄そうで、統率者戦でも人気が出るカードとなるかもしれない。
クェザに続いて、今度は常夜会そのものをフィーチャーしたカードを紹介だ。それは人気を博したあのサイクルの再録版!
《常夜会一家の隆盛/Obscura Ascendancy》 WUB
エンチャント レア
あなたが呪文を唱えるたび、それのマナ総量が常夜会一家の隆盛の上にある魂魄カウンターの個数に1を足した数に等しい場合、常夜会一家の隆盛の上に魂魄カウンター1個を置く。その後、飛行を持つ白の2/2のスピリット・クリーチャー・トークン1体を生成する。
常夜会一家の隆盛の上に5個以上の魂魄カウンターがあるかぎり、あなたがコントロールしているすべてのスピリットは+3/+3の修整を受ける。
レアから隆盛サイクルの1枚《常夜会一家の隆盛》!かつて『タルキール覇王譚』にて各氏族のキャラクターを表したエンチャントとして登場した隆盛サイクル、その友好色版がニューカペナでやってきたのだ。常夜会のそれは...正直、パッと見てテキストはちょっと難しい。噛み砕いてみよう。
ステップ1:《常夜会一家の隆盛》を戦場に出す
ステップ2:1マナの呪文を唱える
ステップ3:隆盛の上に魂魄カウンターを1個置いて2/2飛行のスピリットを生成
ステップ4:2マナの呪文を唱える
ステップ5:隆盛の上に魂魄カウンターを1個置いて2/2飛行のスピリットを生成
ステップ6:3マナの...
実際の挙動はこんな感じだ。このエンチャントを機能させるには、つまりはデッキ内の呪文のコストをばらけさせる必要があるということ。
5個の魂魄カウンターを得るとスピリット達が突然5/5となり、《黄金架のドラゴン》も真っ青の航空戦力に。ここまでいけば勝ったも同然。
どうせならこれを狙いたいので1~5マナの呪文をそれなりに均等に採用し、スムーズに魂魄カウンターを増やしていける構成でデッキを組んでみたい。
クセはかなり強いデザインではあるが、何もないところから2/2飛行が得られるというのはかなりのボーナスであり、デッキを組む野心がそそられるデザインになっているね。
これら常夜会一家をフィーチャーしたカードには、通常のバージョンに追加してさらにイラストと枠のデザインが異なる"黄金時代"バージョンが存在する。
黄金時代...ニューカペナのモデルの一つであろう、1920年代のアメリカはまさに黄金時代と呼ばれていた。経済が発展し、自家用車に洗濯機にラジオといった家電が各家庭に普及し...そして同時にギャングたちが夜の街に君臨した時代だ。5つの一家が覇権を争うニューカペナにこれ以上ないほどに相応しいバージョン名だね。
黄金の摩天楼のような枠に縁どられた《苦悶の占い師、クェザ》《常夜会一家の隆盛》をご覧いただこう。
どっちも通常版とはまた違った魅力があるね。特にクェザは触手の髪型が綺麗にカールしていてよりオシャレさんに。これで統率者デッキ、組みたいなぁ。
神河とはまた趣が異なる街、ニューカペナ。この新たな舞台で暗躍する5つの一家のカードを2022年4月29日発売の『ニューカペナの街角』で手に入れよう!
その際には是非、お近くのBIG MAGIC、あるいは当サイトbigwebにてご注文ください!
それでは、怪しく輝くビルがそびえる街角にて、またお会いしましょう。