『プロプレイヤーインタビュー』 シルバーレベルプロ・松本友樹

『プロプレイヤーインタビュー』
シルバーレベルプロ・松本友樹

今年1月に行われたグランプリ・静岡2015で自身初のグランプリTOP8入賞。そして5月の参加者数日本レコード、グランプリ・千葉2015では優勝。
更にプロツアー『マジック・オリジン』ではPT初出場ながら24位に入賞し、
2015-2016シーズンのシルバーレベル・プロとなった松本友樹。
今最も勢いに乗る日本人マジックプレイヤーの一人である男がこの度、BIGMAGICとスポンサー契約を結ぶこととなった。




シルバーレベルプロ・松本友樹さん


早速、簡易ではあるがインタビューを敢行した。

――この度はBIGMAGICとのスポンサー契約を結んでいただいてありがとうございます。
松本「こちらこそありがとうございます。」

――松本さんは現在プロプレイヤー・レベルを持つプレイヤーの中でもかなりMTG歴が短いとお聞きしているのですが、マジックを始めた時期を教えて下さい。

松本「『ミラディンの傷跡』の頃に、大学のサークルで友人に誘われてドラフトをしたのがきっかけです。初めは「まあ付き合いで遊ぶ程度なら」...と軽い気持ちで始めたところ、
実際にやってみると本当に面白くて...ドップリとのめり込んでいきました(笑)」

――見事に"MTG沼"に嵌ったパターンですね。元々は、何か別のカードゲームを遊ばれたりしていたのですか?

松本「はい、子供の頃からポケモン・遊戯王・デュエルマスターズなど一通り遊んできました。もう終わってしまったカードゲームですが、特に『GUNDAM
WAR』
は当時かなり真剣にプレイしていて、日本一になった経験もあります。

――なんと...別の世界で既に頂点を極めていたのですね。MTG歴が比較的短いながらもご活躍されていることにも納得がいきました。
松本「といっても、MTG始めた最初はサークルの仲間達と本当にカジュアルな感じで遊んでいました。大会に出る、と言ってもフライデーナイトマジック(FNM)に参加する程度です。」

――「最初から"ガチで上を目指してやろう!"という感じではなかったんですね。」
松本「はい。そこから段々とステップアップしていって、国内グランプリ前は真剣に練習するようになっていきました。
初めの頃は初日落ちで2日目にいけなかったり...といった感じだったのですが、

2012年のGP名古屋
では自分で作ったデッキで9位になったんです。それで「あれ、自分あと一歩でプロツアーいけたじゃん・・・」となって。」

Matsumoto,Yuki

グランプリ・名古屋2012 9位


26land

4 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《硫黄の滝/Sulfur Falls》
4 《寺院の庭/Temple Garden》
3 《氷河の城砦/Glacial Fortress》
3 《根縛りの岩山/Rootbound Crag》
2 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
2 《断崖の避難所/Clifftop Retreat》

13creature

2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
4 《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》
3 《修復の天使/Restoration Angel》
4 《スラーグ牙/Thragtusk》

21spell

3 《イゼットの魔除け/Izzet
Charm》
3 《中略/Syncopate》
2 《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》
4 《灼熱の槍/Searing Spear》
3 《拘留の宝球/Detention Sphere》
3 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
3 《熟慮/Think Twice》


15Sideboard
3 《火柱/Pillar of Flame》
1 《墓場の浄化/Purify the Grave》
4 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
1 《雲散霧消/Dissipate》
1 《天啓の光/Ray of Revelation》
2 《ロウクスの信仰癒し人/Rhox Faithmender》
2 《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》
1 《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》



GP名古屋2012 9位 青白赤タッチ緑
(※編:「トリコ・コントロール」に、当時のTier1「ラクドス・ミッドレンジ」に対して有効な対策として大胆にも《高原の狩りの達人》《スラーグ牙》をタッチ。コントロールデッキ相手にも《魂の洞窟》と組み合わせて緑のカードが刺さる合理的な構成となっている。)

――9位は本当に惜しいですね。そのときの気持ちをバネにプロツアーを目指すようになっていったのでしょうか?

松本「うーん、本格的にPTを意識するようになったのはもう少しあとで、市川ユウキさんのニコニコ生放送がきっかけですかね。
その頃、ちょうど彼が都内で行われたプロツアー予選を突破したんです。当時は市川さんと面識もなく、一視聴者として彼の放送を楽しんでいたのですが、
同じくらいの時期にMTGを始めた方だったのでなんだか先を越された感じがして火がついたんですよ。彼に出来るなら俺にも出来るはずだ!と思って。」

――市川さんの存在は、特に若いプレイヤーを中心に大きな影響を与えているかもしれませんね。
2015年に入ってから松本さんはGP静岡でTOP8、GP千葉では優勝と一気にブレイク。どちらもリミテッドGPということで、ドラフトの巧者というイメージがあります。


松本「今でこそこうした成績が収められていますが、昔は構築と比べてリミテッドに対して苦手意識があったんです。
『構築はいいけど、君本当にドラフト下手だね!』って直球で言われたこともありました...(笑)」


――ありがたい指摘ですけど直球ですね(笑)
普段はどういった方法で練習をされているのでしょうか?


松本「ドラフトは一人では練習出来ないので、基本的にMagic
Onlineを使って練習しています。リミテッドに関してはMagic
Onlineを導入してから明らかに成績は変わりました。

構築はまず使いたいカードや、テーマを決めて自分でデッキを組んで、そこから一人回しをして調整していきます。」



――Magic
Online上でもかなり勝ちまくっているとお聞きしています(笑)
更につい先日行われたプロツアー『マジック・オリジン』では初出場ながら24位と健闘されましたね。

松本「こちらもドラフトラウンドで全勝出来た(6-0)のが大きかったです。練習でも組んだことのないような強力なデッキが組めたりして。
構築では「シディシ・ウィップ(※1)」を使用したのですが、事前に想定していた形と大きく違った「赤アグロ(※2)」が会場では猛威を奮っていて、このデッキだけに3回負けてしまったのが敗因でした。」






(※1:《血の暴君、シディシ》などのカードで墓地にクリーチャーを落とし、《エレボスの鞭》で釣り上げてアドバンテージを稼ぎ攻める青緑黒のデッキ。『マジック・オリジン』ではプレインズウォーカーに変身するクリーチャーという新戦力を得た。)
(※2:赤単の軽量クリーチャーで攻めるアグレッシブなデッキの中でも、『マジック・オリジン』で得た新戦力《ケラル砦の修道院長》を採用し1マナクリーチャーを他よりも多く積んだ形が、同プロツアーで優勝した。)


――プロツアー・オリジンにおける「赤アグロ」の活躍は大きなトピックでしたね。
このプロツアーで試験的に導入された、マリガン時に占術1が行える、通称"バンクーバー・マリガン"が、アグロ戦略を後押ししたと言われていますが、松本さんはこのマリガンルールの変更はどのようにお考えですか?『戦乱のゼンディカー』からは正式にルール変更がされる予定ですが。

松本「素晴らしい変更だと思います。誰しも事故は嫌ですから。
戦術面では、アグロに限らず低マナにキーパーツがあるデッキには特に有利な変更になったのではと思っています。
僕が使用した「シディシ・ウィップ」も2マナ域に重要なカードが多く、恩恵は大きかったです。
実際に大会ではマリガン後に土地1枚、《サテュロスの道探し》というハンドをキープして、占術1で不要なカードをボトムに送り、無事2枚目の土地を引き勝利したマッチがありました。
リミテッドにおいては「失敗デッキを組んでしまったけど、相手の事故とこっちのブン回りで勝ち!」みたいないわゆる"上ブレ"は起きにくくなったと思います。」

――より実力が反映されやすくなった変更、ということですね。それでは最後に松本さんの今シーズンの抱負を教えて下さい

松本「まずは1年間、全てのプロツアーに出場することが目標です。
その中であわよくばゴールド・レベルを目指せれば...と思っています!

(編:松本選手は現時点でシルバー・レベルであるため、いずれかのプロツアーに1回参加できる権利を持っている。また、プロツアー『マジック・オリジン』で11勝以上の成績を収めたため、プロツアー『戦乱のゼンディカー』の出場権利も持っている。)

――これからのご活躍期待しています!今日はありがとうございました!
松本「ありがとうございました!」

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