By Riku Imaizumi
マジック・フェスト恒例、大会に参加しない人も楽しめるイベントステージ。ゲストを呼んだり、ギャラリーから参加者を募ったり、マジックにまつわる細かなクイズが行われたりと、毎回細かな工夫がこらされている。
マジック・フェスト名古屋2019ではどのようなイベントステージが行われているのだろうか? 一日目の様子を見てみよう。
パックウォーズ
最初のイベントステージは参加者募集型のイベントだ。
ギャラリーから2名が参加し、お互いにパックウォーズを行ってもらう。
パックウォーズとは、以下の条件で遊ばれるフォーマットである。
・両者ともにデッキは30枚。パックを1つ開封し、その15枚のカードに基本地形各種3枚を入れたものがデッキとなる。
・最初のマリガンはフリー(マリガンしても手札は減らない)。以降のマリガンは通常通り、1枚ずつ手札が減少していく。
このイベント、参加費無料で、使用したパックはそのまま持ち帰ってもらってOK。
なんとタダでパックがもらえてしまうのだ。
そんなイベント、参加しないほうが損である。すぐにステージには数人の参加希望者が集まった。
使用するのは最新エキスパンションの『エルドレインの王権』。みんな、お目当てのレア・カードは引けただろうか?
「探索する獣」からの出題(『エルドレインの王権』のクイズ)
背景ストーリー上、《探索する獣》は重要な役目を持つ。そんな《探索する獣》にあやかり、『エルドレインの王権』に関するクイズを出題しようというコーナーだ。
MCはBIG MAGICのイベントでお馴染みの岩Show。集まったギャラリーにどんどんクイズを出題していく!
ここではそんなクイズを一部紹介しよう。みなさんは解けるだろうか?
第1問は「《忠誠の円環》のモチーフは?」という問題。『エルドレインの王権』はさまざまなネタに基づいてカードデザインがなされており、《忠誠の円環》もそのひとつ。アーサー王伝説やおとぎ話が元ネタとなっているのは周知だろうが、さて、では詳細な元ネタを知っている人はどれほどいるのだろうか?
第2問は「《グレートヘンジ》がモチーフとした、ストーンヘンジがある国は?」。《忠誠の円環》と同じサイクルの緑のアーティファクト、《グレートヘンジ》。実はモチーフの国は世界文化遺産に登録されている。
第3問は「《カタカタ橋のトロール》がモチーフにしたおとぎ話のタイトルは?」。《カタカタ橋のトロール》は対戦相手の場にヤギ・トークンを与え、自分の場に巨大なトロールを呼びだすカード。カード効果だけ見ると、凶悪なトロールがヤギ3匹を食い尽くすように思えるが、どのおとぎ話がモチーフとなっているか知っているだろうか?
正解はこのページの最下部に掲載する。
3匹のヤギとなり、カタカタ橋のトロールに仮装したリュウジに挑戦!(魔王戦)
3個目のイベントステージでも、司会は岩Show。今回は「カタカタ橋のトロールとなったリュウジをプレイヤー3人が一丸となって倒す」というもの。
誰もいないテーブルで、岩Showが人を集める。
3人集まったら、ゲーム開始......と行きたいところだったが、リュウジの姿がない。
しかし、3人が集まって、岩Showがリュウジを呼んだ瞬間だった。
机の下からトロールのリュウジ、トローリュウジが登場!!!
いきなりの登場に、3人のヤギたちは......!
左席のヤギ「シャカシャカ(シャッフルの音)」
中央席のヤギ「パチパチ(シャッフルの音)」
右席のヤギ「パタパタ(シャッフルの音)」
ビビる......ビビ......ビビらない!! というか無反応である。トローリュウジ、なんだか寂しそうな恥ずかしそうな表情をしている。
まあ、トローリュウジの出現の仕方も悪かったかもしれない。正直、打ち合わせをした時点ではもっと「ガバッ」って感じで出てくると思ったのだが、なんだか「ニュッ」と出てきて「ストン」と座った。あと、「ヤギを食ってやるぞ!」と威嚇する段取りだったのにしてない。
なお、当然ながらヤギたちが着席する前からリュウジは机の下に待機していた。その様子を写真に納めたので、みなさんに見ていただこう。
寝ている。タイの寝釈迦仏すら思わせる( ˘ω˘)スヤァ顔である。
さて、いきなり「思ってたんとなんかちゃうな」という流れになってしまったが、とにかくゲームが始まった。対戦方法は「トローリュウジ vs ヤギ3人」、すなわち魔王戦である。
トローリュウジはライフ40点、先行、ドローあり。ヤギたちはライフ10点で後攻固定、ターンはチームとして一斉に処理。それ以外は通常の対戦と同じである。
さて、まずは気になる"魔王"トローリュウジの動きは? 《神秘の神殿》《神聖なる泉》と動くと、2ターン目《成長のらせん》から《創案の火》。そしてなんと4ターン目には《ニヴ=ミゼット再誕》だ!
その能力で《時を解す者、テフェリー》《僻境への脱出》《轟音のクラリオン》《灯の燼滅》を手札に加え、そのまま《僻境への脱出》でさらに5枚のカードに手をかけた。
ちなみにこのデッキはイベント用のデッキを用意できなかったリュウジに筆者が貸したものである。筆者はこんなブン回りはほとんどしたことがないので正直ズルいなと思った。
一方、ヤギ3人のデッキにはけっこう偏りがあった。左席のヤギは青赤緑白《創案の火》、中央の席のヤギは赤黒アグロ、右席のヤギは白青赤《創案の火》デッキ。なんと4人の場に3枚もの《創案の火》が並ぶ場面に。
中央席のヤギが《義賊》《漆黒軍の騎士》で先陣を切るのを右席のヤギが《陽光の輝き》《牢獄領域》でサポート。さらに左席のヤギが《風の騎兵》、《帰還した王、ケンリス》で追い打ち! というコンビネーションを見せる。
トローリュウジ、《ニヴ=ミゼット再誕》を3回呼び出すものの、そのことごとくを除去されてしまう。《神殿》でデッキトップに仕込んだ《帰還した王、ケンリス》も《義賊》で吹き飛ばされてしまう。
「各対戦相手」を対象とすることから威力が3倍に増した《発散》でなんとか耐えるも、《風の騎兵》《炎の騎兵》の一斉キャストに加え《牢獄領域》で防衛線を突破されてしまい......
トローリュウジ「負けです!」
残念、負けてしまった!
しかもヤギ一人も倒せずに死んでしまう。モチーフとなったおとぎ話とは異なり、手も足も出ずに倒されてしまった結果となった。
さて、このようにマジック・フェスト名古屋2019ではさまざまなイベントステージでみなさまをお迎えしている。
土曜日、日曜日もまだまだイベントはもりだくさん。参加型のイベントも多いので、ぜひ楽しんでいってほしい。
※本日行ったもうひとつのイベントステージ「はまさんのコンバットドリル出張編」については別記事でまとめる予定です。
『エルドレインの王権』クイズの答え
第1問:「《忠誠の円環》のモチーフは?」
答:アーサー王伝説の円卓。アーサー王に仕える騎士たちはこれを囲んだことから「円卓の騎士」と呼ばれる。
第2問:「《グレートヘンジ》がモチーフとした、ストーンヘンジがある国は?」
答:ロンドンから西に約200kmのイギリス南部・ソールズベリーから北西に13km程に位置する環状列石(ストーンサークル)のこと。世界文化遺産として1986年に登録された。
第3問:「《カタカタ橋のトロール》がモチーフにしたおとぎ話のタイトルは?」
答:『3匹のやぎのがらがらどん』
「がらがらどん」という名前の小・中・大3匹の山羊が太りたくなって、草を求めて山(丘)を目指す。途中にかかる橋の下には醜いトロールがいて、大声で「おまえを飲み込んでやる」と威嚇する。先に来た小さな山羊は「後から大きな山羊が来るから」と言ってトロールに見逃してもらい橋を渡る。続いて来た中くらいの山羊も同じように言って橋を渡る。しかし最後に来た大きな山羊は恫喝するトロールに立ち向かい、やっつける。無事に山へ行った山羊たちは、丸々と太って帰って来た。
......なんと、モチーフのおとぎ話ではヤギはトロールに勝利する! マジックの世界はおとぎ話より過酷なのである。
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