BIGs 簗瀬要 カナメの新スタンダード Check it out!~『基本セット2020』編~


0.開始フェイズ


 こんにちは、BIGsの簗瀬 要です。


この前灯争対戦が発売されたかと思ったら、もう『基本セット2020』の発売日ですか!?まだ2か月くらいしか経っていないのに、早いですね~。


今回は基本セットです。「基本セット」というと、初めてマジックを触る人がどの色を選んでも平等に楽しめるようにサイクルが作られていたり、「この色とこの色は仲が悪いんだよ!」ということを教えるために色対策カードが作られていたりするのですが、今回のセットはこれらのカードがスタンダードでも十分通用するレベルで強いのが特徴です。


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その他、各種プレインズウォーカーやテーロスから帰ってきた占術土地もあり、強いカードがたくさん収録されたセットとなっています。


さて、今回もそんな強いカードたくさんを使ったデッキを紹介していきたいと思います。最後までよろしくお願いします~。



1.その前に...


デッキの話をする前に、大事なお話があります!今回の基本セットから大きく変わることが一つあります。それはロンドンマリガンの採用です!


■ロンドンマリガン


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一言で言えばマリガン後、7枚引いてマリガンの回数分ライブラリーの下に戻すわけですが、枚数が減るとはいえ「7枚の中から初手に欲しいカードを選べる」というのは、今までよりもかなりマリガンを選択しやすくなります。


 


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今までの「カードを7枚よりも少なく引く」というマリガンは「土地がなくなったらどうしよう」や「より酷い内容になるかもしれない...」といったネガティブなイメージをどうしても払拭することができませんでした。そのため、上のような微妙な初手でも「たのむー!ライブラリーの上が《森》であってくれー!キープ!」とお祈りしながらキープしてしまうこともあったかと思います。しかしこれからはそういった不安もかなり軽減されることになり、このような不安定な初手は積極的にマリガンして安定した初動が見込める初手を選ぶことができます。


 


ただ、このロンドンマリガンの難しいところはキープした後にどのカードをライブラリーに戻すかを選ぶところかもしれません。先日、ミシックチャンピオンシップの練習でモダンホライゾンのドラフトをした際に初めてロンドンマリガンを体験したのですが、慣れるまでは結構難しかったです。


 


このときの感想としては、初動の安定を図るのはもちろんですがマリガンした分対戦相手よりもリソースが少ないため、「リソースを取り返すカードをなるべく残す」という考え方がとても大事であると感じました。わかりやすい例を挙げると、《翡翠光のレインジャー》や《覆いを割く者、ナーセット》、《ゴブリンの鎖回し》、《ベナリア史》などはマリガン後に初手に残したいカードです。


 


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なるべく手札に残したいカード


 


また、逆にリソースが少ないので「ブン回り」の期待値はどうしても低くなります。そうすると、ブン回りの時は強いけどそれ以外のときはそうでもないカードはなるべくライブラリーに戻したほうがよさそうです。わかりやすい例を挙げると赤単アグロの《魔術師の稲妻》や白単アグロの《短角獣の歩哨》などです。


 


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なるべくライブラリーに戻したいカード


 


新しいことなので、はじめはなかなかうまくいかないかもしれません。できることなら、大会に出る前に一人回しやフリープレイ等で一度体験してみることをお勧めします。



2.すべてを踏みつぶせ!緑単アグロデッキ!


さて、寄り道をしてしまいましたがここからは『基本セット2020』のカードを使ったデッキの紹介です。まずは勢いよく緑単アグロからです。


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メインボード


土地
20《森/Forest》
4《神秘の神殿/Temple of Mystery》


クリーチャー
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
4《楽園のドルイド/Paradise Druid》
4《成長室の守護者/Growth-Chamber Guardian》
4《樹皮革のトロール/Barkhide Troll》
4《鉄葉のチャンピオン/Steel Leaf Champion》
3《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
4《変容するケラトプス/Shifting Ceratops》
3《生体性軟泥/Biogenic Ooze》


スペル
4《アーク弓のレインジャー、ビビアン/Vivien, Arkbow Ranger》
2《ビビアン・リード/Vivien Reid》


サイドボード
4《夏の帳/Veil of Summer》
3《野獣の擁護者、ビビアン/Vivien, Champion of the Wilds》
3《アゾカンの射手/Atzocan Archer》
1《永遠神ロナス/God-Eternal Rhonas》
1《土覆いのシャーマン/Loaming Shaman》
1《再利用の賢者/Reclamation Sage》
1《大食のハイドラ/Voracious Hydra》
1《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》


 


リスト作ってから気が付いたのですが、新旧ビビアン勢ぞろいのデッキになってしました(笑)


 


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そんな新顔の《アーク弓のレインジャー、ビビアン》ですが、+1と-3ともに強力な能力です。-5が少し大人しく見えますが、デッキの汎用性を上げてくれる効果なので見た目以上に強力です。


 


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"トリ"ケラトプスじゃないのはなんでだろ?


 


《変容するケラトプス》は説明いらずの強力なクリーチャーです。スタンダードで厄介なWテフェリーでは対処できないクリーチャーなので、これからのスタンダードではよく見るクリーチャーになりそうです。


 


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《樹皮革のトロール》は緑単が求めていた2マナ域のスペックのカードです。「パワー2じゃ物足りないけど、タフネス2じゃ心もとない...」そんな緑単好きのわがままに応える3/3というサイズがとても素晴らしいです。除去耐性もあり、《アーク弓のレインジャー、ビビアン》でカウンターを載せ続ければ何度でも使用可能です。


 


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単色なのに《神秘の神殿》が入っているのはもちろん占術目的です。テーロスの時によく見かけたテクニックで、このデッキのような1ターン目の動きが少ないデッキであれば2~4枚ほど占術ランドをデッキに入れておくと、初動の安定させ、後半の無駄カードのドローを防止してくれます。


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サイドボードにある《夏の帳》は《秋の帳》と比べると見違えるほど強くなった敵対色対策カードです。カウンターや除去を弾くほかに《強迫》や《思考消去》などの手札破壊も弾くことができる優れものです。


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サイドボードに1枚ずつ入っているカードは基本的には《アーク弓のレインジャー、ビビアン》の-5でサーチする用のカードです。《永遠神ロナス》のように「何枚も引くと弱いけど効果は劇的!」といったカードや《再利用の賢者》のようにデッキの汎用性を上げるカードを入れています。


今回紹介したデッキは緑のシンボルが濃いめのカードを多く採用しているため緑単色にしましたが、ギルドランド、チェックランド、占術ランドと3種類の土地を駆使すればシンボルが濃いめでも1色くらいはタッチすることができそうなので、青や黒のシングルシンボルのカードをタッチしてみるのもよさそうですね。



3.すべてを燃やせ!チャンドラ・エレメンタルデッキ!


 


『基本セット2020』の赤のカードは「チャンドラとエレメンタルで組んでください」という感じなので、とりあえず組んでみましょう!イクサランから灯争対戦までのカードで、エレメンタル且つ赤のクリーチャーで強そうなのはいるのかと調べたらこんなのが出てきました!


 


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《魔術師の稲妻》を唱える際に「お前ウィザードじゃないのか...」と何度も確認したことがある人もいるかもしれません。(僕はよく確認しました)赤単でおなじみの《遁走する蒸気族》のクリーチャータイプはエレメンタルです。これと新しいエレメンタルとチャンドラを入れたのが以下のデッキです。

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メインボード


土地
20《山/Mountain》
4《天啓の神殿/Temple of Epiphany》


クリーチャー
4《遁走する蒸気族/Runaway Steam-Kin》
4《チャンドラの火炎猫/Chandra's Embercat》
4《ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler》
4《炎の騎兵/Cavalier of Flame》

スペル
4《炎の侍祭、チャンドラ/Chandra, Acolyte of Flame》
4《新米紅蓮術師、チャンドラ/Chandra, Novice Pyromancer》
3《目覚めた猛火、チャンドラ/Chandra, Awakened Inferno》
2《ショック/Shock》
4《稲妻の一撃/Lightning Strike》
3《溶岩コイル/Lava Coil》


サイドボード
4《稲妻牝馬/Lightning Mare》
4《丸焼き/Fry》
1《溶岩コイル/Lava Coil》
4《再燃するフェニックス/Rekindling Phoenix》
2《無頼な扇動者、ティボルト/Tibalt, Rakish Instigator》


 


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チャンドラデッキなので新しい3種類のチャンドラを詰め込めるだけ詰め込んでみました。《新米紅蓮術師、チャンドラ》はエレメンタルデッキじゃないとお目にかかれないかもしれませんが、《炎の侍祭、チャンドラ》と《目覚めた猛火、チャンドラ》はどちらも強力なプレインズウォーカーなのでこれからのスタンダードで見かけるかもしれません。


 


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《チャンドラの火炎猫》は「このデッキで使え!」と言わんばかりの珍しい赤のマナクリーチャーです。意外とマナの出るカードが多いので《炎の騎兵》は速攻で攻撃することができそうです。


 


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とにかくWテフェリーへの耐性を下げないことが大事なスタンダード、《丸焼き》と《稲妻牝馬》はそんな憎たらしいプレインズウォーカーを倒すのに役立つカードになるでしょう。ちなみに《稲妻牝馬》は貴重な赤いエレメンタルです。


 


こうやって実際に作ってみると意外とよさそうですね、チャンドラ・エレメンタルデッキ。


ん!?エレメンタルじゃないのが混じってる?


 


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この2枚は強いのでスタンダード落ちするまで赤単で使いましょう!



4.すべてを戻せ!無限《涙の氾濫》デッキ!


 


さて、今度はこの時期のスタンダードでしか楽しめない、『基本セット2019』と『基本セット2020』のカードを使ったデッキを紹介します。


 


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『基本セット2019』と『基本セット2020』の夢のコラボレーション!


 


《涙の氾濫》から《全知》を出して後は好き放題呪文を使うというものです。


 


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そこに《伝承の収集者、タミヨウ》が加われば《涙の氾濫》を何度も墓地から手札に戻して《涙の氾濫》を延々唱えることができるようになるので、他にもプレインズウォーカーがいればその能力使い続けることができます。ただし、《涙の氾濫》で《全知》を出すには「トークンでない土地以外の自分のパーマネントを4枚手札に戻す」という条件をクリアする必要があります。この「トークンでない4枚」というのが簡単そうに見えて意外と難しい。いくらプレインズウォーカーがパーマネントとはいえ4体もコントロールするのは難しそうなので、プレインズウォーカー以外にも何かしらのパーマネントを入れる必要がありそうです。

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メインボード


土地
4《神秘の神殿/Temple of Mystery》
4《繁殖池/Breeding Pool》
4《内陸の湾港/Hinterland Harbor》
9《森/Forest》
4《島/Island》


クリーチャー
4《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》


スペル
4《ギルド球/Guild Globe》
4《成長のらせん/Growth Spiral》
4《楽園の贈り物/Gift of Paradise》
4《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
4《伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales》
1《神秘を操る者、ジェイス/Jace, Wielder of Mysteries》
3《世界を揺るがす者、ニッサ/Nissa, Who Shakes the World》
4《涙の氾濫/Flood of Tears》
3《全知/Omniscience》


サイドボード
4《夏の帳/Veil of Summer》
3《否認/Negate》
2《霊気の疾風/Aether Gust》
2《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
2《打ち壊すブロントドン/Thrashing Brontodon》
2《生体性軟泥/Biogenic Ooze》


 


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4枚のパーマネントの条件を満たすために《樹上の草食獣》、《ギルド球》、《楽園の贈り物》を採用してみました。無限コンボが決まれば《ギルド球》は無限ドローに、《楽園の贈り物》は無限ライフに貢献します。


 


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延々カードを引いて何で勝つかというと、このカードの常在型能力で勝ちます。プレインズウォーカーなので《涙の氾濫》の条件を満たすのに使えるのも重要なポイントです。


 


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一見デッキにあってなさそうな《世界を揺るがす者、ニッサ》ですが《涙の氾濫》を引かなくても《全知》を強引に出せるということで採用してみました。一応、無限コンボが決まった後に《ギルド球》で土地を引いて《樹上の草食獣》でその土地を戦場に出して、それをクリーチャーにしていけば一気にライフを削ることができます。


 


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またまた敵対色対策カードの紹介ですが、《霊気の疾風》もかなり強い対策カードです。打ち消していないので、打ち消せない《苦悩火》や《変容するケラトプス》のようなカードを一旦ライブラリーに戻せるのがいいですね。ただし、ライブラリーの上か下かに戻すのを選ぶのは対戦相手であり、それらの強力なカードは大体は上に戻されるはずなので、次に唱えられるまであまり猶予がないことに気を付けてください。


 


スタンダードのシミックといえば《運命のきずな》デッキであったり、ランプデッキであったりコンボ系デッキが多いですが、新たなコンボデッキとしていかがでしょうか?



5.開始フェイズ


さて、今回の新スタンダード Check it out!はいかがだったでしょうか?今回は3つと少なく申し訳ありません。今回紹介したカード以外では《稲妻の嵐族》はデッキさえあればかなり強力なクリーチャーだと思っています。速攻+飛行という組み合わせは単純に強いですよね!


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今後に期待したいカードです


 


MTGアリーナではもう『基本セット2020』入りのスタンダードで遊ぶことができるので、スタンダードの最初のデッキとして参考にしていただければ幸いです。


それから、話は変わりまして、前回の「スタンダードTips&Tricks」で最後にお願いしたアンケートにご協力いただき誠にありがとうござます。


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一番難しいのが1位になって困っているのが本音ですが、何かしらの形で記事として皆様に公開できたらと考えております。とりあえず、バルセロナのミシックチャンピオンシップがひと段落ついてからかな~?


 


と、いうところで、今回はおしまいにしたいと思います。


 


また次回お会いしましょう、バイバイ!


 


簗瀬 要



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