◆はじめに
どうも!BIGsの渡邉です!
チャンピオンズカップファイナルシーズン2ラウンド2がモダンシーズンということもあり、最近はモダンに比重を置いていました。
店舗予選シーズンは12月中旬まで続くので、あまりモダンに触れてこなかった人もまだまだ挑戦するチャンスはあります!
かく言う私も店舗予選やテーブルトップに限らず、モダンのトーナメントにいくつか参加しました。
直近ですと、
09/08 Modern Challenge(MO) 5-2→2位(決勝スプリット)
09/14 Modern League(MO) 4-1(BIG MAGIC Live)
10/08 プレミアム予選in熊本 権利獲得
10/14 Modern Challenge(MO) 5-2→4位(SE2没)
このように参加した各トーナメントで好成績を残すことが出来ました。
また、上記のトーナメントではすべて黒単貴重品質を使用していました。
『指輪物語』実装前まではカウンターモンキーを好んで使っていたのですが《オークの弓使い》の登場により途端に苦しいポジションへ。
ラクドス想起も回したのですがデッキの地力を感じる反面、安定感のないところが気になっていました。
そんなこんなで主にミッドレンジ系のデッキを試しては解体してを繰り返し、9月頃のMOモダンリーグでよく当たった黒単貴重品室を試したところ思ったより悪くないと感じました。
見た目は全然好みではないですが、モダンメタゲームの頂上にいるラクドス想起相手に有利に立ち回れるのが使用する意欲をだいぶ後押ししてくれました。
トップメタに有利がつくのは良いことですよね。
◆黒単貴重品室とは
この組み合わせで中盤から終盤に大量のマナを確保します。
《大いなる創造者、カーン》や《一つの指輪》で得たアドバンテージと大量のマナで盤面を掌握するのが大体の勝ち筋で、所謂「除去コントロール」のカテゴリーに属します。
~サンプルリスト~
プレミアム予選in熊本@MUGEN TABLE GAMES 権利獲得
◆採用カード解説
・メインボード
《夜の囁き/Night's Whisper》
ショック《表現の反復》です!!!・・・盛りました。
《表現の反復》とまでは言いませんが、序盤の安定性や中盤以降も軽く動けるドローとしていぶし銀な活躍をします。
これを採用するかどうかは世の黒単使いの中でも分かれていて、不採用のリストも多く見かけます。
単色デッキで2マナ2ドローはなかなか他にない良い性能なのですが《オークの弓使い》に引っかかるととんでもないことになるので、相手が《オークの弓使い》を出せないタイミング、もしくは出されても除去出来るなどのチェックが必要です。
私の見解としては、デッキの構成上受動的なカード(主に除去)が多いので、このようなドローするカードを入れておかないといささか《一つの指輪》頼みになり過ぎるので今のメタゲームでは4枚採用しています。
《思考囲い》と合わせると合計8枚もライフルーズのあるカードを採用することになるので、バーンなどのライフを早い段階で詰めてくるデッキが流行した場合は採用しない方が賢明だと思います。
《塵へのしがみつき/Cling to Dust》
主な用途は墓地対策になります。
ラクドス想起戦の序盤ではそうそう都合よくハマりませんが《悲嘆》以外であれば牽制できます。
また、中盤以降も「除去を撃ちたいけど《まだ死んでいない》がチラついて・・・」というときに重宝します。
他にもヨーグモス医院の『不死』持ちクリーチャーを牽制したり、《レンと六番》の能力起動で対象に取った土地を追放するなど地味に活躍します。
ついついドローを優先しがちですが、クリーチャー追放の3点ゲインもライフの苦しい相手には光ります。
ただ、除去よりもさらに受動的なカードなので2枚程度の採用に抑えるのが無難だと思います。
「脱出」はついつい忘れがちなので意識しておきたいところ。
《シェオルドレッドの勅令/Sheoldred's Edict》
「除去はあるけどプレインズウォーカーに触れない」というストレスを解消してくれる良カード。
布告系の除去の常ですが横並びには弱く、特にヨーグモス医院や鱗親和戦では顕著で、アミュレットタイタン戦でも《樹上の草食獣》を出された途端に腐り気味になります。
今のメタゲーム的には4枚採用で問題ないと思いますが、状況に応じて枚数は考えても良いかなと。
《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
対《一つの指輪》最強カード。
このカードが対ミッドレンジ~コントロールの勝率を担保してくれていると思います。
定着すればグッと勝利に近づくので、除去はもちろんのこと《オークの弓使い》をブロッカーに回したりして上手く守りたいところです。
強力な反面、サイドボードの柔軟性を大きく損なうので良く出来たカードデザインだなと。
マイナスの忠誠度能力は、
[-2]:あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーであるアーティファクト・カード1枚を公開するか、追放領域にあるあなたがオーナーである表向きのアーティファクト・カード1枚を選んでもよい。そのカードをあなたの手札に加える。
ということで、追放領域からもカードを手札に加えられます。
例えば《否定の力》で打ち消されたカードであったり《力線の束縛》で追放されたカードを手札に加えることができます。
《塵へのしがみつき》で追放したり「脱出」コストに充てたカードも戻すことができます。
MOだと強調表示されるので気づきやすいですが、テーブルトップではなかなか気づかない場合があるので意識したいですね(戒め)。
《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》
こちらも使い手によって採用枚数が分かれるカードですね。
除去コントロールの宿命として「引いても引いても勝ち筋が来ない!」というありがちな負け方があるので、個人的には攻守に長ける《黙示録、シェオルドレッド》は厚めに採用したいです。
相手の余った除去が飛んでくるのは目に見えていますが、定着した場合のリターンも大きいのでそこは一長一短。
4マナ域が《大いなる創造者、カーン》と《一つの指輪》だけだと《否定の力》や《呪文貫き》にモジモジする羽目になるので、クリーチャーであることが必ずしも悪いことばかりではありません。
《不憫な悲哀の行進/March of Wretched Sorrow》
序盤中盤終盤なにかと使える縁の下の力持ち。
ライフをリソースとして使いがちなので、大きくライフゲインができると勝利に直結することも0ではありません。
追加コストを払うのに抵抗のある方もいると思いますが、2点ゲインしておけば《思考囲い》や《夜の囁き》のライフルーズを帳消しにしてくれるので一考の余地ありです。
個人的にはこのカードの使い方が1番腕の出るところではないかなと思います。
ただ4枚入れると使い切れない可能性もあって2枚じゃ少ないような気がするので、3枚くらいが適当なんじゃないかと思ってます。
最近のカードなのでプレインズウォーカーも対象に取れます。
土地コンボへの耐性を上げるために合わせて7枚程度採用されます。
アミュレットタイタンやトロンなど、黒単では耐性が低くなりがちなデッキにチャンスを作れます。
起動コストの関係で先手と後手のバリューが大分違いますが、ないよりはマシなので仕方ないかなと。
モダンのデッキは基本土地が3枚程度なことが多いので、相手次第では序盤から積極的に土地を割るのもありです。
《致命的な一押し》の「紛争」を達成できるのも見逃せませんね。
《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》
単体では無色マナすらでないトンデモカード。
令和の時代に生まれていれば無色マナぐらい出たと思うんですけどね。
組み合わせの関係で《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を4枚採用せざるを得ないのでさらにデッキの安定性を下げています。
ただ、デッキの安定性を下げる代わりに後半の爆発力を底上げしてくれます。
「《陰謀団の貴重品室》はいらない」という意見も聞くのですが、それなら黒単にこだわる必要も無いと思うので黒単色で組むなら個人的には4枚採用したいです。
なにより《陰謀団の貴重品室》から大量のマナを出すと気持ちいいんですねー。
・サイドボード
《虚空の力線/Leyline of the Void》
熊本遠征中ずっとMOパンダと「いる→いらない→いる」と議論したカード。
《大祖始の遺産》や《虚無の呪文爆弾》のような「後半引いてもドローできるので腐りづらい」「《大いなる創造者、カーン》で持って来れる」カードにしても良いのですが、0ターン目に設置できるかどうかは雲泥の差なんですよね。
ラクドス想起はもちろんのこと、ヨーグモス医院や《濁浪の執政》にも強いです。
また「接合」や《搭載歩行機械》の死亡誘発も防げるので鱗親和にも効果があります。
なんやかんや言っても墓地を何かしら利用するデッキは一定数いるので、今のところサイドに4枚採用しておいていいと思います。
《液鋼の塗膜/Liquimetal Coating》
アーティファクト化させた土地を《大いなる創造者、カーン》の+能力でクリーチャー化させると0/0のクリーチャーになるので毎ターン土地破壊ができます。
トロンやアミュレットタイタンなどの土地系コンボ相手のゴールになりやすいです。
そうでなくても6マナ出るタイミングで《大いなる創造者、カーン》から手札に加えて設置、相手のアップキープに起動させたくないパーマネントを対象に起動などは良くやります。
案外持ってくることが少ないような気もしますが、決まると流石に強いので入れておきましょう。
《石の脳/The Stone Brain》
特定のカードに依存するコンボデッキに対して強いです。
各種トロンランドや《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》なんかをうまく引っこ抜けると良いですね。
ただ《大いなる創造者、カーン》と合わせて合計8マナかかるので過信はできません。
起動できないタイミングで置くと《耐え抜くもの、母聖樹》で割られたりするので気をつけましょう。
ちなみに、黒単貴重品室ミラーマッチでは先に起動して《大いなる創造者、カーン》を追放した方が勝ちます。
《罠の橋/Ensnaring Bridge》
「これじゃなきゃ耐えられない!」という場面はまあまああります。
影響が大きい割には3マナなので使いやすいですね。
自分も殴れなくなりますけど、盤面さえ掌握すれば《一つの指輪》で手札を増やしたり《街並みの地ならし屋》で破壊したりとなんとでもなります。
《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
1回殴れればだいたいライフを安全圏内に持っていけると思います。
追放除去がない相手には効果抜群なので積極的に持ってきたいところ。
サイドボードに採用しているクリーチャーの中では軽い方なので《陰謀団の貴重品室》が引けていないor対策されている状態でも概ねプレイできる6マナなのもよく持ってくる理由の1つです。
《街並みの地ならし屋/Cityscape Leveler》
パイオニアの緑単信心でお馴染みの『兄弟戦争』出身の強力なアーティファクトクリーチャーです。
レンアンドオムナス戦では《力線の束縛》を壊せるのはもちろんのこと、最近増えてきた《機械の母、エリシュ・ノーン》を妨害されずに処理できる貴重な戦力です。
8マナ出るタイミングであれば《隔離するタイタン》を持ってくることの方が多い気がしますが、盤面が不利な場合は《街並みの地ならし屋》の方が優先されます。
ほとんど「蘇生」したことがないので打ち消されたりして墓地に直行した場合ついつい忘れがちです(戒め)。
《隔離するタイタン/Sundering Titan》
正直に言うと「このカードを使いたいがために黒単貴重品室を回しているのではないだろうか?」と思う時があるくらい気持ちよくて強いカードです。
レンアンドオムナス戦での実質のゴールとなります。
容赦なく5枚土地を割ってやりましょう。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》が場に出ていれば沼の入っていない相手でも沼カウントを取れるので、トロン戦でも《森》+《沼》(トロンランド等)と2枚破壊することができたりします。
対カスケードクラッシュ用のサイドカードとして関連性が高いのでまとめて紹介します。
基本的に1対1交換を繰り返して序盤を凌ぐ構成なので、3ターン目のエンドステップに4/4のサイトークンが2体出てくるのは厳しいです。
お客様、簡単に1対2交換を要求されては困ります。
ですので、序盤をどうにか耐えて《虚空の杯》をX=0で設置、もしくは《仕組まれた爆薬》で盤面を一掃するというのが主な勝ち筋になります。
言うのは簡単ですが、カウンターがある分カスケードクラッシュに分があるので気楽にやりましょう。
また、これらのカードは汎用性が高くカスケードクラッシュ戦以外でも使える場面があったりするので見逃さないようにしましょう。
(例:《虚空の杯》X=1で《稲妻》から身を守る。《仕組まれた爆薬》X=0で《ウルザの物語》から出てくるトークンを牽制する等)
・メインボード不採用カード
《滅び/Damnation》
今のメタゲーム上で全体除去がいるかどうかというのは難しい議論ですが、個人的には必要ないと思っています。
メタゲーム上位に横並びに特化したデッキが少ないというのが主たる理由ですね。
苦手としている土地系コンボに効きづらいのもネガティブな要素です。
ただ、特に苦手としているカスケードクラッシュ相手にワンチャン作れる可能性があるので全く無しかというとそうでもないです。
メタ次第では1~2枚採用するのはあり得るので、ご自身の参加するトーナメントの想定デッキ分布と相談しましょう。
《カザド=ドゥームのトロール/Troll of Khazad-dûm》
序盤の安定要素として《夜の囁き》と競合する枠ですね。
両方採用というリストは見た記憶が無いです。
使ってみた感想としては、安定する分リソース不足に陥りやすいという印象でした。
6マナで普通に出す動きは別に強くもないので、いろいろなシチュエーションを想定すると《夜の囁き》に軍配が上がるかなと。
《夜の囁き》と違って「ライフに余裕ができる」「《オークの弓使い》に引っかからない」という部分に価値を見いだせれば採用もありかと思います。
《血の長の渇き/Bloodchief's Thirst》
《レンと六番》を撃ち落とせると嬉しい(得はしていない)。
「キッカー」もあって一見柔軟そうだが《致命的な一押し》の方が圧倒的に使いやすい。
どうしてもソーサリーなのが好きになれなくて今のところ不採用ですが、1ターン目からクリーチャーを出してくるデッキが増えたら検討の余地ありです。
・サイドボード不採用カード
《約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised End》
レンアンドオムナスや重いデッキを相手にしたとき活躍します。
《陰謀団の貴重品室》があるので割と唱えやすい気もしますが、それでも重いです。
通ればだいたい勝つのでそういう意味ではありと言えばありですが、ただでさえカツカツのサイドボード枠を1枚使う程なのかは疑問。
今後コントロール系のデッキが増えるようなら採用していいと思います。
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
ヨーグモス医院や鱗親和、ヘリオッドカンパニーなど苦戦しがちな相手に効くのでありです。
試行回数が少ないのでまだはっきりとは言えませんが、メタゲーム次第では標準装備になってもおかしくないかなと。
《機能不全ダニ》を止められると長期戦もやりやすくなるので考えれば考えるほどありですね。
《歩行バリスタ/Walking Ballista》
6マナあれば《大いなる創造者、カーン》を出しながらブロッカーとして設置できます。
マナがあればXを大きくしてフィニッシャーにすることも可能。
器用なカードですが、役割がふんわりしている様な気もします。
「プロテクション黒」のように《歩行バリスタ》で触りたいカードが流行れば採用する理由も出てくると思います。
◆プレイ指針
・相手の動きに合わせる
受動的な除去コントロールですので、序盤~中盤は相手のアクションに対応して動く展開が主です。
相手が2ターン目になにもしないでパスしてきたからといって《オークの弓使い》をとりあえず出してみる、という挙動は些か安直です。
当然相手次第では全然ありな動きですが、場に出た際の誘発1点で除去or相手の戦闘に合わせて都合タフネス3のクリーチャーを落とせる場合もあるので慎重に使いたいですね。
受け身なこのデッキで《オークの弓使い》が《急報》程度の働きで終わるのは負け筋になりかねないので、除去としてうまく活用できる場面は見逃さないように。
・マリガン判断について
基本的には特定のキーカードに依存するデッキではないので、メインボードでは3~4枚の土地があれば大体キープでいいと思います。
土地が安定して置けないハンドをキープすると、結局中盤以降で手詰まりになりやすいので最低でも3枚以上の土地でキープしたいです。
ただ《廃墟の地》《解体爆破場》《陰謀団の貴重品室》のどれかしかない手札では《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》をトップデッキしないとほぼ動けないのでマリガンして良いです。
4マナのカードが複数で序盤動けなそうな手札もマリガンしていいです。
◆サイド方針
《大いなる創造者、カーン》を採用しているため《虚空の力線》のみがサイドインできるカードです。
致命的に相性が悪いデッキが増えたらカーンボードの枠を削って対策カードを増やすのもありです。
(その場合はそもそも黒単貴重品室を使うメリットがあるのかという話にもなりますが・・・)
《虚空の力線》をサイドインするマッチアップ
ラクドス想起
鱗親和
ヨーグモス医院
カウンターモンキー
などなど
「墓地から場に戻る」「死亡誘発」「接合」「不死」「探査」この辺の能力を見かけたらサイドインしていいと思います。
サイドアウト候補
相手の墓地が増えない前提なので抜きます。
設置できなかった場合or対処された場合のサブプランという側面もありますが、墓地対策が計6枚も入ると終盤で弱いカードが増えるので減らすのが無難かなと。
盤面に干渉できない&ライフルーズのあるどちらかを減らすことが多いです。
除去コントロール相手にロングゲームプランを立ててくることは少ないので、序盤にライフを詰められてしまった場合ライフルーズのあるカードは使い切れない可能性があります。
どちらを減らすかは相手次第で、先手後手によっても変わってきます。
例えばラクドス想起戦では《虚空の力線》が設置できた場合《まだ死んでいない》等のカードが腐ります。
そうすると、盤面に干渉し続けることだけが求められるので《思考囲い》よりも追加のリソース源となる《夜の囁き》が優先されます。
また、先手の利を活かして《夜の囁き》を多く残す、後手1ターン目から動けるように《思考囲い》を多く残すなどの先手後手によるゲームプランでも変更していいと思います。
◆マッチアップガイド
主要デッキとの相性を5段階で評価しながら、どのように立ち回ればいいのかを簡単に説明していきます。
・ラクドス想起★★★★★
基本的には相性はいいです。
というかラクドス想起がトップメタだからこのデッキを使っていると言ってもいいくらいです。
逆に言えば、ラクドス想起がトップメタから退場した場合はこのデッキを使う理由が少し弱くなります。
《ダウスィーの虚空歩き》をうまく処理できるかどうかが序盤の攻防の鍵です。
ハンデス経由でこちらのフィニッシャーを奪われると大体大惨事になります。
《鏡割りの寓話》本体に対処できずに負けるパターンもよくあるので、ゴブリントークンを除去するかどうかは手札と要相談です。
サイドボード後は《虚空の力線》を設置できればかなり有利に進めることができるので、火力で押し切られないようにライフは大事に守りましょう。
・レンアンドオムナス★★★★☆
「きついなー」と思いながら消耗戦を繰り返していくと、最終的に大量のマナから《隔離するタイタン》が着地してなぜか勝ちます。
体感的にはあまり有利には感じないのですがよく勝ちます。
最近は《対抗呪文》や《機械の母、エリシュ・ノーン》など苦しいカードの採用も増えてきているので、採用カードによっては★を一つ減らすことになると思います。
《豆の木をのぼれ》など《オークの弓使い》が誘発するチャンスはいくらでもあるので積極的にライフを詰めたいところです。
先に《激情》を使わせることができれば、少しだけ《大いなる創造者、カーン》が生き残る可能性が上がります。
・カスケードクラッシュ★★☆☆☆
簡単に1対2交換を強要してきます。
そしてこちらのビッグアクションを綺麗にカウンターされて負けるのがいつものパターンです。
勝負所でアップキープに《陰謀団の貴重品室》を《火+氷》でタップさせられて何度悔しい思いをしたことか。
この時だけは《滅び》が欲しくなりますが、1~2枚採用したところでそこまで相性が改善されるとも思えないので諦めましょう。
《緻密》に引っかからない《一つの指輪》を通せるかどうかが重要なので《思考囲い》の打ち所は見極めたいですね(サイトークンの猛攻に耐えながら)。
・鱗親和★★★☆☆
盤面を押さえ込みながら《大いなる創造者、カーン》を4ターン目に置けるかどうかが焦点になります。
置けないと相手がガチャガチャするのを眺めることになります。負けます。
サイドボード後は《機能不全ダニ》の追加も想定されるので、ここへの勝率を上げたいなら《呪われたトーテム像》がサイドボードに欲しくなりますね。
《ウルザの物語》や《墨蛾の生息地》など土地も強いので、《廃墟の地》と《解体爆破場》で積極的に干渉していきましょう。
・バーン★★★★☆
あまり負けないです。
《乱動する渦》と《頭蓋割り》があるので《不憫な悲哀の行進》はあまり温存しないで、打てるタイミングでピッチコストも使って大きく打ちましょう。
・ヨーグモス医院★★☆☆☆
サイドボードも含めると五分五分くらいだと思っていますが、そもそも横並びがキツいので微不利ぐらいかなと。
《飢餓の潮流、グリスト》が非常にやっかいです。
どのみち《シェオルドレッドの勅令》は使い勝手の悪い除去なので、プレインズウォーカー用に温存するのもありです。
《虚空の力線》は割られやすいので2枚目以降も余裕があるなら設置していきましょう。
《大いなる創造者、カーン》が定着すると《アガサの魂の大釜》を止められて強いのですが、そうそう維持できないのであまり期待せず。
+能力で《アガサの魂の大釜》をクリーチャー化すれば除去が当てられるのは覚えておきたいですね。
・トロン★★★☆☆
先手を取れれば微有利、後手だと不利ぐらいの印象です。
《廃墟の地》《解体爆破場》が間に合うかどうかが鍵ですね。
トロンランドを妨害した次はお互いの《大いなる創造者、カーン》を巡る戦いに移行します。
《オークの弓使い》はプレインズウォーカーの牽制にも役立ちますし、《彩色の宝球》や《彩色の星》で誘発するので積極的に出していきましょう。
・アミュレットタイタン★★☆☆☆
《廃墟の地》《解体爆破場》では間に合わない場合が多いです。
先手を取られて早いターンで仕掛けられると手も足も出ずに負けます。
安定性が高いデッキという訳ではないので《思考囲い》で序盤を妨害できたら勝機はあります。
《樹上の草食獣》は一見放置してもよさそうですけど《シェオルドレッドの勅令》を打つ際に邪魔なので暇なら《致命的な一押し》を当ててもいいです。
・カウンターモンキー★★★★★
有利だと思います。
《オークの弓使い》が攻守において良い働きをします。
カウンターが多く採用されていて一見キツそうですが、こちらも同程度の除去が入っているので生物を守り切ることはほぼ不可能です。
《思考囲い》で前方確認をしてから4マナのフィニッシャーを着地させましょう。
・ヘリオッドカンパニー☆☆☆☆☆
不利です。《太陽冠のヘリオッド》に干渉する手段がありません。
MOではあまり遭遇しなかったので事故だと思って済ませてきましたが、数が増えるようなら対策が必要ですね。
ただ、早いターンに無限ライフコンボを決められるとそこから勝てる手段は《大いなる創造者、カーン》+《石の脳》でライブラリーを削りきるというほぼ無理ゲーなのでやはり諦めていいと思います。
なにか解決策があれば是非教えてください!
◆今後の展望(メタゲームの推移による改造案)
メタゲームは常に動いています。
今日の勝ち組が明日の負け組なんていうのは日常茶飯事です。
では、変化するメタゲームの中で黒単貴重品室が生き残るにはどうしたらいいのか?
「ポジションが悪くなったなら他のデッキに乗り換えましょう!」
ではこんな記事を書いておいてあまりにも無責任な気がしたので、まだ見ぬ黒単貴重品室2ndについて考えていきます。
・色を足す
MODERN CHALLENGE 96 2023/10/7(3rd Place)
「まだ見ぬ」とか言っておきながら10/7のモダンチャレンジでTOP4に入賞していたデッキです。
《羅利骨灰》と《機能不全ダニ》のために緑が足されていて、この構成では流石に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》+《陰謀団の貴重品室》パッケージは諦めざるをえないようですね。
《羅利骨灰》は黒単が苦手とするエンチャントに干渉できるようになるのがいいですね。
このリストでは《廃墟の地》などで《森》をサーチする設計になっています。
《カザド=ドゥームのトロール》を採用して《草むした墓》をサーチすることで、安定して緑マナを出せるようにする構築もありだと思います。
・対コントロールを見据えて
エスパーコントロールのように、カウンターを擁するコントロールデッキが流行ると少しポジションが悪くなりそうです。
熊本のプレミアム予選でディミーアコントロールと対戦したときに「サイドボードに追加の手札破壊が欲しい!」と思いました。
カーンボードの枠を削って《強迫》などの追加の手札破壊を採用することで相性の改善が見込めますが、《大いなる創造者、カーン》のポテンシャルを下げてまで対策する価値があるのかは未知数です。
今後のメタゲームに注目ですね。
《ヴェールのリリアナ》は除去枠としてもカウントでき、コントロール相手にプレッシャーをかけられるので採用候補です。
相手が多色コントロールなら《疑念の影》で序盤のフェッチランドを妨害するのも良いかもしれません。
◆最後に
黒単貴重品室のデッキガイドは以上になります。
私自身メタゲームの産物のような受動的なデッキで、ここまで勝てるとは思いませんでした。
1から組むには少しハードルが高いようにも感じますが《黙示録、シェオルドレッド》はスタンダードで使えたり、《思考囲い》や《大いなる創造者、カーン》はパイオニアでも活躍しているので持っている人も多いのでは?
この記事を読んで興味を持ってくれた人がいたら是非一度回して見て欲しいです。
一緒に《陰謀団の貴重品室》の強さの振れ幅に右往左往しましょう!
感想や質問等があれば是非Xまでお願いします。