熱血!デカナベ塾!BIGs渡邉崇憲の「初心者からステップアップしたいキミへ贈る言葉」

◆はじめに


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どうも皆さんこんにちは!BIGsのデカナベです!
年末はどうしてもバタバタして放送が難しいので、代わりといってはなんですが今回は大会レポートとは違った形で記事を書いてみます。


新潟のごくごく一部の若手から「デカナベさん、マジック教えてくださいよー」といわれていました。
教えてくれといわれても『自分はまだまだ修行の身ゆえ・・・』という気持ちもありつつ、若手からみれば「十分な成績を出しているじゃないですかー!」という声もあり難しいところ。


かといって、いざなにかを教えようとしても何を教えていいか分からないまま経つ月日。
酒の席で小難しい話をしてもウザいだろうし、大会の合間に話すだけでは短いし、人になにかを伝えるというのは難しいものですね。


頭の中だけでは整理するのも難しいし、なにより「マジック教えてくださいよー」に対するアンサーも特に返せそうにないので別のベクトルで書くことに決めました(それはそれで答えになっているのか?)。


初心者向けというよりは、自分が駆け出しの頃、もしくは少しずつ大きなトーナメントでも勝ち越せる様になったとき、または最近意識している事なんかをいくつかピックアップして紹介してみようと思います。


この記事を読んだら次の日から勝てるようになる!
なんてことは期待できませんが、若手のみなさんがなにか掴むきっかけになれば良いかと思います。


それでは塾長、よろしくおねがいします!


 


 


◆MTG初心者へ向けた"熱血!デカナベ塾!"開講


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オーッス!


未来のチャンピオン!


わかる、わかるぜぇ・・・。


あんた、勝ちたいんだろ?
ただ、ここでは「明日から使える最強テクニック!」「これだけ守れば絶対勝てる!鉄の掟!」なんて話は出てこないぞ。


あくまでもデカナベが競技MTGを始めてから得た知見、心がけ、考え方なんていう滅茶苦茶抽象的な話になる。
そんな簡単に勝てる方法があるならこっちが教えてもらいたいっつーの!(ドッ!)


諦めろ!千里の道も一歩からだ!
そういうことで、始めるぞ!


 


 
1.アグロを握れ!!!


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わかる、わかるぜぇ・・・。


コントロールデッキに完封されたとき、コンボを華麗に決められたとき、ミッドレンジの万能感を見せつけられたとき、キミは憧れてしまう。


かくいう私も若かりし頃に、とある大会で見かけた《吠えたける鉱山》からの大量ドローでダメージ軽減系のカードを連打して勝つターボフォグに心奪われてしまった。


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「MTGってこんな勝ち方もあるのかよ・・・すげぇ・・・」


またあるときはオリジナルデッキで全然勝てない自分を見かねた友人がクイックントースト(ガチガチの重コントロール)を貸してくれてコントロールの魅力に目覚めたときもあった。


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「《謎めいた命令》って強すぎるだろ・・・」


ご多分に漏れず、若き日のデカナベ君もMTGの様々な魅力に踊らされて過ごすわけだが、まあ勝てない。


別に勝てないことは当時大して気にはならなかった。
普通にカードで遊んでるだけで楽しかったしね。
というか、なんか続けていればいつの日か、なんか知らんけど勝てるんじゃないかと、漠然と思っていた。


逆説的になるが、今だからあの頃勝てなかった理由が分かると思う。
コンバットが下手なんだなぁ。


『よく分からないけどここは殴ると危険そうだからブロッカーとして立たせておこう』
のような謎のロジックで攻守をするものだから自分が不利なのか有利なのかもよく分からない。


この辺は、始めた頃に謎コンボや重コントロールばかりに手を出した弊害だと思う。
個人的には初心者であればあるほどアグロデッキを握ってみて欲しい。
ゲームレンジが長くなれば長くなるほど複雑になるし、選択肢も増える。


最近のアグロデッキはデッキパワーも高く、相手の妨害が少なければ4ターン目くらいには勝ててしまうことも少なくない。


どうしても好みがあるので、デッキの上10枚くらいで勝負が決まるようなデッキよりも、60枚フルに使って戦うようなデッキが好きな人がいるのも分かる。


好きなデッキを使うのが当然1番いいと思う。楽しいからね。


ただ、最初のうちはアグロデッキでコンバットの練習、初手をみてどうやって戦うのかプランニングする力を鍛えていくのが上達への近道だ。


 


 
2.簡単に勝てると思うな!!!


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「勝ちたいから読み始めたんですけど!」


まあ待て、話せば分かる。
このゲームはなかなか勝てないんだ。


自分も初めてFNMに出たときは緊張した。
そして当然勝てない。


『欲しい・・・上位賞のプロモが欲しい・・・』
そんな感じでふんわりMTGを続けていたら、大学生の頃に「あかつき杯に一緒に行かない?」と社会人プレイヤーに誘われた。
(少し補足すると、自分は福島県のとある大学生で、あかつき杯は栃木県で開催されていた草の根大会である。)


私は驚愕した。
この人たちはカードゲームで遊ぶために、わざわざ県外までいくのかと。


あまりの動揺とFNMでプロモももらえない拙い腕前なため、最初のお誘いは丁重に断った。
定期的に開催されているらしく、次も誘われた。


またなにかと理由を付けて断ろうとしたら「自信がない?いいじゃんいいじゃん!腕試しに行こうよ。練習にもなると思うよ!」


腕試し?練習?カードゲームで遊んでいるだけなのに、どういうこと?
と思いつつも、なぜかハートに火がついて今回は連れて行ってもらうことにした。
店長から「あかつき杯で勝てたら箔がつくよ!」なんて言われその気になる。
当然ボロボロに負けた。


でも、それ以上に休みの日に車で友達と県外にカードゲームをやりに行くという体験が面白すぎた。
もうそこからはあかつき杯で勝つことに夢中。
何回か参加したけど、結局勝てないまま大学を卒業。


それでも、そんな挑戦を続けていく中で地元ショップの週末大会で優勝してパックをもらったり、念願のFNMプロモをゲットすることもできた。


あかつき杯も、五城楼杯も、カテラン杯も1回も優勝できなかった。
まあそんなもんなんだな。


でも、そこで負けた経験が今の自分を作ったとも言える。
「どうせ勝てない」なんていじける必要はない。
最初のうちは負けても悲観しないで「今は修行中」くらいの感覚でいい。


チャンスは来る、それも唐突に。



3.「勝ちたい」と「負けたくない」の狭間で


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・勝ちたい思考:勝ちたいと思う前向きな気持ち。オフェンス寄り。


・負けたくない思考:負けたくないと思う後ろ向きな気持ち。ディフェンス寄り。


として、みんなはどっちの思考になることが多いかな?
別にどっちがいいとか悪いとかいう話ではなく、個人的にはバランスの問題だと思う。
攻撃と守備、その時どちらに比重を置いているかという話。


1で話したアグロなんかは基本的には勝ちたい思考で回すことができれば真価を発揮しやすい。
と思いきや、アグロミラーマッチの後手では勝ちたい気持ちが先行しても守り切ることはできないだろう。
はやる気持ちをグッと抑えて、負けたくない思考で反撃の機会をうかがうのが吉だ。
簡単に説明するとこんなところだが、頭ではわかっていても実践できるかどうかは別の話。


例えば、劣勢な状況でも勝ちたい思考を維持して積極的に活路を見出せるか。
または、有利な盤面でも負けたくない思考で堅実なプレイをできるかどうか。


ただ、最初から複数のパターンを想定したり、引き込むカードをある程度勘定に入れながらゲームを進めるのは簡単ではないので、はじめのうちはとりあえず突っ込んでみるといいと思う。


私がカードを始めたての頃の友人たちとの合い言葉をキミに贈る。


「攻めた結果でしょ?」


攻めた結果、負けるのは仕方ないのだ。
尻込みして勝ちどきを逃すよりよっぽどいい。
漢なら負けるときも前のめりにいけい!!!


 


 
4.自分に合ったデッキタイプを見つけよう


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3の話とも関連するのだが、きっとキミに合ったデッキタイプというのがこの世には存在する。
相性占いみたいなものだと思ってくれていい。


ここで重要なのは"好き"なデッキタイプがキミに"合っている"という訳では必ずしもないということだ。


1でも話したが、私はキャリア初期には謎コンボや重コントロールが好きだった。
だが、The Finals 2018の優勝を筆頭に、私の主な戦績は白系のアグロデッキ、特にボロスカラーでの入賞が多くなっている。


結論から言うと、私にはアグロデッキが合っている。
軽量クリーチャーを展開して、早いターンに相手のライフを削りきるデッキタイプだ。
コンボやコントロールに比べれば遙かに上手く扱える自信がある。


自分なりに自己分析をすると、私は勝ちたい思考が強いと思う。
割合でいうと勝ちたい8:負けたくない2といったところか。
積極的にゲームを動かす方が好きだし、ディフェンスに回るよりはオフェンス側でいたい。


そんな考え方と、アグロデッキという短いゲームレンジのデッキが自分には合っているのだと思う。
デッキタイプについての好き嫌いや、自分で認識している得意不得意はあるだろう。
手に取ってみないと分からないこともあると思うので、1でアグロを回せ!と言っておいてなんだが色んなデッキに触れてみて欲しい。


もしかしたら「今まで敬遠してきたけどなんか妙に手になじむ・・・」なんてデッキタイプが見つかるかも知れない。


可能性は無限大だ!


 


 
5.練習をやめろ!!!


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「また無茶苦茶な論法か!もう怒るぞ!」


まあ待て、落ち着け。


・・・落ち着いたか?


かつてはFNMですら緊張していた私だが、今ではもっと大きい大会でもそこまで緊張しないで取り組む事ができている。


よくある言葉だが「練習は本番のように、本番は練習のように」なんてどこかで聞いたことはないだろうか。
MTGも同じで、普段やっていないことをいきなり大事な大会で実践するのはなかなか難しい。
近年はMTGアリーナの普及により、多くの人が平日でもMTGに触れる機会はそれなりにあるのではないだろうか。


例えば、そんな平日の1マッチを「これに勝ったらTOP8!」なんて気持ちでやってみて欲しい。
いきなり本気でそう思うのは難しいだろうが、それでもいつか大事な大会で「これに勝ったらTOP8!」なんて日がくる。


その時はじめて感じる「これに勝ったらTOP8!」なんてプレッシャーの中で冷静な判断ができるだろうか。
本当にそんな場面になってみないと、どのくらいのプレッシャーが自分に掛かるかは正確には分からないかもしれない。


逆に言ってしまえば、そんな大事な大会でもFNMと同じメンタルで臨めればそこまで緊張することもないだろう。
自分はまだプロツアーに出たこともない頃から「FNMの1勝もプロツアーの1勝も同じ3点」と思い込むようにしていた(生意気にも)。
それでもそんな考え方を半信半疑ながら長年続けると、案外それっぽく考えられるようにはなる。


今だとチャンピオンズカップファイナルに参加するときも「運試し」くらいのノリである。
当然、当日に向けて練習したり研究したりはするが、どれだけ頑張っても報われないときはある。


本番は練習、練習は本番。
もし「大会当日に緊張して本来の実力が出せない」なんて悩んでいる人がいたら、そんな考え方を試してみて欲しい。


 


 
6.最後に


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唐突に開講したが、そろそろ終わりの時間のようだ。
今回の話は万人に刺さるものではないと思う。
それでも、なかなか勝ちきれない若手が少しでもなにかを掴むきっかけになれば嬉しい。


このゲームはついつい技術的な側面の話になりがちだし、そういうものが求められているのもわかる。
ただ、テクニックだけ鍛えてみんながみんな結果を出せる訳ではない。
テクニックと同様にメンタルの強靱さも求められるし、大きい大会であれば長いラウンドを戦い抜くフィジカルも求められる。


今回は主にメンタル面へアプローチした内容にしたつもりだ。


「攻めた結果でしょ?」


隙があればとにかくフルパンだ!


グッドラック!!!


 
◆まとめ


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いかがだったでしょうか、熱血デカナベ塾。
こんな話を書こう書こうと半年くらい思ってはいたのですが、いざ文字に起こしてみると難しいものですね。
「デカナベさん、マジック教えてくださいよー」に対して全然アンサー返せてないように思うけど、これはこれでいいじゃん!


私が技術的なアドバイスをしても、もっと良いアドバイスしてくれる人は世の中に沢山いるんでね。
自分はどちらかというとテクニックというよりは度胸と根性みたいな感じで結果を出してきたと思ってるので、そんな自分でもなにか伝えられたらと思い書きました。
もし好評なら続編もあるかも?


この記事を読んで、競技MTGに興味はあるけどいまいちどうやって取り組んでいいか分からない人がなにかを掴むきっかけになれば嬉しいです。
今後とも応援よろしくお願いします。


質問や感想があれば是非Xの方に投稿してみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。


 


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