はじめに
こんにちは!「BIGs」&「MTG通販Nageya」 の斉田です。
先日行われたグランプリ静岡(スタンダード)にてTOP4に入賞することができました。
グランプリでTOP8に入ったのは今回が初めてで、同様にプロツアーの権利も初めて獲得しました。日頃から記事や動画など、活動に声援を送ってくださる方々のおかげと存じております。この場を借りて御礼申し上げます。
今年の私の成績を振り返ってみると
3月GP京都 [チーム構築] 11勝3敗 プロポイント3点
7月GP千葉 [リミテッド] 12勝3敗 プロポイント3点
(8月エターナル・ウィークエンド [レガシー] 準優勝)
12月GP静岡 [スタンダード] TOP4 プロポイント5点
と例年になく好調を維持してなんとブロンズレベルにも到達しました。
身に余る成績と称号で実感がわかない部分もありますが、練習に打ち込んだ努力が実を結んだと思うと素直に嬉しいですね。
今回の記事ではGP静岡までに紆余曲折あったデッキ選択の経緯をお伝えしていきます。使用した『ジェスカイ・コントロール』自体については、noteにて有料記事に初挑戦しましたので、気になる方は是非そちらもご覧ください。(冒頭部分は無料公開です)
プロツアーによるメタゲームの形成(GP静岡3週間前)
スタンダードのメタゲームの始まりと言えば、やはりプロツアー。先に発表されたTOP8が『ボロス・アグロ』ばかりだったときはどうなることかと思いましたが、よくよくスタンダード好成績者リストを見てみると・・・
スタンダード8勝2敗以上が4 白赤アグロ4 イゼットドレイク4 ジェスカイコン4 ゴルガリミッド4 赤単2 セレズニアトークン1 青単でスタン環境素晴らしすぎる。
— Nage (@_neiji) 2018年11月11日
多種多様なデッキが同じくらい好成績を残していました。基本的に一番強いデッキ(トップメタ)を使いたい性分なのですが、こうも散っていては全部試すしかありません。
この時期は『ボロス・アグロ』と『イゼット・フェニックス』、『赤単』あたりをよく使ってはMOでチケットが枯渇するほど負けていました。
グランプリによるメタゲームの変動(GP静岡2週間前)
うってかわってGP静岡2週間前に開催されたGPミルウォーキーの結果は優勝がコントロール同系を強く意識した『地図ミゼット』に始まり、TOP8は『ゴルガリ・ミッドレンジ』が半数を占め、TOP32は『ジェスカイ・コントロール』が10名以上入り込むという多少偏った結果が出ました。
構成を見てみると『ゴルガリ・ミッドレンジ』にはサイドにしっかり《黄金の死》が、『ジェスカイ・コントロール』にはメインから《封じ込め》が採られており、「アグロデッキを意識したリストが勝って、優勝はさらにその一歩先を行った重くて強いコントロールだった」というのが私の見立てでした。
この時期の私は優勝の『地図ミゼット』を試すのはもちろん、『ゴルガリ・ミッドレンジ』と『ジェスカイ・コントロール』の様々なかたちを使ってみてはたくさん負けてさらに枯渇しました。
実戦練習(GP静岡1週間前)
もはや鼻血も出ない今日この頃。「本当にそんなに負けたの?」と思う方は驚くなかれ。この時点での私のMO構築レーティングは「1620」。低すぎて笑える範囲を越えているからスクリーンショットを取るのをやめたことをよく覚えています。
普通はちょっと凹んだり悩んだりしそうな成績ですが、実はそこまで深刻には考えていませんでした。理由は二つあって、一つは何かを試している段階の練習は勝とうが負けようが何処かミスはなかっただけを考えるため、そこまで勝敗を重視していません。
もう一つは様々なデッキを順繰り使っていたため。根本的にマジックが上手くない私はデッキを絞ってやり込まないと勝てないと分かっていたからです。
さて、この時点ではまだデッキは決まっていませんでしたが、「今のスタンダードは本当に良環境で、どれもデッキの強さがある程度拮抗している。抜きん出て強いデッキが無いのであれば、好みや得意なプレイスタイルで選ぶのも悪くなさそう」とは感じていました。
だとすると『ジェスカイ・コントロール』と『ゴルガリ・ミッドレンジ』が好みだったので、ひとまず『ジェスカイ・コントロール』でPPTQに参加。結果は5-0からの1没で感触は悪くありませんでした。
MOと違ってリアルだと面倒な処理なので、一応その練習も
翌日は同じBIGsの中道大輔くんと数種類のデッキを使いながらひたすら練習、意見交換していました。MOで数をこなすのも重要ですが、大会や練習で人の意見を聞くのも大切なことです。
GP静岡5日前~3日前
デッキが決まりません。
この時点で候補は3つ。前述の通り『ジェスカイ・コントロール』と『ゴルガリ・ミッドレンジ』、そして直前のMOCSで結果を出した《包囲攻撃の司令官》が4枚採用された『ビックレッド』の三択でした。
これまでの練習の甲斐あって『ジェスカイ・コントロール』と『ゴルガリ・ミッドレンジ』は勝率が上がってきており、MOリーグで4-1と3-2を繰り返す程度には勝てるようになりました。しかし何の気なしに使った『ビックレッド』も思いのほか感触も勝率も良く、一層悩まされることに。
どれも好みのデッキではあるので、直前まで回して一番勝率が良かったデッキにしようと思い、この期間は3つのデッキを順番に回していました。
GP静岡前日
デッキが決まりません。(泣)
困ったことに候補の3つのデッキの勝率がほとんど変わらず、結局デッキを3つ抱えて静岡に。夕飯を食べてからネカフェで最後の悪あがきでMOをするくらいには悩んでいました。
無論その数時間で勝率に差など出るわけもなく、最後は今までの練習を振り返りながらしっかり考えて決めることに。
まず候補から外れたのが『ビックレッド』でした。実は練習中『ゴルガリ・ミッドレンジ』への勝率が良かったのが気に入っていたのですが、とあるMOで有名なプロプレイヤーにあたった時、偶然『ゴルガリ・ミッドレンジ』だったのですが完膚無きまでに負けたことがありました。
「有利だと思っていたが、構成をちゃんと把握されていたり上手いプレイヤーにあたるとそこまでの強さは無いのかな」と思うきっかけになりました。(実際GPでの活躍が無かったので、概ね予想は当たっていました)
最後の二択ですが、まずは単純な1枚1枚のカードパワーの高さで『ジェスカイ・コントロール』に軍配があがると判断しました。グランプリのような長丁場でノーミスはまず不可能なので、多少のミスを許容できるカードの強さは助けになります。
スタンダード最強
そして決定打になったのが、様々なデッキを試した結果生まれた練習量です。それぞれのデッキを使用した回数をざっくりと数えてみましたが
『ボロス・アグロ』15マッチ
『イゼット・フェニックス』15マッチ
『赤単(+ビックレッド)』30マッチ
『セレズニア・トークン』10マッチ
『青単』5マッチ
『ゴルガリ・ミッドレンジ』30マッチ
『ジェスカイ・コントロール』30マッチ
計135マッチ
このくらいは練習したと思います。相手側の視点をある程度理解できているので、受けるコントロールが一番手に馴染むと感じました。
GP静岡本番
2bye
R3『ボロス・エンジェル』〇〇
R4『ゴルガリ・ミッドレンジ』××
R5『ゴルガリ・ミッドレンジ』〇〇
R6『地図ミゼット』×〇〇
R7『ボロス・アグロ』〇×〇
R8『アブザン探検』〇×〇
R9『ディミーア諜報』〇〇
R10『ゴルガリ・ミッドレンジ』×〇〇
R11『セレズニア・トークン』×〇〇
R12『ボロス・アグロ』〇〇
R13『ジェスカイ・ドレイク』〇〇
R14『セレズニア・トークン』〇×〇
R15 ID
13勝1敗1分の2位通過でシングルエリミネーションへ。
準々決勝『ゴルガリ・ミッドレンジ』〇〇
準決勝『セレズニア・トークン』×〇×
TOP4で敗退となりましたが、正直ここまで勝てるとは微塵も思っていなかったので結果には満足しています。
しかしTOP8を見てみると、予想よりも『ゴルガリ・ミッドレンジ』がしっかりと結果を残していました。GPミルウォーキーでの活躍で意識されている状態からの成績なので、頭一つ抜けていると考えた方がよいと思います。
つまり前述した私の「スタンダードのメタ上のデッキはどれも強さが同じくらい」という説は少し外れていたようなので、今回の反省点として記しておきます。
おわりに ~今年を振り返って~
私は負けた時、必ずミスがなかったか振り返ります。どれだけ不運に見えても必ず考えます。
マジックというゲームは比較的"運"の要素が少ないはずです。でなければプラチナ・レベルがプラチナ・レベルを維持できる理由がありません。
負けを運のせいにするのはあまりにも簡単でもったいないので、せっかくならその前に考えましょう。デッキは、マリガンは、サイドボーディングは、プレイは、本当に全て合っていたか。
時にはどうしようもない負け方もありますが、だいたい何か一つは間違えていることが多いです。そのミスが今回勝敗には関わらなかったとしても、次のゲームはそれと似た選択が勝敗を分けるかもしれません。
練習と反省を繰り返して、ちょっとずつでいいから上手くなろうと考え続けた結果が今年の好成績につながったのかなと思っています。
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それでは!
斉田逸寛