0.はじめに
お久しぶりです。BIGs中道です。
前作「ブルームバロウ」のリミテッドは楽しめましたでしょうか?
可愛いクリーチャーだけかと思いきや意外と強力なカードが多くて良いセットでした。
今回はホラー次元の『ダスクモーン:戦慄の館』のシールドについて考察していきたいと思います。
ホラーは苦手ですが最後までお付き合い頂けたら幸いです。
全カードリストも目を通していない方はこちらもご参照ください。
1.『ダスクモーン:戦慄の館』のメカニズムを把握しよう
●部屋
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どちらの半分でも唱えることができる。そのドアは戦場で解放される。
閉鎖されているドアのマナ・コストを支払って、それを解放してもよい。これはソーサリーとして行う。
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部屋は新しいエンチャントのサブタイプです。
分割カードのように2つに分かれており、それぞれドアと呼ばれます。
唱える際にどちらかのドアを選びます。
選ばれたドアが戦場に出た時に開放されて効果を発揮します。選ばれなかったドアは閉じた状態となります。
閉じたドアはマナコストを支払うことで解放することが可能です。ただし、ソーサリータイミングでしか行うことができません。
・マナが充分にあっても両方のドアを一気に唱えることは出来ません。
<部屋カード>
●戦慄予示
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ライブラリの一番上にあるカード2枚を見る。
それらのうち1枚を2/2のクリーチャーとして裏向きで戦場に出し、残りを自分の墓地に置く。
それがクリーチャー・カードなら、それのマナ・コストで、いつでも表向きにしてもよい。
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カードを裏向きで2/2のクリーチャーとして戦場に出す能力です。
以前の予示と同様ですが、ライブラリの上2枚から好きな方を選べるようになっています。
選ばれなかったカードは墓地に置かれます。
裏向きのカードがクリーチャー・カードの場合、マナコストを支払って表向きにすることが可能です。
これはスタックを用いないため、対応して除去したりすることは出来ません。
墓地に任意のカードが置けるので昂揚の達成に利用したりすると良いでしょう。
ただし、ライブラリアウトの危険性も高まるので予示のし過ぎには注意しましょう。
戦慄予示は青緑に多く存在しています。
<戦慄予示を持つカード>
●生存
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あなたの第2メイン・フェイズの開始時に、
これがタップ状態である場合
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タップ状態であることにボーナスを得る能力です。
通常はタップするためには攻撃するのが簡単ですが戦闘で死亡して生き残れない可能性も高くなります。
飛行などの回避能力を付与する手段もありますが、攻撃以外の方法でタップする方法が望ましいです。
今作には攻撃以外では以下のような方法が考えられます。
・機体に搭乗する
・召集の助けをする
・何かしらの効果でタップする
・麻痺カウンターを乗せる
生存は黒の1枚以外はすべて白緑となります。
<生存を持つカード>
●違和感
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あなたがコントロールしているエンチャント1つが戦場に出るたび、
および、あなたが部屋1つを完全に開放するたび
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エンチャントが戦場に出るたび、部屋を完全に開放するたびに誘発する能力です。
部屋が完全に開放された状態とは、2つのドアが解放された状態を表します。
<違和感を持つカード>
●兆候
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兆候X
兆候コストでこの呪文を唱えたなら、これは時間カウンターX個が置かれた状態で戦場に出て、
最後の時間カウンターが取り除かれるまで、これはクリーチャーではない。
あなたの終了ステップの開始時に、これの上から時間カウンター1個を取り除く。
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待機のような時間経過で効果を発揮する能力。
兆候コストで唱えるとクリーチャーではない状態で戦場に出ます。
時間が経つといずれクリーチャー化するようになります。
戦場に出た時の能力は誘発するため、序盤は兆候コスト、後半は通常コストと使い分けるのが良いでしょう。
<兆候を持つカード>
●昂揚
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あなたの墓地にあるカードの中に4種類以上のカード・タイプがある場合
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新規メカニズムではありませんが今作では多くのカードに使用されています。
今作で登場するカード・タイプは「土地」「クリーチャー」「ソーサリー」「インスタント」「エンチャント」「アーティファクト」「プレインズウォーカー」です。
<昂揚を持つカード>
2.色の特徴を把握しよう
今作は各色に様々な特徴がありますので把握しておきましょう
●白青
違和感の能力を持ったカードが多い色です。
エンチャントサポートも充実しています。
●青黒
違和感の能力を持ったカードが多い色です。
白青と比較するとコントロール寄りのカードが多い印象です。
●黒赤
パーマネントの生け贄に関連したカードが多い色です。
生け贄元を用意して損をしないようにしましょう。
●赤緑
昂揚の能力を持ったカードが多い色です。
攻撃寄りのカードが多めとなっています。
●白緑
生存の能力を持ったカードが多い色です。
コンバットトリックを駆使して生存を上手く活用しましょう。
●白黒
墓地から戦場に出すリアニメイトを行うカードが多い色です。
墓地に置くカード、墓地から戦場に出すカードの両方重要ですが噛み合えば強力です。
●白赤
パワー2以下を参照するカードが多い色です。
1枚のカードパワーは低くなりますが横並びで押し切りましょう。
●青赤
部屋に関連したカードが多い色です。
ドアの解放にマナが多めにかかってしまうのでデッキはなるべく軽くするといいかもしれません。
●青緑
戦慄予示を持つカードが多い色です。
パーマネントを表向きにすることで効果を発揮するカードもあります。
●黒緑
昂揚を持つカードが多い色です。
墓地肥やしカードも多いので上手く活用しましょう。
3.コンバットトリックを把握しよう
毎度おなじみですがコンバットトリックの確認となります。
要点だけでも把握しておきましょう。
※戦場に影響しない、相手に干渉しないカードは除外しています
《ジャンプスケア》
《望まれぬ改作》
《破片魔道士の救出》
《放浪する救い手》
《眠りからの襲撃》
《音を立てるな》
《フラッドピットの溺れさせ》
《今のうちに出よう》
《現実の歪曲》
《虚偽への恐怖》
《精体の追跡者》
《光霊噴出》
《視界からの消失》
《永劫の好奇心》
《暴力への屈服》
《ウィンターの介入》
《逃げ場なし》
《付属肢の融合体》
《萎縮させる責め苦》
《殺害》
《生きるか死ぬか》
《裏の裏まで》
《暴力的衝動》
《焦熱の竜火》
《間の悪い故障》
《裏切り者の駆け引き》
《不可能な業火》
4.デッキを組もう
デッキを組むにあたっての注意事項は過去の記事でも触れていますのでそちらも参考にしてください。
STEP1.レアを確認しよう
シールドは6枚以上のレアが出現します。
特に神話レアは通常よりも強めに設定されていることが多いので引けたらラッキーです。
ただし、「レアがあるからこの色で確定」ということは止めておきましょう。
この時点では、基準として見ておくだけにしておきます。
その色でデッキが組めるかどうかを次のステップで確認します。
STEP2.使う色を確認しよう
次に、色毎に何があるか確認するために分別します。
1.色ごとで分別
2.クリーチャー or 非クリーチャーで分別
3.マナコスト順に並べる
4.プレイアブル or アンプレイアブルで分別
使うに値しないカード(アンプレイアブル)について補足しますと、デッキを組む際にすべてのカードを見ていると大変です。
そのため少しでも量を減らした方が効率良くデッキが組めると思います。
では、アンプレイアブルなカードとは具体的にどのようなカードでしょうか?
下記のようなカードはシールドの構築段階では除外しています。
・効果が弱め
・状況を選ぶ
・役割が狭い
・呪文コスト・起動コストがかかる
・戦場に直接影響を与えない
最終的に1~2枚の採用は検討しますが多くは入らないので構築の初期段階では一旦除外します。
デッキや状況によっては強く使えるカードもありますので一旦外したとしても再検討はしましょう。
各種力線
《タミヨウの物語》
《マリーナ・ヴェンドレルの呪文書》
《抜歯への恐怖》
《終末の加虐者》
《機械仕掛けの打楽器奏者》
《呪われた録画》
STEP3.使用する色を決めよう
ここまで種類分けしましたら、使いたいカードをピックアップします。
ピックアップしたカード枚数の多い色が、使う色になると思います。
下記は、各色3枚ずつコモン・アンコモンをピックアップしてみました。
それ以外にも強そうなカードはあるので参考程度にどうぞ。
白・コモン
《生ける電話》
《画面の中への幽閉》
《眠りからの襲撃》
白・アンコモン
《呑気な物漁り》
《悪魔祓い》
《幽霊による庇護》
青・コモン
《ピラニアバエ》
《トンネルの偵察者》
《うつろう亡霊》
青・アンコモン
《亡者の鍵持ち》
《落下への恐怖》
《静かに、隠れて》
黒・アンコモン
《逃げ場なし》
《萎縮させる責め苦》
《生きるか死ぬか》
赤・コモン
《焦熱の竜火》
《券売所+憎悪のトンネル》
《ガラス工場+粉々の作業場》
赤・アンコモン
《裏切り者の駆け引き》
《紅蓮地獄》
《焼殺への恐怖》
緑・コモン
《脊柱狙いのムカデ》
《怪物的出現》
《朽ちゆくジム+ウェイトルーム》
緑・アンコモン
《木人の打破者》
《揃った強打》
《ひと皮剥けば》
STEP4.仮デッキを組んでみましょう
ピックアップが完了したら、仮で色を決めてデッキを組んでみましょう。
勿論、いきなり実際に使用するデッキが完成することは稀です。
組み合わせを何通りも検討して納得できるデッキを組みましょう。
STEP4~STEP7までを繰り返し行って最終的にデッキが完成します。
STEP5.色の追加を検討しよう(タッチカラー)
シールドにおいて、通常は2色でデッキを組むのがオーソドックスですが、色を追加することで本来使用できなかった強いカードを使うことが可能になります。
当然、色を足すと本来使えるはずだったメインカラーの土地の枚数が減るため土地枚数や色バランス辺りを考慮しなければなりません。
また、理論上バランスは取れていても引きの偏りなどで色マナ事故は起きやすくなります。
絶対にタッチしてでも使いたいカードがある、もしくはタッチでもしないとデッキが弱い。
という場合以外は避けた方がよいでしょう。
今作のコモン~アンコモンの多色サポートは以下となります。
※宝物トークンは多色サポートに含めていません。
《草むした盲信者》
《脊柱狙いのムカデ》
《朽ちゆくジム+ウェイトルーム》
《温室+がたつく展望台》
《至る所に脅威》
《館への鍵》
《呪われた画面》
《広漠なる変幻地》
《放棄されたキャンプ地》各種2色土地
緑に多くマナサポートカードが用意されていますが、無色のマナサポートはあまり多くありません。
ただし、コモンに2色土地がありますので色次第ですがタッチは可能かと思います。
強力なカードが引けた場合は、3色目のタッチを検討しましょう。
タッチを検討する場合、下記のような条件に当てはまるようにしてください。
・タッチするカードは多くても2~3枚まで
タッチするカードが多いのであればメインカラーの変更を検討しましょう。
・タッチするカードはシングルシンボルであること
タッチカラーのダブルシンボルをプレイすることは容易ではありません。
・序盤用のカードではないこと
タッチするカードは基本的序盤はプレイできませんので、中盤から後半にかけてプレイして価値のあるカードにしましょう。
タッチする枚数で変わりますが、土地枚数は下記のような構成を目安にしてください。
メインカラーの土地枚数を8枚以下に変更してしまうと序盤の色事故にも繋がりますのでなるべく避けましょう。
メインカラー:9枚
サブカラー:6~8枚
タッチカラー:1~2枚
計17~18枚
STEP6.ゲームに勝つプランを把握する
使いたいカードも色も決めたら、このデッキはどうやって勝つのかを予測します。
また、デッキの方向性に合わせて採用するカードも変動します。
白や赤なら序盤からクリーチャーを展開して、除去や強化呪文で攻めるプランもよいですし、緑なら中盤以降にサイズの大きいクリーチャーで攻めるのもよいでしょう。
勝ち手段は何でもよいですが、勝ち手段が明確になっていないデッキは止めた方が無難です。
勝つプランが見えないのであれば、デッキの組み換えを検討しましょう。
STEP7.バランスを確認しましょう
最後に、全体のバランスが問題ないか確認を行います。
デッキがしっかり回るか最終確認しましょう。
・クリーチャーが少な過ぎではないか
クリーチャーは少し多めに入れた方が無難です。
目安として15枚前後は入れるようにしましょう。
・マナコストは軽過ぎ or 重過ぎないか
理想として「2マナ→3マナ→4マナ」とクリーチャーや呪文をプレイできるようにデッキを組みましょう。
また、マナコストが偏り過ぎてないか確認しましょう。
・デッキの色が偏っていないか
サブカラーにダブルシンボル以上のカードが多い場合は、土地バランスや採用枚数を見直した方がよいでしょう。
デッキのカード比率例
クリーチャー:13~17枚前後
非クリーチャー:6~10枚前後
土地:16~18枚
クリーチャーのマナコスト例
1マナ:0~2枚
2マナ:3~5枚
3マナ:3~5枚
4マナ:3~5枚
5マナ:2~4枚
6マナ以上:0~2枚
5.その他
・先手・後手どっちがいい?
後手の場合、相手よりも手札が1枚多く引けるメリットはありますが、先手は後手よりも早く行動できるメリットがあります。
シールド戦はドラフトと異なりマナカーブ通りに動けることはそこまで多くありませんが、序盤にクリーチャーの展開が遅れるとそのまま押し切られることも多々あります。
今作は部屋、昂揚など戦闘に関係しないキーワードが多いですが、1ターンでも早く動ける方が良さそうです。
また、生存クリーチャーを攻撃させるブロックするためにも先手がよいでしょう。
・サイドボードを有効活用しよう
シールド戦はサイドでの入れ替えによりデッキの色変更も容易です。
相手が攻めてくるデッキなら、こちらは守りが強いようにデッキに変更した方がよいです。
長期戦を覚悟するのならカードを多く引いたりしてアドバンテージが取れるカードを入れたり、相手のボムレアがどうしようもないのであれば打ち消し呪文を多く入れたりとその場に合わせた戦略で戦いましょう。
・全体除去について
1枚のカードで複数のクリーチャーを対処できるカードはとても強力で戦況を大きく変える程に強力です。
手札を使い切ってクリーチャーを戦場に出したら全体除去で負けたということが起きないように注意しましょう。
今作では以下のカードに遭遇する可能性があるので、相手の色や状況を判断して警戒しましょう。
《別行動》
《専用執務室+講義室》
《ゲームをしよう》
《続・食肉鉤虐殺事件》
《紅蓮地獄》
《怒りのワルツ》
《粉砕コースター》
・「解呪」系について
毎回議題となるエンチャントやアーティファクトに触れる手段をメインデッキに入れるかです。
今作の「解呪」系呪文は以下のとおりです。
※バウンス、カウンター系は除外しています。
<<アーティファクトのみ対策>>
《間の悪い故障》
<<エンチャントのみ対策>>
《萎縮させる責め苦》
《不快な切断魔》
《人百足》※部屋のみ破壊可能
<<両方への対策>>
《悪魔祓い》
《幽霊による庇護》
《画面の中への幽閉》
《腹黒茸》
《安堵の別れ》
《扉破り》
《根に引きずり込め》
今作はエンチャントに関連したキーワードが多く、自然とデッキに入るため対象が無く手札で腐ることはまず無いです。
部屋はマナは多くかかりますがドアが解放されると強力な効果を持つため対策はしておいた方がよいでしょう。
アーティファクトは装備品がアンコモンに集中しており見掛けることも多いとは思います。
※オーラはエンチャントとは別でカウントしています。
※装備品、機体はアーティファクトとは別でカウントしています。
※能力や効果で生成されるトークンなどはカウントしていません。
・カードのテキストはよく読みましょう
新セット発売後に必ず起こるのが、カードの認識間違いです。
最初の内はカードの効果をよく確認するようにしましょう。
・インスタントだと思っていたら実はソーサリーだった。
起動型能力がソーサリータイミングでしか起動できないカードもありますので注意しましょう。
《肝冷やしの手》
《最後の復讐》
《苦悩の試練》
《邪悪なシャンデリア》
《館への鍵》
・飛行持ちで攻撃したら、到達を持っているクリーチャーを見逃していた。
今作の到達持ちは以下となります。
・思い込みで違う効果だと勘違いしていた。
《音を立てるな》
諜報2は2マナ支払った時のみ行います。
2マナ支払わず打ち消された場合は諜報は行いません。
《静かに、隠れて》
毎セットよくあるタップによる無効化系オーラですが、今作では自身の生存者にエンチャントすることで毎ターン誘発させることも可能。
ただし、枚数としては損するのでリターンが大きい生存者に付けるのも一つの手です。
間違っても相手の生存者に付けないように。
《胞子形成感染》
大抵は対戦相手のクリーチャーにエンチャントするかと思いますが、相手のクリーチャーが1体のみで除去したい場合は自身のクリーチャーに付けて相手のクリーチャーを生け贄にする手段もあります。
《群れの巣人》
見た目は到達を持ってそうですが持っていません。
代わりにトークンは飛行を持っています。
6.終わりに
これにて『ダスクモーン:戦慄の館』シールドの考察は以上となります。
全体的にイラストは怖いですが、今作は部屋ギミックが面白そうでどれだけ活躍するか期待しています。
プレリリースへ参加される方は是非楽しんでいってください。
本記事が参加される方に少しでもお役に立てれば嬉しいですし、これを機にシールド戦に興味を持って頂けたら幸いです。
では、次のセットでまたお会いしましょう。
マジック:ザ・ギャザリング『ダスクモーン:戦慄の館』BIGWEB特設サイト