みなさんマジックフェスト・京都、お疲れ様でした。
楽しかったですね。はい、来週末にはマジックフェスト・横浜です。
スタンダードからモダンへの切り替えはうまくできていますか?
モダンは普段全然やってないから環境がわからない、という人も多いのではないでしょうか。
モダンはスタンダードと比べて存在するデッキの数が遥かに多いので、環境理解が大事。
対戦相手のおおまかなデッキリストを把握しているだけで勝率が大きく違ってきます。
というわけで今回はタイトル通り、モダンビギナーへ向けたデッキ案内です。
大会で当たる可能性がありそうだなというデッキをリストと簡単なコメントでおさらいします。
※記事中にロンドンマリガンについて触れている箇所がいくつかあるが、マジックフェスト横浜2019ではロンドンマリガンは適用されないので注意しよう。
今回紹介するデッキはこちら(各デッキへのジャンプリンク)
イゼットフェニックス
ドレッジ
トロン
人間
アミュレットタイタン
青白コントロール
バーン
グリクシス死の影
The Rock
アドグレイス
鱗親和
親和
4-colorプリズン
タイタンシフト
バントスピリット
ストーム
マルドゥパイロマンサー
マーフォーク
ゴブリン
大体ですが、上から順に多いイメージで。
イゼットフェニックス
現環境の王者。今のモダンはこのデッキを中心に回っている。メインから《外科的摘出》が入っているのが末期感ある。
《氷の中の存在》以外の(メインの)クリーチャー除去は《稲妻》と《稲妻の斧》1-2枚程度なので、クリーチャーデッキを使う場合はそれを念頭に置いて動くといい。最近《はらわた撃ち》が減っているが入れておいた方がいいんじゃないかな。
《魔力変》が動き出しの鍵なので、呪文を打ち消す場合はここを狙うといい。
墓地対策1枚程度では負けないデッキパワーがあるが、トロンや死の影、The Rockといった苦手デッキが勢力を伸ばしつつある。
現環境のNo.2。《這い寄る恐怖》はふざけたらあかん。
サイドボードには墓地対策への対策が6-8枚くらい入っているので、墓地対策さえ置けば勝てるという甘い考えは捨てよう(もちろん効果はある)。
《這い寄る恐怖》や《ナルコメーバ》をライブラリーに戻せるロンドンマリガンの恩恵を受けているように見えるが、同時に《虚空の力線》キープもされやすくなるので手放しにいいとは言えないかもしれない。
トロン
普段モダンをやってなくて自信はないけど大会では勝ちたいモダンビギナー達が手にするデッキ筆頭。
プレイは簡単寄り、デッキパワーが高い、更にイゼットフェニックスにはめちゃくちゃ強いと三拍子。
3ターン目に《解放された者、カーン》をプレイさえすれば基本的にどんな相手にも勝つことができるので、引かなくても文句を言わない人であれば。
《石のような静寂》は結構効くが、《血染めの月》は普通に土地を伸ばされたあと《忘却石》でぶっ飛ばされたりするので、入れる場合はデッキの速度を落としすぎないようにしよう。
トロン3種と《解放された者、カーン》で勝つのでロンドンマリガンの恩恵を受けそう。
人間
相手のクリーチャーへの干渉手段が限られているためイゼットフェニックス辛めだが、反面コンボやコントロールには非常に強くデッキパワー自体は高い。
あまり複雑なギミックが少なく戦闘の比重が大きめなので、使い込めばマジックの基礎が身につく。
このデッキを使う場合有識者に《翻弄する魔道士》指定の指針を教わろう。
青白コントロール
押し付ける側が強いモダン環境で生き残っている、数少ないコントロール。
《終末》を入れた奇跡タイプとそうでないタイプがある。
《天界の列柱》《精神を刻む者、ジェイス》のおかげでマウントを取った後の勝ちは意外と早い。
モダンで受けるデッキが弱い理由である「受けるカードが大振りである」という問題はこのデッキも抱えているため、受けが噛み合わないとあっさり負けたりする。
サイド後は絶対に《悪斬の天使》が出てくるからフェアデッキを使う人は除去を全部サイドアウトせずに残そう。
アミュレットタイタン
現環境押し付けデッキの筆頭。
求められる技術が他のデッキと大きく違うためプレイはかなり難しい。
《トレイリア西部》の変成で出来る事が非常に多い。
《血染めの月》を出されると基本的に負けだが、最近見かける《連合の秘宝》は小癪にも《血染めの月》への回答になっている。
キーパーツ数枚でコンボを始動できて力線で妨害もされないので、ロンドンマリガンの恩恵を受けそうなデッキでもある。
バーン
従来のリストから2マナの火力である《稲妻のらせん》や《頭蓋割り》を減らし、空いた枠に《批判家刺殺》を追加したものが最近では一般的。
絢爛の縛りはモダンのバーンではあって無いようなものであるので、手札を使い切れなくて負けるパターンがぐっと減り単純に強化された。
イゼットフェニックスやトロン、鱗親和等メタ上位のデッキとの相性はいい寄りだが、《這い寄る恐怖》の搭載されたドレッジへの相性は更に悪くなっている。最近増えて来たThe Rockもめちゃくちゃきつい。
メインボードは赤白だが、サイドボードは置物破壊用にタッチ緑されているパターンもある。
緑が入る場合採用されている《燃えがら蔦》は置物破壊としては実質3マナとやや重めだが、誘発型能力の1点ダメージはインクの染みに留まらない強さがあり、なかなか優秀なサイドカードである。
グリクシス死の影
《頑固な否認》を非常に強く使える。
《虚空の杯》を使うデッキ相手は苦しいが嵌った時の強さは随一なので、不利マッチでも速度で勝負する事ができる。
矛盾するようだが細いデッキなので、どのデッキにも勝つしどのデッキにも負ける印象もある。
デッキは強いがプレイの難易度は高いので、ひたすら負ける場合はデッキではなく自分のプレイを疑おう。
The Rock
かっこいい名前がついてるけどひらたく言えば緑黒系のデッキ。
4マナ域には素のスペックも高く、メタ上位のデッキに対して非常に強い《ゲトの裏切り者、カリタス》を据えている。《不屈の追跡者》が消耗戦に強く、墓地対策をすり抜けられる点も〇。
大味なデッキは苦手だが、カードの質は高いのでどのデッキに対しても割と真っ当なゲームをすることができる。
《血編み髪のエルフ》《稲妻》《コラガンの命令》を足したジャンド、《未練ある魂》《流刑への道》等を足したアブザンといった派生が存在する。緑黒二色にする強みは《廃墟の地》。
アドグレイス
《天使の嗜み》《ファイレクシアの非生》は勝ちコンボパーツ兼延命カードなのでライフを狙ってくる相手に非常に強く、メタ的な立ち位置はそんなに悪くなさそうだが人間は鬼のようにきつい。これを使ってて人間に当たるとむかつく。
1ターン目《睡蓮の花》待機をしやすくなるロンドンマリガンはプラスに働く。
サイドボードの除去やフィニッシャー枠は好みが出るので、いくつかリストを調べておこう。
鱗親和
イゼットフェニックス以外のクリーチャーデッキにはひたすら強い。
細かいギミックが多くちゃんと使うには他のデッキより練習が必要になるがそのリターンはあると思うが、色の性質上サイドボードが非常に弱い。
《電結の荒廃者》さえいれば《硬化した鱗》が無い時も意外と突然死を狙えたりするので、盤面にある情報をきちんと読み取る能力が必要になってくる。
単色であるが故にサイドボードは弱いのがネックだが、色を足しても大してデッキが強くなるわけでもなさそう。
余談だが、親和とはIDを蹴っていいくらいの相性差がある。
親和
一時期表舞台から姿を消していたが《実験の狂乱》入りのデッキが大型イベントで立て続けに入賞して復活の兆しを見せた。
《実験の狂乱》はデッキ構造上鬼のように相性が良く、4マナを払ってプレイする価値は十分にある。
メタ的には有利不利が半々くらいだが、このデッキも鱗親和と同様にプレイが難しい部類に入る。
鱗親和と比較するとサイドボードは5色のカードを採用できるため自由度は高いが、同じシナジーデッキでもカードパワーは明らかに低い。
4-colorプリズン
ハーフロックデッキ。時間がもったいないのでロックを決められた場合、明確な勝ち筋を持たない限りは投了してしまおう。
《呪文滑り》《溶接の壺》があるので、《罠の橋》1枚で機能不全に陥るデッキはなかなかに苦しい戦いを強いられることになる。一人回しで練習しやすい。
勝つまでが遅くハンデスやカウンターといった妨害手段が無いので、実は《粉砕の嵐》をデッキに1枚入れて置けばまあまあの確率で勝ててしまう。《ハーキルの召還術》は《魔女封じの宝珠》を出されるとダメ。
使う使わないではなく、これ一本で行くと決めた人以外は他の気になっているデッキに時間を割いた方がいいかもしれない。
タイタンシフト
土地を伸ばして《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》で勝つ。
スタンダードの頃とやっていることは全く変わっていないが、《裂け目の突破》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》等を足したハイブリッド型も存在する。
負ける時は大抵オーバーキルだがライフを19以上にするとキルターンが1つ変わるので、速度勝負をする場合は目安にしておこう。
バントスピリット
一時期環境を席捲していたがイゼットフェニックスの台頭により大きくシェアを減らした(めっちゃきつい)。
クロックパーミッションなのでコントロールやコンボには滅法強い。
部族デッキの常で横並びの打点は高くデッキも弱くないので、なんやかんやイベントでは見かけるだろう。
ストーム
モダンのコンボデッキといえばこれ。《欠片の双子》や《出産の殻》のようにキーパーツを禁止されなかったため、弱体化こそしたものの数多の禁止を乗り越え今なおモダン環境に存在している。
コンボが決まってからはマナとストーム計算に時間がかかるので、コンボが始動してこちらがすることがない場合は計算を手伝ってあげよう。
マルドゥパイロマンサー
大勝ちする事はあまりないものの、しぶとく生き残っているデッキ。
《若き紅蓮術士》《騒乱の歓楽者》《未練ある魂》等で地味にアドバンテージ差を広げていく地味なデッキである。
白マナへの依存度が低いので3色使うデッキの割に《血染めの月》をメインから採用できてしまうのはモダン環境的を考えるとなかなかよい。
サイドボードの自由度も高いので、ボードコントロールが好きなプレイヤーに根強い人気があるのかもしれない。
マーフォーク
元祖脳筋。根強い人気がある部族。
最近《マーフォークのペテン師》《水底の生術師》といった新戦力を得てリストがスマートになった。
実はウィザードが多く《魔術師の反駁》が採用されだした結果、正統派クロックパーミッションにデッキが変化している。《波使い》は爽快感がある。
Twitterにマーフォークマスターがいるので最新のリストを探しやすい。
ゴブリン
おまけ枠。
適当に並べて殴り、残ったゴブリンは《ゴブリンの手投げ弾》で放り投げる。
いい意味で知性が感じられない部族デッキである。
MO5-0リストで《怒り狂うゴブリン》を見つけて笑ってしまったが、実はキルターンが相当速く、舐めてかかると痛い目を見るデッキではある(せめて《狂信的扇動者》にしよう)。
モダンのデッキは一から揃えると高額になることが多いが、このデッキは相当安いのでモダンの入門としてはいいのかもしれない。
今回の記事はここまで。抜けてるデッキは各自調べてください。
モダンは楽しめればいいと思うので、好きなデッキで勝つために各自最低限の予習はしておきましょう。
それでは。
おまけ
今回の記事で紹介したデッキの一部を構築済みデッキとしてBigwebで販売しています。
75枚スリーブに入った状態で届けばすぐ遊べるようになっているので、よろしくお願いします。