森安元希 Damage 4 Wins! 第12回「3T(ターン)ガルタ!」


Text by 森安 元希


2018年4月12日深夜、『ドミナリア』のカードギャラリーがすべて公開されました。
伝説をフィーチャー、かつドミナリア次元への回帰ということで、懐かしくも現代のカードパワーを得た英雄たち・クリーチャーたちが数多く登場します。


 


1ターン目 《ラノワールのエルフ》!
2ターン目 《鉄葉のチャンピオン》!
3ターン目 《立て直しのケンラ》、《原初の飢え、ガルタ》!


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そのなかで注目されている、ドミナリア入りのスタンダードで待望されている『緑単《原初の飢え、ガルタ》』の新しい基本の動きです。
3ターン目に《原初の飢え、ガルタ》をプレイ!



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これまでのスタンダードでも、4ターン目に12/12トランプルというサイズを君臨させて中速・中量級のクリーチャーデッキを粉砕してきた《原初の飢え、ガルタ》・デッキですが、ここにきて大幅な強化にいたりました。


「《ラノワールのエルフ》からの《鉄葉のチャンピオン》」という2ターン目 に登場する5/4(メリット能力つき!)という破格のアタッカーで相手の戦線を圧倒することも可能になりました。
このサンプルでは3ターン目に《立て直しのケンラ》によるパンプで7/6となった《鉄葉のチャンピオン》がアタックしているので、もちろんこのまま4ターン・キルも達成可能です。


しかし課題もあります。デッキの動きとしてそれぞれ4枚ずつの《ラノワールのエルフ》と
《原初の飢え、ガルタ》ありきで考えてしまいすぎると、どちらかがハンドになかったときに自慢のスピーディさが失われてしまいます。


せっかくですので、「どちらかがなかったとき」でも4ターン・キルが達成できるようなリストは組めないものでしょうか。
(Damage 4 Wins! のスタンダード記事更新は1年ぶりのようです。お待たせいたしました。)



実は「《原初の飢え、ガルタ》を引けなかった」パターンでは、4ターン・キルは比較的簡単にクリアできます。


1ターン目《ラノワールのエルフ》
2ターン目《不屈の神ロナス》
3ターン目《鉄葉のチャンピオン》
4ターン目《立て直しのケンラ》+ロナスの能力起動


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これで4ターン・キルです(3ターン目6点+4ターン目14点)。


そうです。《ラノワールのエルフ》がいるということは、アモンケットの神がこれまでよりも1ターン早く、3ターン目から動き始められることにもなります。



逆に「《ラノワールのエルフ》を引けなかった」場合。


1ターン目の動きはもちろん、「2ターン目に3マナのアクションを唱える」という次のターンも封じられてしまいます。流石に初動3ターン目で4ターン・キルを実行するのは、ずいぶん難しそうですね。


解決方法の1つは新しいモックスである《モックス・アンバー》です。
伝説のクリーチャーかプレインズウォーカーをコントロールしていると動き始めるモックスです。


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1ターン目に《造命の賢者、オビア・パースリー》を、2ターン目までに《モックス・アンバー》をプレイすることで《造命の賢者、オビア・パースリー》を実質的な追加の《ラノワールのエルフ》として運用するのが可能になりました。


※2ターン目に《モックス・アンバー》を起動するための条件である「1マナの有色・伝説のクリーチャー」がスタンダードでは《造命の賢者、オビア・パースリー》しかいません。


 
緑で噛み合っていることはもちろん、能力も4ターンキルできなかった際の膠着戦では勝ちきれる強さがあります。


また《ピーマの改革派、リシュカー》を採用することで《造命の賢者、オビア・パースリー》は完全に《ラノワールのエルフ》としても運用することが可能になります。


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《造命の賢者、オビア・パースリー》《モックス・アンバー》《ピーマの改革派、リシュカー》と動いた場合、3ターン目に用意できる《原初の飢え、ガルタ》のためのマナソースは「{5}軽減と{G}{G}、土地3枚と《モックス・アンバー》」なので、土地3枚から《不屈の神ロナス》や《鉄葉のチャンピオン》を3ターン目にプレイすれば丁度{10}軽減となった上に{G}{G}を支払えます。
往年の《ラノワールのエルフ》《エルフの大ドルイド》を思わせる展開力ですね。


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また1ターン目バースリー&モックスと動けていれば2ターン目に《養育者、マーウィン》を、3ターン目に《ピーマの改革派、リシュカー》を唱えることでも《原初の飢え、ガルタ》プレイの為の準備が整います。
(《鉄葉のチャンピオン》もエルフですが、《原初の飢え、ガルタ》をプレイするには1マナ足りません。)


「《ラノワールのエルフ》を引けなかった」場合の解決方法のもう1つは、緑以外の色に手段を求めました。


《ラノワールのエルフ》とともに採録された1マナのマナ・クリーチャーがありました。
《スカークの探鉱者》です。


1ターン目《スカークの探鉱者》をプレイ
2ターン目《風雲船長ラネリー》
3ターン目《ロナス最後の抵抗》、《原初の飢え、ガルタ》


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《風雲船長ラネリー》は宝物を生み出すという能力も宝物を起動するとパワーがあがるという能力も、どちらも非常に《原初の飢え、ガルタ》のプレイに適しているクリーチャーです。
むしろ数字で見れば《不屈の神ロナス》《鉄葉のチャンピオン》よりも高効率です。


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《ロナス最後の抵抗》はマナクリーチャー・デッキでは最高のパフォーマンスを誇れる2マナ・アタッカーです。


1ターン目《ラノワールのエルフ》から、2ターン目に唱えてもセットランドしてそのターン追加で動かなければ普通に3ターン目・3マナが使えるのです。


もちろん《鉄葉のチャンピオン》であれば3ターン目に4マナ使えるのですが、逆に2ターン目に追加の1マナ・クリーチャーを展開しておくことも可能になるので、対比しても決して下位互換というものではありません。なによりそのターン唱える《原初の飢え、ガルタ》の為の支援としては《鉄葉のチャンピオン》、《不屈の神ロナス》を越える効率の良いマナ加速です。


1ターン目《ラノワールのエルフ》から《風雲船長ラネリー》では3、4ターン目の条件は緩くなります。3ターン目に《モックス・アンバー》を置ければ(※《風雲船長ラネリー》も伝説)、他に3マナのカードの支援の必要なく《原初の飢え、ガルタ》をプレイできます。



1ターン目《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》から2ターン目《風雲船長ラネリー》でももちろん、3ターン目《原初の飢え、ガルタ》は依然可能です。


何パターンかに分かれるので、4ターン・キルルートを整理しましょう。




「《ラノワールのエルフ》 or 《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》」「《原初の飢え、ガルタ》」がある場合。


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(1ターン目《ラノワールのエルフ》 or 《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》)。




2ターン目《風雲船長ラネリー》
3ターン目《スカークの探鉱者》《原初の飢え、ガルタ》


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※「呪文を唱える手順」は「コストが決まってからそのコストを支払う」。という順番なので《スカークの探鉱者》が戦場にいる状態で《原初の飢え、ガルタ》のコストの軽減の値が決まり、その支払いの為に《スカークの探鉱者》を生け贄に捧げることで、{1}マナ支払いにも充てられるので、結果として{1}マナ加速が可能です。




2ターン目《鉄葉のチャンピオン》or《不屈の神ロナス》
3ターン目《立て直しのケンラ》+《原初の飢え、ガルタ》


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2ターン目《ピーマの改革派、リシュカー》
3ターン目《鉄葉のチャンピオン》or 《不屈の神ロナス》or《立て直しのケンラ》+《原初の飢え、ガルタ》


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2ターン目《養育者、マーウィン》 or 《ピーマの改革派、リシュカー》
3ターン目《焼き尽くす熱情》+《原初の飢え、ガルタ》


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「《スカークの探鉱者》《原初の飢え、ガルタ》」がある場合。


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(1ターン目 《スカークの探鉱者》)。




2ターン目《風雲船長ラネリー》
3ターン目《ロナス最後の抵抗》+《原初の飢え、ガルタ》


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2ターン目《風雲船長ラネリー》
3ターン目(メイン2)《レギサウルスの頭目》
4ターン目《原初の飢え、ガルタ》(速攻)


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「《原初の飢え、ガルタ》がない」場合。




1ターン目《ラノワールのエルフ》 or 《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》
2ターン目《不屈の神ロナス》
3ターン目《鉄葉のチャンピオン》
4ターン目《立て直しのケンラ》



1ターン目《ラノワールのエルフ》 or 《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》
2ターン目《ロナス最後の抵抗》
3ターン目《不屈の神ロナス》 or 《風雲船長ラネリー》
4ターン目《焼き尽くす熱情》



1ターン目《スカークの探鉱者》
2ターン目《風雲船長ラネリー》
3ターン目《焼き尽くす熱情+《不屈の神ロナス》 or 《鉄葉のチャンピオン》 or 《ロナス最後の抵抗》



1ターン目《スカークの探鉱者》
2ターン目《不屈の神ロナス》
3ターン目《ロナス最後の抵抗》+《焼き尽くす熱情



1ターン目《ラノワールのエルフ》 or 《造命の賢者、オビア・パースリー》+《モックス・アンバー》 or 《スカークの探鉱者》
2ターン目《養育者、マーウィン》
3ターン目《焼き尽くす熱情+《不屈の神ロナス》+《風雲船長ラネリー》


ざっくりと11パターンです。


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④⑧⑨⑩⑪で採用している《焼き尽くす熱情》は2ターン目にプレイすれば最大6点はいる効率の良いダメージソースであること以上に、④のようにそのターン唱える《原初の飢え、ガルタ》の為の支援に回る点で、最も軽く最良のマナ加速でもあります。
(1マナ呪文で3マナ軽くなるので、効率的には《暗黒の儀式》と同様です。)


加えて、《養育者、マーウィン》を対象に組み合わせたときに最大のマナ爆発が起こります。
(④、⑪)。プレイの選択肢が一気に広がります。


紹介したルートでは同一パターン中に同じカードは使わないようにしているので、実際のところはもう少しパズル的にルートは増えます。
極端な例で言えば「1ターン目《ラノワールのエルフ》、2ターン目《ラノワールのエルフ》3体、3ターン目《ロナス最後の抵抗》から《原初の飢え、ガルタ》」などです。
《モックス・アンバー》も2枚目以降は《水蓮の花びら》の要領で一時的なマナ加速として運用できます。


実際に呪文をリストにまとめてみましょう。




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(《レギサウルスの頭目》は実例で紹介しましたが、《ラノワールのエルフ》、《風雲船長ラネリー》、《原初の飢え、ガルタ》と他が明確に揃った状態でしか4ターン・キルに関与できなかったので、一旦解雇です。)
普段は安定性を求める上で各カード4枚採用というリストが多いのですが、伝説が多いので同じ役割を持つカードを多めに散らしています。


呪文が決まったら土地を考えて見ましょう。


1ターン目《スカークの探鉱者》の{R}と2ターン目《鉄葉のチャンピオン》の({G}){G}{G}が同居しているようにみえますが、《鉄葉のチャンピオン》以外の3マナは全てシングルシンボルかつ、2ターン目《鉄葉のチャンピオン》でしか達成できない4ターン・キル・ルートは実はないことが判明したので、《山》をある程度とる余裕はありそうです。


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こんなところでしょうか。


では、デッキタイプ的にサイドボードには何を採用するべきでしょうか。
このデッキが何に弱いかを考えてみる必要があります。


クリーチャーデッキなので除去され続けるのは厳しいです。
ただしチャンピオンと蛇トークンの5/4というサイズが、現地点で最もポピュラーな除去である《削剥》には強く、そのまま勝ちえるので、厳しいのは火力よりもいわゆる確定除去の類です。



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《ラノワールのエルフ》にも《鉄葉のチャンピオン》にも使いやすい新カードとしての《シヴの火》は苦手です。


一番苦しいカードは《燻蒸》です。
《原初の飢え、ガルタ》まで出し切ったところに合わせられると負けがみえます。


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白は《封じ込め》というキーパーツも得ているので、両方に対応できる《英雄的介入》を採用します。
《封じ込め》の他に各種英雄譚もあるので《打ち壊すブロントドン》も欲しいですね。



白の新クリーチャーは《黎明をもたらす者ライラ》も5/4が止まって苦手な新カードですが、《不屈の神ロナス》と《原初の飢え、ガルタ》、《焼き尽くす熱情》のサイズアップで頑張りましょう。



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《黎明をもたらす者ライラ》を意識するのであれば《垂直落下》以上に《火による戦い》が素晴らしいカードです。



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単体で除去耐性を持つカードの採用も対黒などにベストです。カラーリング的には《殺戮の暴君》と《レギサウルスの頭目》でしょうか。(チャンドラやフェニックスも良いカードですが、{R}{R}は少し苦しいマナベースです。《逆毛ハイドラ》や《熱烈の神ハゾレト》などは候補ですね。)


もうひとつ、同型の後手だと干渉できる手段が殆どありません。
相手の先手2ターン目の5/4を落とすための《木っ端》のようなカードか、途中で先手後手を入れ替える《濃霧》(戦闘ダメージの全体軽減)のようなカードが必要かもしれません。


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《歩行バリスタ》ももちろんすばらしいカードです。
『ドミナリア』直前に流行った赤青王神のような軽い横並びにも対応しやすい《巨怪の猛攻》も良さそうです。


お互い並びあいでの膠着状態を打破するカードも少ないです。
特に《造命の賢者、オビア・パースリー》同士でおびたただしい量のトークンが出るようなマッチもあるかもしれません。ここは《街の鍵》がおすすめです。



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ハンドでの伝説の重複やマナフラッドなどにも対応しやすいです。
また《英雄的介入》をコンバットトリックとして使っても良い働きをするマッチではあります。


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リソースの確保は少し難しいカラーリングですが、マナ・クリーチャー主体という点でデッキ内のマナコストのバラつきもありますが、《生類解放》が的確なサーチカードかもしれません。
またマナが伸びるので《王神の贈り物》も通常プレイしやすいです。
デッキリスト、こんなところでしょうか。



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《原初の飢え、ガルタ》デッキは色々なアプローチがあります。


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《クルーグの災い魔、トラクソス》で《領事府の弩級艦》に搭乗してから唱えても良いですし(《クルーグの災い魔、トラクソス》はアンタップ!)、緑黒で《巻きつき蛇》《ピーマの改革派、リシュカー》でも4ターン目に出てきます。赤緑でも《レギサウルスの頭目》を主軸にして恐竜型にまとめる『赤緑モンスター』のドミナリア版も良いアプローチです。


いずれの形でも《ラノワールのエルフ》と《不屈の神ロナス》、《鉄葉のチャンピオン》は必須級でしょうし、個人的には《ロナス最後の抵抗》もまた、この2種類のパワー5・クリーチャーに劣らない素晴らしくガルタと相性の良いカードだと考えています。


『ドミナリア』でも大暴れしそうな《原初の飢え、ガルタ》デッキ、ぜひみなさん試してみてください!


そして新デッキを組んだら是非、『ドミナリア』発売日翌日から(4月28・29日)のBIG MAGIC Open Vol.10で実戦を楽しんでください!
僕もイベントリポート・カバレージのライターとして参加します。みなさまのおこしを、お待ちしております。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 


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