あいさつ
こんぱーん。MOパンダです。
今回はBIG WEB様での掲載になります。
よろしくお願いします。
『サンダー・ジャンクションの無法者』が4月19日に発売されます。
ゴールデンウィークにたくさん大会があるので準備しておきましょう。
今回はメインセット+統率者だけでなくビッグスコアと言われる枠もあるので非常に強力なカードが多いエキスパンションです。
いつも通り"レガシー目線"で緩くカード評価をしていきます。
それではよろしくお願い致します。
新メカニズム解説
新ルール用語:無法者
「暗殺者」「海賊」「邪術師」「ならず者」「傭兵」を持つカードを指す用語です。
『ゼンディカーの夜明け』にあった「ウィザード」「クレリック」「戦士」「ならず者」を指すパーティーと同じです。
レガシーでは《ダウスィーの虚空歩き》《厚かましい借り手》《真の名の宿敵》がならず者です。
他の部族は少数ですが無法者シナジーは容易に使えるでしょう。
新ルール用語:悪事を働く
プレイヤーが「悪事を働く」とは、プレイヤーが「呪文」や「能力」によって相手の「呪文」「パーマネント」「墓地」「相手」を対象にすることです。
解決する必要はなく対象にするだけで悪事を働いたことになります。
相手の何かを対象にすれば悪事を働いていることになるでしょう。
レガシーでは対戦相手を対象にした《ミシュラのガラクタ》《大祖始の遺産》《思考囲い》
相手のクリーチャーを対象にした《オークの弓使い》。
相手の呪文を対象にした《意志の力》。
などで悪事を働いたことになります。
こんな簡単に悪事を働くなんて...。
対象を取らない《議会の採決》では悪事を働いたことになりません。気を付けましょう。
新キーワード能力:計画
計画能力は計画コストを支払い、ソーサリータイミングで追放領域に計画された状態にすることを指します。
計画された状態にすることは特別な処理です。スタックに積まれません。
待機することや変異持ちを表にすることと同じです。
計画状態になったカードは次のターン以降にソーサリータイミングで追放領域からマナコストを支払うことなくプレイすることができます。
非常に《目くらまし》に強い効果なのでレガシーでも期待のできるキーワード能力です。
計画状態にするときはスタックに積まれず、計画状態からプレイするときはマナが使えるので後手でアクションしやすいギミックです。
計画を持たせるカードもあり、マナコストを2つ持つ両面カードや出来事カードなどを踏み倒す手段として使うことも注目されています。
新キーワード処理: 騎乗
アンタップ状態のクリーチャーを騎乗コスト以上のパワーになるようにタップして騎乗状態にすることを指します。
お気付きの方はいると思いますがほぼ機体の搭乗と同じです。
しかし騎乗はソーサリータイミングでのみすることができます。
似た効果ですがタイミングの指定があるので気をつけましょう。
タップしたときに誘発する効果などが相手ターンに使えないので注意が必要です。
新キーワード能力:放題
右上のコストに加えてテキスト内の追加コストを1つ以上支払いプレイするキーワードになります。
選択肢の多いキッカーです。同じモードを2回以上選ぶことはできません。
どの組み合わせでモードを選んでもマナ総量は常に右上の数字になります。
《軽微なつまづき》でカウンターでき《等時の王笏》に刻印できます。
それでは各カードのプレビューにいきましょう!
今回はメインセット→ビッグスコア→統率者の順番で見ていきます。
白
《エイヴンの阻む者》
実質カウンターになるクリーチャーです。計画なので次のターン以降唱えられてしまいますが自身の効果で2コスト要求することができます。
カウンターできない呪文も追放することができ、下の効果が重複するため連打できたらより強力です。
下の効果はこれによって追放されているかは関係ないので《精鋭呪文縛り》の効果などで追放してもより要求が増えます。
《忠実な馬、フォーチュン》
騎乗持ちで攻撃後にこれと騎乗したクリーチャーをブリンクする馬です。
攻撃時に遅延誘発を生成するので戦闘で生き残らなくても騎乗したクリーチャーをブリンクすることができます。
エスパーバイアルデッキでクリーチャーの使い回しは強そうです。
除去されそうになったら《カラカス》でバウンスしましょう。
《真昼の決闘》
《法の定め》系で初の2マナです。抜け道の多い《エーテル宣誓会の法学者》や《耳の痛い静寂》と比べてメタカードとしてはかなり優秀に見えます。
なぜか付いてる5マナでダメージ。しかも好きなところに?!
対戦相手やクリーチャー限定が多いイメージですがどこでも5点飛ばせるのはなかなか驚きです。
2枚目が腐りにくいのはいいですね。
《砂塵の憎悪》
場に出すときに土地が5枚アンタップされていれば4/5絆魂飛行になるクリーチャーです。
テキスト通り計画からプレイするのもいいですが、《霊気の薬瓶》やブリンクなどであとから成長させることもできます。
青
《再覚醒したジェイス》
プレイするタイミングに制限があるプレインズウォーカーです。
注目は2つ目+1の起動型能力です。
マナコスト3以下のカードを計画状態にできるため、《嘘の神、ヴァルキー》や《木苺の使い魔》を計画状態にして《星界の騙し屋、ティボルト》や《初めてのお使い》でプレイすることが可能です。
4ターン目に計画→5ターン目キャストになりますがそれでも《星界の騙し屋、ティボルト》自体が凄まじい強さなので使われる可能性はあるでしょう。
《大魔導師のイモリ》
《戦慄衆の秘儀術師》のリメイクと言っても過言?ではないイモリです。
戦闘ダメージを与えることで墓地のインスタント、ソーサリー1枚にフラッシュバックを付与します。《思案》や《渦まく知識》の多いレガシーでは使い回す呪文に困ることはないため、期待の1枚です。
ブロッカーを排除しながら攻撃する必要があるのでティムールデルバーなどでフィットしそうですね。
受ける側もブロッカーを複数体容易する必要があるため思ったより強そうです。
《肉大工、ゲラルフ》
2つ目を唱えたらトークン生成ではなく2つ目以降でトークンを生成するゾンビです。
《魔の魅惑》で使い回してトークンで圧殺するのもいいですが、《甦る死滅都市、ホガーク》など元々ゾンビの多いデッキで使うのもいいですね。
黒
《厄介者、ギサ》
破壊力抜群の5マナファッティー。
悪事を働く度にゾンビを2体生成。
さらに自身がロードなのでゾンビは3/3威迫。
ターン1の制限はあるがそれでも2,3ターンでライフを0にできるでしょう。
自身は護法がありマナとライフを要求するので《カラカス》に強いところも高評価。
《悲嘆》と《オークの弓使い》で毎ターン悪事を働くのもいいですね。
《懲罰者、ケアヴェク》
悪事を働く度に墓地の黒いカードを追放してコピーを唱えるケアヴェク。
《思考囲い》→墓地から2枚目の《思考囲い》といった動きもでき悪事を働くことが多い黒のカードとしてはなかなかのアドバンテージ限。
《悲嘆》ピッチ→墓地から2枚目の《悲嘆》コピーを唱えられたら椅子からひっくり返ってしまう。
《虚ろなる匪賊》
《甦る死滅都市、ホガーク》などクリーチャーも多いデッキで使えそうな1枚。
レガシーみたいに4マナ以上のカードがそもそも少ないフォーマットなら1マナ4/2飛行1ドローとして使えるだろう。
マナコストは7なので《再活性》で釣りにくいのは少し残念。
《陽気な哀歌》
《納墓》兼リアニメイト呪文と書くと非常に強力だが少し重め。
対象を取らないリアニメイト呪文なので《外科的摘出》や《フェアリーの忌み者》に強いリアニメイト呪文とも言える。
5マナでプレイして《封じ込める僧侶》なら《飢餓の潮流、グリスト》落としてリアニメイト、《悲嘆》や《黙示録、シェオルドレッド》など状況によって場に出すクリーチャーを選べるので思ったより柔軟そうです。
赤
《刺し背の恐怖》
4マナ7/7飛行トランプル。しかし手札の枚数分サイズが減る。
《秘密を掘り下げる者》全盛期であればドラゴンストンピィの良カードとして採用された可能性があるので少し残念。時代が悪い。
赤黒リアニメイトを墓地対策への対策としてサイドに忍び混ませるのは良さそうだ。
《暗黒の儀式》と噛み合わないが、計画によって少ないコストでプレイが可能なのでいいサイドボードになるだろう。
《精鋭射手団の目立ちたがり》
打点バグのクリーチャー。
飛行、速攻により突然リーサルを作ることも可能になります。
《ミシュラのガラクタ》《目くらまし》《変異原性の成長》などピッチスペルや0マナの呪文で攻める果敢系のデッキで使ってみたいいい生物。
《スプライトのドラゴン》と比べタフネスは上がりませんが、打点が上がる方が強いですね。
《魔道士封じのトカゲ》
一風変わった対策カード。
クリーチャー以外の呪文で勝つストーム系のデッキなどに効果的なカードです。
いままで3マナで似たカードはありましたが2マナは珍しい。
緑
《密輸人の驚き》
《暗黒の深部》デッキで使うかもしれない1マナ放題呪文。
1つ目の効果でコンボパーツ探し。3つ目のモードでマリット・レイジに対するカードへのケアとどちらもできるため腐りにくく強力。
《吸血鬼の呪詛術士》+《暗黒の深部》回収からの除去ケアなんてできたら気持ちいい。
《自由放浪団の見張り》
土地系のデッキで試したいカード。
《リシャーダの港》や《不毛の大地》など相手ターンにも悪事を働くことができればものすごい勢いで土地を場に出すことができるだろう。
マルチカラー
《ケランの加入》
《再覚醒したジェイス》同様コストを踏み倒すことができるエンチャント。
こちらはそのまま3ターン目計画で4ターン目キャストで強力。
腐っても3色エンチャントなので各インカーネーションのコストにしてもいいだろう。
《ラクドスの加入》
めずらしいオーラではないエンチャントのリアニメイト。
伝説のクリーチャー死亡時にプレイヤーにダメージも入る。
《空を放浪するもの、ヨーリオン》で使い回すのもいいが一番おもしろいのは《ヤーグルとムルタニ》。
パワー20で場に戻り死亡したらWIN。
2体目を出して墓地に落とそう。
《同化の神盾》
《石鍛冶の神秘家》でサーチ可能な除去。
《実物提示教育》に合わせても強力。
複数枚入れても困らないのはいい。
青白石鍛冶復権となるか。
《潜入者、悟》
強い強いと話題な悟。色的に青黒想起でーと言われているがそれよりエスパーバイアルの方がカードを引けて良さそうです。
《霊気の薬瓶》から出してもドローでき、ブリンクしてもドローでき、《悲嘆》や《孤独》でもドローできあらゆるカードがドローにつながります。
伝説なので《カラカス》で使い回せるのもうれしいです。
《無情な法執行者》
《護衛募集員》で拾える万能除去。
クリーチャーを生け贄にする必要があるが《オークの弓使い》の動員トークンやサーチで使った《護衛募集員》など困ることはないだろう。
アーティファクト
《溶岩拍車のブーツ》
期待の装備品。
《稲妻のすね当て》を少しマイルドにした効果を持つ。
《ウルザの物語》でサーチ可能なマナコスト①。
《ウルザの物語》で出したトークンに速攻を付けて攻撃するもできれば、《ゴブリンの技師》や《ゴブリンの溶接工》など速攻を付け即起動させることもできる。
《影槍》の方が強い状況が多いとは思うがこちらもサーチすることもデッキによってはあるでしょう。
ビッグスコア
ビッグスコアとは神話レア30種のセットです。
プレイブースターのコモン枠から稀に排出されます。
なんとスタンダードで使用可能です。
最初は強くてレガシー以下で使えるカードかと思いました。
白
《収集家の檻》
2マナで場のクリーチャーをサイズアップできるアーティファクト。
なんと秘匿5を持ちパワーを3種コントロールしていたら秘匿したカードを唱えることができる。
2マナで軽いことに驚き、起動コストが軽くて驚き、プレイ条件も緩くて驚き、驚きっぱなしのカードです。
どうせなら《引き裂かれし永劫、エムラクール》を秘匿できるデッキをなんとか作ってみましょう。
青
《身代わり合成機》
話題のトークン生成アーティファクト。
《ウルザの物語》のトークン同様の構築物トークンを生成する。
各親和持ちの相性〇。
《金属ガエル》などマナコスト3以上だが唱えるときは0のカードでトークンを生成しよう。
《Copy Artifact》なら少ないコストで身代わり合成機自体をコピーしつつトークンを生成できる。凄まじい。
《シカリアン・インフィルトレイター》との相性もなかなか。
分隊はコピーを作るのでマナコストを持ったまま。
構築物トークンを複数体作りつつドローもできるだろう。
黒
《苦難の収穫者》
全体除去能力持ちの中型クリーチャー。
なんと青黒リアニメイトが苦手としていた部族系デッキに対して凄まじく強い。
《封じ込める僧侶》をインスタントタイミングで除去できるカードが増えるのはうれしい。
自ら墓地にいけるのでリアニメイト先としても使える。
ミラーマッチでは《ダウスィーの虚空歩き》《オークの弓使い》《厚かましい借り手》を起動型能力でも誘発型能力でも除去することができる。5マナプレイからまくるのは熱いですね。
赤
《軍団の成形機械》
やっと《ゴブリンの技師》が単体で《溜め込み屋のアウフ》を除去することが可能になりました。
しかもクリーチャーだけでなくプレイヤーにも飛ばせるので2枚をぐるぐる回しつつトークン生成してたらあっという間にライフを0にできるでしょう。
アーティファクト
《失われた十手》
《梅澤の十手》のリメイクとして登場。
誘発条件は同じで戦闘ダメージを与えると蓄積カウンターが乗ります。
旧十手と違い除去がなくなってしまったのは残念です。
土地のアンタップによって《イス卿の迷路》を使い回すのはおもしろい。
マナ総量が1になったので《ウルザの物語》でサーチ可能。
1マナ装備品は本当に激戦区。
《影槍》を超えられる日は来るのだろうか。
統率者
統率者はいままで通りレガシー以下でリーガルです。
スタンダード、パイオニア、モダンでは使えません。
《弾ける呪文飛ばし》
こんな気軽にストームを付けられるカードができるなんて思いませんでした。
レガシーではコストの割に高火力なカードが多く面白い動きに期待できる1枚です。
4回呪文をプレイして《火炎破》で20点。
《________ Goblin》から《弾ける呪文飛ばし》→《ゴブリンの手投げ弾》で20点なども可能です。
新たなストームデッキの誕生に期待です。
《精霊の噴火》
こちらも新たなストーム呪文です。
赤い呪文は赤の加速を絡めてプレイできるので優秀です。
《________ Goblin》で加速しながらプレイされたらたまりません。
他のストーム系呪文と違いトークンの質がかなりいいのでストーム2で3体4/4を作っても勝てるでしょう。
なぜかトークンに果敢が付いてるので4体トークンを生成し1回果敢でも勝ちます。
《上流階級のゴブリン、マクサス》だと思ってハードカウンターを構えてる相手にこれをプレイできたら強力です。
《嵐の咆哮、エリス》
マナになるかもしれないトークン生成クリーチャー。
《思案》《渦まく知識》で1
《ロリアンの発見》《意志の力》で5
あと残りのコストを埋められたら使えるかもしれません。
テンポ系に入れようとするとなかなかサイズダウンできず使いにくそうなので《豆の木をのぼれ》を採用したRUGミッドレンジで使うとフィットしそうです。
《火+氷》などの分割カードはスタック以外では常に合計のマナコストを見ます。
《死亡+退場》は4マナで1枚分しか軽減できないので気をつけましょう。
終わりに
『サンダー・ジャンクションの無法者』のプレビューは以上となります。
ビッグスコアの影響は大きそうで青黒リアニメイト一強の環境に風穴を開けられることを期待しています。
紹介したカードを使った配信をたくさんしていくので今後もぜひご視聴宜しくお願い致します。
読んでいただきありがとうございました。
マジック:ザ・ギャザリング『サンダー・ジャンクションの無法者』BIGWEB特設サイト