BIGs 松本友樹『エルドレインの王権』ドラフトガイド


0. はじめに


お久しぶりです。あるいは初めまして。
BIGsの松本友樹です。
今回はリミテッドに関する記事を書いてみました。
本記事は普段あまりリミテッドに親しみが無い方へ向けて書かれたものです。
『エルドレインの王権』ドラフト、あんまり勝てないな~という方はぜひ読んでみてください。


※この記事は 『エルドレインの王権』発売前に書かれています。



さて、本記事は以下の通りに構成されています。


1.『エルドレインの王権』環境ってどんな感じ?
2.各アーキタイプ紹介
3.ピック方針について
4.おわりに


今回は全体を通して長々と書いてしまいました。
手っ取り早くふんわりと理解したい方は
・1.『エルドレインの王権』環境ってどんな感じ?
・2.各アーキタイプ紹介
この2つの項目だけ見て頂ければと思います。
当項目のここから先もまぁまぁ長いので、その辺も読み飛ばして大丈夫です。
それでは、 『エルドレインの王権』ドラフト環境について説明していきます。







・・・環境について説明する前に、1つ大事な前提条件について共有したいと思います。
本記事では8人でピックから対戦を行うドラフトについての記事になります。
Magic Onlineで行われるリーグ形式のドラフトや、MTGアリーナで行われるBOTとのドラフトとは異なるのでご注意下さい。
この感覚の違いはリアルドラフトの経験がある方でないとわからないと思いますが、人によっては全く別のゲームだ、と感じるくらいの開きがあるものなのです。
分かりやすい所で言えば、完成するデッキの強さが全く違います。
デッキの強さは基本的に以下の通りになります。


・(MO)リーグ>(Arena)BOTドラフト>(リアル)8人対戦


リーグではカット(自分が使わないめっちゃ強いカードをピックして他人を妨害する事)が一切発生せず、8人全員が最強のデッキを目指します。(そして半分くらいは失敗して弱いデッキになり、半分くらいがめちゃめちゃ凄いデッキになります)
BOTドラフトでは、一定の点数に従って、強力なカードは1周せずに消えていきます。
24パックを1人で使えるので他より強くなりそうなものですが、BOTに強いカードを点数通りにピックされてしまうため、色次第では点数関係なくすべて流れてくるリーグよりかはデッキが弱くなってしまうんですね。
そしてリアルで行われる8人対戦のドラフト。
ここでは度々カットが行われるため、どうしても他と比べるとデッキが弱くなってしまいます。
逆に言えばカットで他人を弱くすることも出来るため、凄く強いデッキが完成せずとも十分に勝てる可能性もあります。


そして今回説明するのは先にも述べたようにこの8人対戦のドラフトです。
各アーキタイプを理解する上ではリーグもアリーナも差がありませんが、ピックの方針や完成するデッキの強さは異なることでしょう。
MTGアリーナで勝ちたい!という方は、本記事を参考程度に考えて下さるようお願いします。




1.『エルドレインの王権』環境ってどんな感じ?


一言で言えば"単色環境"です。


『エルドレインの王権』において、特徴的なキーワードが一つあります。それが"一徹"。


matsumotoeld 01.jpg



詳しくはカードを見てもらうとして、この能力が各色コモンに2枚ずつ、アンコモンに1枚ずつ存在します。
また同様に、単色気味に組んでいるならボーナスを得られる特殊地形サイクルもコモンに1種類ずつ存在しています。


matsumotoeld 02.jpg


さらに言えば、レアにはトリプルシンボルサイクルが存在し、アーティファクトには単色を優遇するカードが多数存在しています。
これらの存在によって、デッキを単色で組むことが可能になるだけでなく、それが強力なものになっています。


もちろん2色にもきちんと特徴が用意されています。
今回は各色の組み合わせ、10組全てにマルチカラーのアンコモン・レアが用意されています。
特にマルチカラーのアンコモンは各色の組み合わせの特徴にかみ合うように作られており、うまく使えばより大きな働きをしてくれます。


matsumotoeld 03.jpg


ただし、1つのセットに10色の組み合わせに応じた要素が用意されているため、シナジーがうまくかみ合った強力な2色デッキには中々なりません。
うまくまとまり切らない中途半端な2色デッキになりやすいのが、 『エルドレインの王権』環境における2色デッキなのです。



さて、ドラフトテーブルにおけるデッキの色の振り分けについてお話しましょう。
通常、ドラフトといえば2色のデッキを作るのが基本となります。
8人中6~7人が2色になり、1~2人が3色以上。大体こんな感じになります。


対して、 『エルドレインの王権』環境では大きく変化しています。
8人中5~6人が2色になり、2~3人が単色になります。
そして、2色vs単色ではおおむね単色の方が強力なのです。
この辺の理由は先ほど説明した通りですね。
なので、我々が目指すべきは単色デッキです。
もし単色が組めれば良くできました!多分2-1くらいはできるでしょう。



・・・だからと言って、初手から一直線に色を決めて突っ込むのはあまり良い手段ではありません。
『エルドレインの王権』においてはピックの方針も非常に重要です。


5~6人くらいが2色になるといったように、単色環境であると言っても単色デッキは中々できるものではありません。
初めから色を決めて突っ込むと、自分の上下がその色と被ってしまっている可能性もありますからね。
自分の上流から流れてくるパックからの"サイン"を見逃さず、うまく色替えすることが目標となります。
一般的にですが、4~5手目で環境でも最強クラスのコモンカード、所謂トップコモンと呼ばれるカードやアンコモンが流れてきた場合、その色は大体空いていると言えます。
単色気味にピックするのは悪くはありませんが、例え全く触っていない色であっても、その巡目で強いカードが流れてきたのならば、極力ピックするようにしましょう。


どんなカードがトップコモンと言えるかについては、次項・各アーキタイプ紹介で解説します。





2.各アーキタイプ紹介


今回、アーキタイプは各色の単色が5個、2色の組み合わせが10個で15個存在します。
ちょっと多いので、各色の特徴、各色におけるピック時の優先度が高いコモンに加え、2色の各アーキタイプにかみ合うコモン・アンコモンについてのみ言及します。


・単色用アーティファクト
共通して強いコモン・アンコモン


 
ヘンジを歩く者
matsumotoeld 04.jpg


一徹と書いてあれば大体OK
無理なく枠を埋めてくれる優良カードです。
2色デッキでは非常に使いづらいので割とぐるぐる回っています。出来れば6手目以降でピックしたい1枚です。


機械仕掛けの召使い
matsumotoeld 05.jpg



一徹と書いてあれば大体以下略
悪いところはありません。
単色路線が確定しているなら2~3手目でピックしても問題ないスペックです。


紋章旗
matsumotoeld 11.jpg


単色のキーパーツ。
たいていのアンコモンより優先して取りたい1枚。
初手級です。
ただし単色にできるか不明な1パック目では中々リスキーな1枚。
2パック目以降なら見た瞬間に取りたいぐらいです。



・白単
単色全般に言えることですが、特別強いシナジーはありません。
強いて言えば《羽ばたき狐》が羽ばたくためにアーティファクト・エンチャントがある程度欲しいな、といったところでしょうか。
単色になった場合はアーティファクトが自然と入るのであんまり意識する必要はありませんが、どのくらいの数がピック出来ているかはカウントしておく必要があります。



優先度が高いコモン
アーデンベイルの戦術家
フェアリーの導母
羽ばたき狐
塔への閉じ込め
このあたりが4~5手目で流れてきたら、白が空いているサインです。
別に白単に行くまで寄せる必要もありませんが、高い確率で白は空いています。
たまたまパック内で白が濃く流れてきてしまっただけの可能性もありますが、とりあえず拾っておくのが良いでしょう。


また、《銀炎の儀式》は1枚以上デッキに欲しいカードです。
1周してから取りたいものですが、足りないときは早めにとるようにしましょう。
優秀な飛行クリーチャーで攻めつつ《銀炎の儀式》による全体強化でフィニッシュを目指すのが白単における基本戦略です。



サンプルデッキ
matsumotoeld W.png

・青単

「このターン2枚目のカードを引くたび」と書かれたものを度々使うことになります。
青には意外とドローが少ないので、《選択》はちょっと高めにピックしたいですね。



優先度が高いコモン
魔法の眠り
氷の女王


青にはただ強い!と言えるコモンが少ないため、流れを読むのが難しいです。
その分《ヴァントレスの聖騎士》が強力なので、流れを読めたらリターンは中々です。


また、後述する青緑や緑単は成立し辛いため、《雷声のカミツキガメ》がパックから出ればほぼ取れるのも強み。
4マナ4/4メリット付きが使えるのは中々嬉しいですね。
青単は飛行クリーチャーで攻めつつ、バウンスやタップなどで相手の攻撃をいなすのが基本戦略になります。


サンプルデッキ
matsumotoeld U.png

・黒単

優秀な除去を使いつつ、威迫や飛行で攻めることになります。
クリーチャースペックが若干劣るので、装備品や《紋章旗》を合わせて2枚くらいデッキに入れられるのが理想です。


優先度が高いコモン
パイ包み
魂裂き
恋に落ちた剣士


2色では使いづらい《失われた軍団》が強く使えるのは黒単の強みです。
色事故が発生しない単色に、占術によるマナスクリュー・マナフラッドのケアは見た目以上に強力です。
また、《紋章旗》が取れているときの《目玉収集家》はかなりの働きをしてくれます。ほぼ確実に1周して帰ってきてくれるカードなので、《紋章旗》が取れたときは積極的に狙っていきたいですね。


サンプルデッキ
matsumotoeld B.png


・赤単
人間でない参照・騎士参照のどちらをも使っていくことになります。
幸い非人間でかつ騎士のクリーチャーがそれなりにいるのであんまり困らないはずですが、パックの出によってはアンチシナジーなデッキになってしまう可能性もあります。


優先度が高いコモン
焦熱の竜火
レッドキャップの略奪者


回避能力を持たない上にサイズも大きくない色なので、どうにかして盤面をこじ開ける必要があります。
攻撃しなくてもライフを削れる《硫黄投石器》、意識の外からライフを詰められる《投げ飛ばし》など、どうやって勝つかを意識してカードをピックする必要があります。


サンプルデッキ
matsumotoeld R.png

・緑単

近年稀にみるスタッツ(クリーチャーのコストで見た大きさ)を誇る緑は、おそらく最も人気が集まっている色です。
そのため、単色はほぼ成立しません。
万が一できた場合は優秀なカードが多数集まっていることでしょうし、あまり何も考えなくても勝てそうですね。


優先度が高いコモン
獰猛な魔女跡追い
筋骨隆々
ギャレンブリグの聖騎士


一徹呪文が2種類とも入っていますが、これはどちらも一徹せずともそれなりに強いという性質からです。
筋骨隆々》は緑マナがデッキに6~7枚しか入っていないデッキにもよく入るほどのスペックなので、緑単色なのに一徹呪文が全然集まらないという逆転現象もありそうですね。

サンプルデッキ
matsumotoeld G.png


・白青
2色の場合、大体はアンコモンにキーパーツがあります。
白青の場合は飛行、そしてアーティファクト/エンチャント参照が色の役割です。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
飛行クリーチャー全般
塔への閉じ込め
魔法の眠り
きらきらするすべて


白青はかなりシナジーが薄い色です。
どちらかと言えば飛行で殴る方がメインで、エンチャント・アーティファクト参照は薄めのシナジーになります。
確定除去がどちらもエンチャントなので、《きらきらするすべて》が強く使えれば御の字くらいですね。


matsumotoeld UW.png

・白黒

白黒の役割は騎士参照です。
今回マルドゥカラー(白黒、赤黒、赤白)は騎士参照の役割があてはめられており、これらを併せて3色になることもあります。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
恋に落ちた剣士
乱闘の華


コモン・アンコモン通して騎士カードが多数あるので、騎士シナジーは組みやすいです。
ただし無理に寄せるほどの強さ・数はないため、自然と集まる騎士に白黒の優秀な除去を添える形になります。
コモンの質がまんべんなく高く、失敗し辛いアーキタイプと言えます。


サンプルデッキ
matsumotoeld BW.png

・青黒

中々この2色にはなり辛いものの、組めるとかなり強力なアーキタイプ。
役割はライブラリー削りです。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
無礼の罰
マーフォークの秘守り
極小
カラスの仕返し


青黒はかなり防御的なアーキタイプです。
マーフォークの秘守り》はフィニッシャー兼ブロッカーであり、他のアーキタイプでは強く使うことが困難な軽量除去である《極小》を100%の性能で使うことができます。
これらの強力な防御的カードが1マナと軽いおかげで、本来使いづらいはずの3マナカウンター、《無礼の罰》を強く使うことができます。
また、《カラスの仕返し》は青黒が本来苦手とする横並びにとても効果的です。
このカードも使えるデッキが限定されており、青黒ならではのカードと言えるでしょう。


総じて、2色アーキタイプのシナジーが薄くなり辛い 『エルドレインの王権』環境において、珍しくはっきりとしたシナジーを作るアーキタイプです。


matsumotoeld BU.png

・青赤

「このターン2枚目のカードを引くたび」が青赤の役割です。
青だけでも赤だけでも軽量ドローは不足しがちなので、アーキタイプカードが流れてきやすい印象があります。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
潮流のマントル
フェアリーの荒らし屋
狂ったネズミ飼い
胸躍る可能性
選択
谷の商人


このカラーも強くシナジーを形成するアーキタイプです。
継続的にドローが出来れば中々すごい動きをしてくれるのですが、スペルの割合が大きくなってしまう都合上、どうしてもデッキ内のクリーチャーが少なくなってしまいます。
そのため、除去が多いデッキに相性が悪くなってしまうのが難点ですね。


matsumotoeld UR.png

・黒赤

黒赤の役割も騎士参照です。
白黒と比べるとより騎士に寄せることに意味が出るようになっているのが特徴ですね。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
硫黄投石器
乱闘の華
オーガの放浪騎士
イタチ乗りのレッドキャップ
燃焦苑の教練者


硫黄投石器》は攻防の要です。
3マナ以下の飛行クリーチャーをシャットアウトしつつ、最終的に7~8点近くのライフを削ることもあります。
マルチのアンコモンが強力な装備品であることも含め、騎士を意識してピックするリターンは十分と言えるでしょう。
威迫を持つ/付与できるクリーチャーがいるため、コンバットトリックの価値も高まっています。
突き破り》は最低1枚デッキに用意したいですね。
頭でっかちなクリーチャーが多いので《茨の鞭撃ち》は使いづらいところに注意が必要です。


サンプルデッキ
matsumotoeld BR.png

・黒緑

食物が黒緑に割り当てられた役割です。
黒緑は除去の質・クリーチャーの質を兼ね備えた上にシナジーもかみ合っており、2色の中で最も強いアーキタイプだと考えています。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
大釜の使い魔
沼のいたずら好き
巨大な好機
パンくずの道標
知りたがりの二人
ケンリスの変身
魔女のかまど


このアーキタイプにおいて、特に強力なのが《パンくずの道標》です。
地上のクリーチャーは高い肉質でやがて止まり、大型の飛行クリーチャーも除去できます。
そうして細かい飛行クリーチャーに殴られつつも、食物を食べてライフを回復し盤面を強化していくのです。


パンくずの道標》はじめ、食物関連のカードはある程度デッキを寄せることを求められるため、黒緑以外では十全に力を発揮できません。
そのためカードが流れてきやすく、成立しやすいアーキタイプと言えます。

サンプルデッキ
matsumotoeld BG.png


・赤緑
人間以外を参照します。
赤と緑の太い所で殴り続けるデッキになりがちですが、トランプルを持っているクリーチャーが多かったりコンバットトリックでトランプルをつけることが出来たりで、その攻撃を受け止めることは非常に困難です。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
突き破り
レッドキャップの略奪者
僻森の追跡者


赤緑になるには緑をピックしている中で赤い火力呪文が流れてきて・・・というパターンが多めです。
逆に赤いカードがたくさん集まっているときに緑をタッチするのはあまり上策ではありません。
緑は色シンボルが濃いものが多く、また一徹も非常に強力です。
対して赤はシンボルが薄くて使い勝手の良いものが多いので、できることなら土地配分は緑10~9に対して赤が7~8になるようにデッキを組めるのが理想的です。


サンプルデッキ
matsumotoeld GR.png

・赤白

赤白の役割は騎士。
マルチカラーに騎士ロードを擁するため、見た目に最も騎士デッキになりやすそうな色です。
しかしながら、騎士を参照するカードは白にはあまりないため、実は赤黒より騎士シナジーは薄くなります。
騎士度は赤黒>赤白>黒白の順ですね。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
硫黄投石器
オーガの放浪騎士
燃焦苑の教練者
銀炎の儀式

サンプルデッキ
matsumotoeld WR.png


・緑白
緑白の役割は出来事。
青・黒・赤にはコモンの出来事・クリーチャーは2種類ずつしか存在しませんが、緑・白には4枚ずつ存在します。
この豊富な出来事を持つクリーチャーをプレイしたとき、カードを引いたり大きくなったりするのが緑白の役割です。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン
群れの番人
エッジウォールの亭主
不思議な道照らし


出来事が役割であり、シナジーも割と組みやすいように思える緑白ですが、実のところあまりシナジー自体を気にする必要はありません。
というのも出来事を持つカードが基本的に強く、またシナジーを形成するカードもただ強い為、自然とデッキに入るからです。
また緑の高いクリーチャースペックに白の飛行と除去が合わさりシナジー関係なく普通に強いです。
シナジーががっちり組めればとてもとても強くなれますが、そもそも人気色かつシナジーを形成するカードもただ強いものばかりという性質上、そう綺麗に出来ることは稀です。


サンプルデッキ


matsumotoeld WG.png

・緑青

緑青の役割は・・・ランプ?
このカラーだけは役割が曖昧です。
恐らくマナを伸ばして重いカードをプレイしよう!というものだと思うのですが、そうしても別に強くないのでやりません。


重要な役割を果たすコモン・アンコモン(?)
王冠泥棒、オーコ


神話レアなのですが、青緑になるときは本当に大体こいつがいます。
というか、青緑になるパターンは青単or緑単気味にピックしている中で、青緑の強いマルチカラーのカードが出るor流れてくるパターンがほとんどです。
青緑は基本的にデッドカラー。
特別なレアがない限り行かない色と覚えておいた方が良いでしょう。


サンプルデッキ
matsumotoeld UG.png



3. ピック方針について


本項目は1. 『エルドレインの王権』環境ってどんな感じ?の項目で軽く触れたピック方針について、より詳しく解説する項目です。
もし読んでない方がいれば、先にそちらを一読頂けると助かります。


さて、項目1では単色デッキが強いが中々できないということをお話ししました。
それを念頭に置いて考えてみましょう。



ドラフトの1-1。あなたがパックを開封すると、《厚かましい借り手》が出てきました。間違いなく素晴らしい1枚。迷いなくピックしました。
次のパック、1-2です。
この13枚の中に青のめぼしいカードは《ヴァントレスの聖騎士》しかありませんでした。
さて、どうしましょう?


一徹を持つ青のクリーチャー!青単を作ったら間違いなく採用できるぞ!これは青単を作れという天の啓示に違いない!迷いなくピックだ!


・・・というピックが駄目なことはご理解いただけているかと思います。
勿論ですが、こういうピックはほとんどの場合失敗します。


『エルドレインの王権』環境は単色環境です。
間違いありません。
しかしそれは「やりたい色に突っ込めばできる環境」と同義ではありません。
流れを見極め、自らのポジションを理解し、そこへ飛び込むことを要求される環境です。
今回の例を見るならば、青以外の色で強いカードがあるかどうかをまず確認する必要があります。レアやアンコモンは流れてきているか?コモンでも《パイ包み》や《獰猛な魔女跡追い》のような強力なコモンはあるか?それらを確認し、あるならばそちらをピックしましょう。


これが例えば『ラヴニカのギルド』のような環境ならば、初手のレアを強く意識したピックも悪くはありません。
強力な神話レアを初手に取った場合、1-2で強いカードとそれなりのカードの択になったとき、それなりのカードを取ることは肯定されます。
1パック目、3パック目は青があまり取れないとしても、2パック目に流れてくる青いカードに期待し、青を絞るというのは一つの有効な戦略です。
青が多少薄くなっても1パック目、3パック目でもう片方の色を集めることが出来ればデッキになりますからね。


しかし、 『エルドレインの王権』では異なります。
単色>2色
の図式があるため、1パック目の早い順手では、今自分が何をピックしているかは考えず、その時々最も強いカードをとる方が期待値は高いはずです。
そして明らかのこの色が空いている!と判断出来たら、あとはもう一目散です。
一徹を持つカードをピックするのは、極力このタイミングからにしたいですね。


matsumotoeld 07.jpg


今例に出した《ヴァントレスの聖騎士》は、青単になればとても頼れる戦力です。
しかし一徹が達成できない場合、非常に頼りない戦力になってしまいます。2色デッキなら青マナが最低でも10枚は無いとデッキに入れたくないぐらいです。
そしてそれは全員が共有している情報です。
であるならば、青単になりそうな人以外はヴァントレスをピックできません。
つまり1周後に手に入れることが出来る可能性があるのです。
このように、一徹を持つ呪文は早くて5~6手目、できれば1周後を目指してピックしたいところです。


また、例に出した1-2で流れてきたヴァントレスですが、このカードが目標通り、1周して帰ってきたとしましょう。
それもまた非常に重要な情報です。
一徹を持つ呪文は単色のデッキ以外では使えませんが、単色になれそうなら喜んでピックするものです。
1-10で戻ってきたのならば、少なくとも自分の上半分くらいには青単及び青単になる可能性のあるプレイヤーが存在しないことになります。
1-3~1-8の間に青いカードが取れているなら、もう完全にあなたは青単のポジションです。
初手のゴッドレアともがっちりかみ合ました。
3-0は目前でしょう。


もし1-2で異なる色のカードをピックし、1-3~1-8まで、目ぼしい青のカードが取れなかったとしましょう。
それでもヴァントレスが使える可能性は残っています。
今回の場合、青のカードがたまたまパックから出なかっただけという可能性が存在します。
ブースタードラフトはパックを剥いて行うゲームですから、決して少なくない頻度で、特定の色が極端に出てなかったり、逆に極端に多く出ていたりすることがあります。
1周後の情報というものは、このパックのブレを見極めるための重要な情報です。
1-2のパックだけでは正確なことはわかりません。
ですが、もし1-1・・・《厚かましい借り手》をピックしたパックにプレイアブルな青のカードが存在し、それが1-9で戻ってきていたなら・・・
この場合、青をピックしている人が沢山いたのではなく、たまたま青いカードが出なかっただけで誰も青をやっていないという可能性が浮上します。
2パック目の流れが良いようなら、青いカードを中心にピックする価値は大いにあるのです。


そしてまた、1-10で今度はヴァントレスが帰ってこなかったとしましょう。
1-3~1-8で大いに青いカードが取れていけそうだ!というときでも、これは非常に大きな意味を持ちます。
つまり、単純にパックの青の出がよく、卓内に少なくともあと一人、同じことを考えているプレイヤーがいるということです。
さらに言うなら、一徹クリーチャーを1周以内に取るということは、自分の上1~3人くらいの中に青単気味の人がいる可能性が高いということになります。
この場合、3パック目には青いカードが全く流れてこなくなることを示唆しています。
青を投げ捨てる必要はありませんが、青単はできないものと覚悟して、早い段階で2色目を模索しましょう。
この場合、2パック目においては、一徹を持つカードやトリプルシンボルのカードの価値を下げる必要があります。


このように、1周後のパックは本当に多くの情報を含んでいます。
今回は特定の1色に絞った話をしましたが、できればプレイアブルなカードを色と数だけでも覚えておいて、どの色が何枚ピックされたかを把握できるとグッとやりやすくなります。
混んでいそうな色、空いていそうな色が透けて見えますからね。
この情報は1-1~1-3のパックまでが特に大きな意味を持ちます。
卓内の色の分配を把握する数少ない方法でもあるので、是非これらの情報を記憶してみてください。


ヴァントレスの聖騎士》を中心とした話ばかりになってしまいましたが、ここまでのお話では、このカードはピックすべきではないというものでした。
仮に黒のトップコモンである《パイ包み》がパック内にあり、他が微妙だったとしましょう。
その場合、1-2は《パイ包み》になりそうです。
同様の条件で1-3に《焦熱の竜火》があったなら、3手目のピックはそれです。
1-4に《獰猛な魔女跡追い》があれば、それを取りましょう。


『エルドレインの王権』ドラフトは単色環境だといいましたが、1-4くらいまでは様々な色をピックするレインボーピックになりがちだと思っています。
勿論どこかで色を決める必要はあります。
その判断基準についてですが、基本的には最も遅くピックした強いカードに従うべき、と考えています。
今回の例でみてみると、1-4まで強力なカードがピック出来ました。
このうち、1-3くらいまでの強いカードは強いレア・アンコモンを優先した結果流れてくることが多々あり、明確なサインになりづらいところがあります。
しかし1-4までくると、よほどパックが強くない限りはかなり信ぴょう性のあるサインになります。
1-5くらいになると強力と言えるカードはほとんど無いはずです。
そうなったとき、1-1でピックした青よりも、強い除去である赤・黒よりも、緑のカードを優先し、極力緑単を目指すピックをしたいところです(でもヘンジを歩く者のように一徹しなければ弱いカードは避けましょう)。


1-1青
1-2黒
1-3赤
1-4緑
1-5緑
1-6緑
1-7緑
1-8緑
このようなピックが、このエルドレインの王権環境で目指したいピックになります。






4. おわりに


これまで長々と解説してきましたが、いかがでしたか?
分かり辛くなかったら良いのですが・・・。
少しでも読んで下さった皆さんのプラスになっていれば幸いです。


今回のこの記事の内容は、あくまで 『エルドレインの王権』環境の最初期に感じた内容にすぎないことにもご注意下さい。
練習を重ねていくうえで、3色の強力なアーキタイプが見つかるかもしれませんし、弱いと断じた青緑に凄い戦略が見つかるかもしれません。
もしここに紹介されてない良い戦略があれば、是非教えて下さい。



それでは、また。



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