BIGs マエノソノケンタ ノソノスキー先生のモダン講座:イコリア参入後のメタゲームブレイクダウン ~僕はついてゆけるだろうか-リアルマジックのないモダンのスピードに~

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ノソノスキー先生のモダン講座:


イコリア参入後のメタゲームブレイクダウン


〜僕はついてゆけるだろうか-


リアルマジックのないモダンのスピードに〜


translated by nosonosan


  


やぁ!ノソノスキーだ。久しぶりだな。おっと、BIG MAGICで記事を書くのはこれが初めてだから、はじめましての方が正しいかな。普段は、マジック不毛の大地カゴシマでモルテンレインというチームとともにマジックをしているBIGs所属プレイヤーだ。
今回は普段からモダンをある程度嗜んではいるが、イコリア参入後のモダン環境がどのように変化をしているのか知りたいという人に向けて記事を書かせてもらった。モダンをよく知らない人たちには話が難しかったり、お粗末に感じてしまうようなことがあるかもしれない。



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『早速だが1つ質問だ』
 
人はいつモダンをやめてしまうと思う?
 
エルドラージが暴れすぎた時・・・違う
モダン向け新セットの発売で環境が大荒れになった時・・・違う
歴代最強のプレインズウォーカーが環境を鹿まみれにした時・・・違う


 


・・・メタゲームから取り残されて自分の居場所がないと感じた時


 


下環境を嗜むプレイヤーにとって、メタの推移が穏やかであるということはそれだけでそのフォーマットで遊べる理由となるが、この1年でのモダンのメタゲームのスピードはあまりに速く、多くのカードゲームおじさん達にとって過酷な環境と言えるだろう。その上、昨今の事情によりなかなかマジックに触れられず、何やら"相棒"という新カードまみれで、また俺たちの慣れ親しんだモダンが壊れてしまうんじゃあないかと不安なプレイヤーは少なくないはずだ。


 


そこで、みんながいつでもまたモダンに戻ってこれるように、マジックオンライン(以下、MO)におけるイコリア参入後のメタゲーム解析をしてみたんだ。この記事が、みんなのモダンでの居場所を守る手助けになれば幸いだ。


 


-目次 


 ・イコリア参入後のメタ、これだけは


 ・イコリア参入後のメタゲーム解析


  ▼相棒の環境支配率


  ▼デッキ分布


  ▼相棒のTOP8支配率


  ▼TOP8のデッキ分布


  ・メタゲームの変化の実際


  ▼メタゲームの異変--トロンとドレッジの凋落--


  ▼コンボデッキの奮闘−相棒に依存しないアプローチ−


 ・相棒デッキTOP3


  ▼バーン


  ▼ジャンド


  ▼Uroza


 ・相棒環境での戦い方−デッキ予測とキープ基準−


 ・メタゲームのその先へ


  ▼低マナ域への偏重


  ▼《血染めの月》を忘れるな


 ・おわりに


  


 



・イコリア参入後のメタ、これだけは


まずは、イコリア参入後のモダン環境を簡単におさえてみよう。この図を見てもらえれば、この記事の役目は8割方終了したようなものだ。


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この環境の中心にいるのは、相棒を得て大幅に強化された2種類のバーン(従来型と果敢型)の存在だ。そして、同じく相棒を得て形を変えたフェアデッキ(※)が存在し、それらのフェアデッキを食いたい土地系デッキが、増えすぎたバーンの存在により活躍できずにいる。そして、相棒に頼らないデッキの最右翼として、相棒をめぐるアドバンテージ合戦という土俵に立たないコンボデッキが台頭しつつあるという状況だ。
(※何をもってフェアデッキと定義するのかはかなりナイーヴな話題だが、ここでは便宜上、いわゆるミッドレンジ・コントロールをフェアデッキとさせてもらった。)


  


・・・なに?
 
モダンもどうせ相棒まみれのクソみたいな環境なんだろって??


 


オーケーいいだろう。本当にそうなってしまったのか、実際にこの目で確かめてみようじゃないか。


 



・イコリア参入後のメタゲーム解析


イコリアリリース以降にMOで行われた大型大会の上位入賞デッキを、相棒の頭文字と色をつけた表をみてみよう。


 


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 うーむ。実にカラフル!まさに相棒まみ(ry


 


イコリアリリース後2回目のモダンチャレンジ以降、明らかに相棒デッキが増加していることが分かる。


 


 



相棒の環境支配率


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ルールスを中心として実に環境の6割が相棒デッキとなっており、まさに『相棒デッキvs非相棒デッキ』の構図となっている。


  



 
デッキ分布


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 2種のバーンは環境の約20%を占め、このグラフからも相棒デッキが環境に多いことがわかる。だが、注目してもらいたいのは右も左も相棒ばかりでうんざりだということじゃあなく、ここに挙げただけでも30近いデッキがあり6割を超える相棒環境の中にあってもモダンのデッキの多様性は保たれているということなんだ。


 


 


-モダンの懐の広さを感じていけ-


 



相棒のTOP8支配率


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TOP8の相棒デッキはその割合をさらに伸ばしている。相棒デッキ(特に《夢の巣のルールス》)が上位のメタゲームでも勝ち組であり、非相棒デッキはその割合を少し落としていることがわかる。


 


 



TOP8のデッキ分布


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TOP8も同様に2種のバーンが安定して上位にいる。また、興味深いことにTOP32では2番手に位置していたジャンドが順位を落としているということだ。相棒を得て強化された2つのデッキだが、最後まで勝ち切る力のあるバーンと勝ちきれないジャンドと、明暗を分ける形となった。


 


 



メタゲームの変化の実際


ここまでの話で、相棒を擁するバーン・フェアデッキを中心に環境が回っていることをある程度見てもらえたと思う。ここからは実際に起きているメタゲームの変化について掘り下げていこう。


 



▼メタゲームの異変-トロンとドレッジの凋落-


これまでのモダンのメタゲームはだいたい、

→フェアデッキが流行る
→トロン・ヴァラクートなどの土地系デッキが流行る
→バーンを代表とする速いデッキが流行る
→墓地への意識がそれて、バーンに有利なドレッジが流行る
→バーン・墓地対策に寄せたフェアデッキが流行る


 


といったサイクルを繰り返すことで回っていた。だが、イコリア参入以降、このサイクルからトロン・ドレッジというモダンを代表する2つのデッキが大きく数を減らすこととなっているんだ。


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その最大の理由は、《夢の巣のルールス》を相棒に従えたあまりに強すぎるバーンの存在にある。
 
-トロンの凋落
これまでは、フェアデッキがバーン対策を厚めにとることでバーンへの抑止力になり、増えたフェアデッキをトロンが狩るという構図が生まれていた。だが、それらのフェアデッキが対策を厚めにとったとしても、依然としてバーンが有利な状態が続いており、トロンにとって有利なフェアデッキは増えず、不利なバーンは減らないという状況のなかで、トロンは大きく後退することになってしまったんだ。


 


-ドレッジの凋落
そして、イコリア参入後のメタの変化における1番の異変はバーンキラーと名高いドレッジが思いのほか減少しているということだ。バーンが流行れば、それに有利なドレッジが流行るんじゃないかって考えるのが普通だろう?でも、そうはならなかったんだ。

それには、大きく4つの理由が考えられる。


 


バーンの継戦能力が上昇したことで《這い寄る恐怖》に耐性がつき相性差が縮まってしまったこと。
・ドレッジは、相手にマリガンを強要しつつも自身はマリガン耐性があるということがデッキの強みだったが、相棒によるリソース回復で他のデッキも墓地対策を探すためのマリガンが許容されるようになったこと。
・ルールスの流行でメインの墓地対策が許容されるほどに墓地対策を厚めに取られる環境であること。
・相棒環境に依存しないアプローチとして、ドレッジが干渉しづらいコンボデッキが増加したこと。


 


にわかには信じがたいことではあるがその影響は凄まじく、数多の禁止改訂を経ても常にドレッジを回し続け進化させてきたMOのドレッジマスターであるsodeq氏がドレッジを手放してしまうほどだ。


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《夢の巣のルールス》を擁する、通称ルールスバーンが現在のモダン環境を定義することになった。


 


 



▼コンボデッキの奮闘−相棒に依存しないアプローチ−


相棒デッキに共通して言えることは、そのほとんどがフェアデッキでアドバンテージに重きを置いたものとなっており、相棒が使えないデッキはそれだけで大きなハンデを背負うことになる。さらに、バーンに至っては対策を乗り越えるだけのパワーを持っていて、真っ向勝負は分が悪いときた。


 


そこで、相棒デッキを相手にする際に重要なことは、


 


・アドバンテージをめぐる相棒と同じ土俵に立たない。


・キルターンが早い。


・構造上バーンに強い。


 


ということで、これらを満たすデッキが-そう、モダンの憎まれ役コンボデッキだ。


 


むかつき、アミュレット、ネオブランドなどがそれに該当する。


いずれのデッキも相棒とは別ベクトルでの戦いをするため相手のアドバンテージは気にならない。むかつきは構造上バーンに強い。アミュレットはタイタン系デッキの中で唯一速度勝負ができるデッキだ。ネオブランドは上記すべての条件を満たしている上に他のコンボデッキにも強い。モダンの環境が相棒一色となるかどうかは、これらのコンボデッキの奮闘にかかっていると言っても過言ではないだろう。


 


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憎まれ口を叩かれることも多い彼らだが、モダンの良心と言われる日も近い・・・??


 


 



・相棒デッキTOP3


すんなりと相棒を採用できるデッキもあれば、相棒のためにその姿を変容するデッキもあった。ここでは、相棒デッキのTOP3を簡単に説明したい。


 



▼ 環境最強:2種類のバーンの躍動


-従来型


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-果敢型


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『火力やクロックをあと1枚でも引かれたら負ける』



 


バーンと対峙したほとんどのプレイヤーはこう感じたことがあると思う。そして、このバーンは初手がほぼ9枚、1枚ならず2枚の追加の有効牌が確約されていると聞けばそのトンデモなさが分かるだろう。マリガンや息切れに悩まされていたバーンはもういないんだ。従来型と果敢型の2種類のバーンが存在するが、《ミシュラのガラクタ》《炎の印章》をより火力に結びつけることのできる果敢型の方が現在では主流になりつつあるようだ。


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『息切れしないバーンとか反則だってぇ...(震え声)』


 


 



▼好きな女のために自分を変えた新生ジャンド


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『《血編み髪のエルフ》と《ヴェールのリリアナ》の霊圧が.・・・消えた。』



 


ジャンドを象徴する2枚のパワーカードを抑えてまでルールスを採用することに疑問を持つプレイヤーもいたようだが、現在ではこのルールスジャンドが主流となっている。このデッキのルールスは、唱える呪文を選べるうえに次のターンも使える血編みと思ってもらえばいい。フェアデッキにとって、ルールスをめぐるアドバンテージ合戦に勝つことが今後のモダンを生き抜くための最重要事項といえる。


もっとも、バーンに勝ちきれず、ルールスをめぐるアドバンテージに付き合わないデッキの増加の兆しが見えつつあり、ジャンドが今後も活躍できるかどうかは環境次第といったところだ。


 


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『新しい彼女ができたジャンドくんの今後に注目!』


 


 



▼マジックの固定概念を変えていけ80枚Uroza


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 『マジックザギャザリングは、80枚のメインデッキと15枚のサイドボードで遊ぶカードゲームです。』


 


ルールスが流行り、従来のアドバンテージ合戦では分が悪くなったUrozaやプレインズウォーカーコントロールは、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にとることでその相性を改善することとなった。Urozaは追加のキャントリップとして《豊かな成長》を取ることで、ヨーリオンのブリンクを活かしつつ80枚デッキのデメリットを緩和する試みがなされている。ただ、特にサイドボードが足りないと言われるモダンにおいて、サーチもない80枚デッキではサイドボードにアクセスしづらいため、広く浅くといったサイドボードを取ることができない。このデメリットを乗り越えられるかどうかが、このデッキが今後も活躍できるかどうかにかかっている。


 


 



・相棒環境での戦い方−デッキ予測とキープ基準−


相棒が登場したことにより起きた最も大きな変化は、対戦前に相手のデッキがある程度予測できるということだ。相棒はキープを宣言する前に公開をしなければならないため、相手の相棒の有無やその種類によってキープ基準を変えることができる。相棒デッキと非相棒デッキの一覧をしっかりと頭に叩き込んでおけよ。


 


 


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『試合は始まっている!キープする前からスデにッ!』


 


見てもらえばわかるが、相棒デッキの多くがフェアデッキで、非相棒デッキの多くがコンボ・土地系デッキだ。さらに、相棒の種類によっては相手のデッキを絞ることができる。簡単な例をあげると、『ルールスなら除去ハンドをキープ』『ヨーリオンや非相棒デッキには除去ハンドはマリガンする』『カヒーラが公開されたので相手のデッキはUWミラクルで決まり』など、各々のデッキ次第でキープ基準が変わってくる。これからは、今まで以上に環境に存在するデッキをしっかりと把握することが重要となってくるだろう。


 


 



・メタゲームのその先へ


ここまでの話を踏まえて、少しだけこれからの話をさせてほしい。


 



▼低マナ域への偏重


相棒デッキが環境の6割、とりわけ《夢の巣のルールス》が4割以上を占めており、このモダン環境は今までになくアドバンテージ・低マナ域へ偏重している


 


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『1:2交換?俺たちは1:10交換だ!』


 


そこで、虚空の杯》《相殺》といった0〜2マナのスペルを封殺し、相棒とは別の形でアドバンテージ勝負できるデッキが台頭する可能性が十分にある。現に、エルドラージトロンはコンボデッキに次ぐ非相棒デッキであり、UWミラクルという新しいアーキタイプも生まれている。


 


 



▼《血染めの月》を忘れるな


 


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『月は出ているか?』


 


アーカムの天測儀》によるマナサポートに加えて、3マナ以上のパーマネントが減っているなかで、《血染めの月》はその価値を大きく落としている。月を採用しているデッキは、《獲物貫き、オボシュ》を採用したグルールと一部のコントロールのみで、環境の5%に満たないだろう。アミュレットがその数を保っている一因がここにあり、スケープシフトやタイタンシフトなど前半には見られなかったデッキが後半になるにつれて上位入賞を果たしており、今後はさらに土地系デッキの台頭が予想される。


 


 



・おわりに


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『ルールス!きみに決めた!』


 


様々なフォーマットで相棒という新しいシステムが環境を席巻していることは周知の通りで、モダンもその例外ではない。ただ、この記事で1番言いたかったことは、確かに相棒は様々な問題をはらんでいるけれども、モダンの環境は思っているよりもたくさんのデッキが存在し健全な環境であるということなんだ。相棒をめぐるアドバンテージ合戦は楽しいし、相棒を別ベクトルからやっつけるのだって実に爽快だ。相棒がいなければ生まれてこなかったデッキも復活することもなかったデッキだってある。それらのデッキについてもまだまだ紹介したいけれど、今日のところはこれくらいにしておこう。


 


もう少しの辛抱だとは思うが、リアルでマジックができない今、BIG MAGICではMMMオンラインというMO専用の大会も開かれており、これを機にMOを始めてみるのもオススメだ。もし君がすでにMOをやっているならぜひ参加してみよう!参加費無料で賞品がもらえる爆アド大会なうえに、少し勝つだけでフィーチャーしてもらえる滅多にない機会なんだ!


 


説明不足なところもあっただろうし、もし気になることや疑問に思ったことがあれば遠慮なくtwitter(@nosonosaaan)で聞いてくれ。


 


最後まで読んでくれてありがとう。この記事がモダンのメタゲームを追いかける君への手助けになれば嬉しく思うよ。



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