こんにちは!久しぶりにカードの値段以外の記事も書いてみてよ!と言われたので筆をとりました。くーやんです。
今週末に開催されるRPTQ、そして大阪で年末に行われるMMM Finals2017と、GP神戸以降国内でしばらく無かったモダンの大きいトーナメントが続きます!と言うことで、今回はモダンメタゲームのおさらい&RPTQではどんなデッキを使うべきかという僕なりの意見を書いていきます。
せっかくMMMの主催してるんだからたまにはモダンにも触れないとね!
そんなわけでまず最初は「今モダンでは何を使うべきなのか」ですが、これは実はほとんど答えが出てしまっています。
モダンは所謂「一強デッキ」が存在せず、とにかくアーキタイプが多様で当たり運などに左右される部分があるので...良く言ってしまえば「どんなデッキにもチャンスがあるフォーマット」で、悪く言うなら「どんなデッキでも運次第で0-3してしまうフォーマット」です。
またモダンは普段から大規模なトーナメントが頻繁にあるわけではないので、現行出回っているデッキリストのほとんどがマジック・オンライン(MO)のリーグで全勝したものや、それをベースに改良したものが大半です。
MOは大体勝っている人が同じで、その人たちが回せばリストが自然とサイトに載るので、必ずしも「勝っているデッキ=強い」というわけではありません。
「勝っているデッキ=流行っている」と考えた方が良いです(もちろんそれらはある程度のレベルより上の強いデッキではありますが)。
何が言いたいのかと言うと、モダンのトップメタのデッキ達はそれぞれの相性差はありますが、単純なデッキパワー自体は大して変わらないということです。「強いデッキ」を探すというよりは、「流行っているデッキ」を見極めながらそれらに勝てるデッキを選択orそれら用のサイドボードを厚く取るというアプローチの方が勝率は上がる、ということです。
まぁ結局は普段のメタゲームを考えるのとあまり変わりは無いですが・・・
しいて言えば、様々なデッキに当たるのでコントロールデッキのような相手の行動を見極めながら「受ける」デッキよりも、こちらから強い動きを「押し付ける」デッキの方がモダンでは勝ちやすいと言われていますね。
相手によって速度や戦略を変えることの出来るその「中間」に位置するデッキもありますが、悪く言ってしまえばそれらはモダン環境では中途半端なデッキである、という見方もあります。
このような結論に達したものの、普段モダンはあまりやっていなくて、限られたアーキタイプしか触ったことが無い...という方は、今から他のデッキを回すよりも使用経験のある使い慣れたデッキを選択する方が無難でしょう。
特に普段からスタンダードPTQなどにも参加しているトーナメントプレイヤーの方々は、ほとんどそのスタイルなのではないでしょうか?
ここから先はそういった手慣れた方以外の「いくつかデッキ候補があるが迷っている、決められない!」といった方々のために書いていくので、上級者の方には物足りない内容になってしまいますが...お付き合いいただければ幸いです。
それでは具体的なモダンの話に入っていきましょう。GP神戸時点のメタゲームのおさらいから順番にいってみましょう。
GP神戸2017TOP8デッキリスト
優勝デッキは白黒エルドラージ。その時点ではあまり見かけなかったデッキですね。
TOP8も色んなデッキが散っていて、はたしてメタゲームとは一体、と頭を悩まされたところで、ひとまずTOP32まで視野を広げてみましょう。
GP神戸2017TOP9~32デッキリスト
この表から分かることは、勝ち組は「献身のドルイドコンボ」、次点で「グリクシス死の影」という事実です。
とは言いつつも色んなアーキタイプがあって、結局良く分からん!という感想しか出てこないので...もう少し分かりやすくするために、デッキを「押し付け」「受け」さらに「中間」と大まかに3つに分けようと思います。
「押し付け」デッキが18に対して「受け」デッキはわずか2つ。そして勝ち組だと評した2つのアーキタイプは「中間」で、これに該当するデッキは10となりました。
やはり「受け」デッキは厳しい・勝つのが難しい事実が伝わるかと思います。
「中間」ですが、これは前述したように相手によって速度や戦略を変えることの出来るデッキです。悪く言えば中途半端と評しましたが、プレイヤースキルに依存するデッキなため、中級~上級者が多く選択した結果上位に多く見受けられるデッキになったのではないかと考えられます。
つまり「中間」デッキはGPのような大規模な大会に一番向いているデッキ=流行りやすいデッキだと考えることが出来ますね。
さらにGP神戸は『アモンケット』が発売されて一か月しか期間の無い大会だったので、新カードである《療治の侍臣》が非常に注目されたこと、グリクシス死の影は先にアーキタイプとして出てきた「ジャンド死の影」と比べると当時高騰していた《ミシュラのガラクタ》を買う必要が無く、日本人の好きな《瞬唱の魔道士》やドロー操作が使えるといったことも流行る要因になったのでは無いでしょうか。
この2つのデッキを仮想敵とすることが出来ていたなら、GP神戸でのベストな選択肢は「ドレッジ」だったのでは無いかと思います。
正確な使用者数がデータであるわけではありませんが、当時の記憶や海外サイトのデッキリストの数々と照らし合わせて考えると、GP神戸時点で頭に入れておきたいデッキ(予選ラウンドで1回は当たるくらいには存在するだろうと考えるデッキ)は
青赤ストーム
タイタンシフト
エルドラージトロン
親和
死の影系のデッキ
ドレッジ
献身のドルイドコンボ
この辺だったと思います。
モダンは禁止改定等が無い限り大きくメタが動くわけではないのですが、新しいエキスパンションが発売されるたびに新しいアーキタイプが誕生し、未知の戦術を武器にMOで勝ちます。
これは前述した通り、みんな新しいカードを使いたくて試す→強い人が遊ぶためにそのデッキを使い、プレイヤースキルが高いので勝つ→そのデッキが流行った結果、メタゲームに食い込んで来る→しばらくすると皆が飽きて、また次のデッキが流行って・・・といったサイクルを繰り返しながらメタゲームは回っていきます(もちろん流行ったデッキがメタられて新しいデッキが流行るという当たり前の流れもあります)
モダンを追い続けている人は記憶にあると思いますが、あれだけ流行ったKanisterの「アミュレットタイタン」や『霊気紛争』発売後に大流行りした「純鋼ストーム」はどこに行ってしまったのでしょうか?
後々まで残り続けるデッキでは無かったと言うことは歴史が証明していますが、あのタイミングは間違い無くトップメタだったのです。
とりあえずRPTQ前のトップメタを定める前に、これらを踏まえた上で『破滅の刻』『イクサラン』と2つのエキスパンション発売後に新しく増えたアーキタイプを紹介しておきます。
ドレッジヴァイン
プロツアー『破滅の刻』優勝者のPaulo Vitor Damo da Rosaがツイッターに一枚の画像をアップしたことから数日間MOで大流行りしました。
高速で墓地から《復讐蔦》を出したり、早い段階で《虚ろな者》を複数枚出したりと爆発力があり話題にはなりましたが、やはり安定しないデッキだということで現在はあまり見ることがありません。
青緑マーフォーク
以前からいた純正の青単マーフォークに比べて、より殴るデッキになっています。
《呪い捕らえ》の枠が《クメーナの語り部》になっていたり、追加の《銀エラの達人》のような働きをする《マーフォークの枝渡り》などを採用することによって、クロックを確保する観点から見ると1~2ターン目の動きは以前よりもしっかりしたものになりました。
が、コンボデッキへの耐性と緑をタッチすることで起きるペイライフ、色事故への不安・マーフォークの武器でもある《波使い》の不採用と疑問に思われる部分も多く、『イクサラン』発売後こそ少し流行りましたが、時間が経った現在はほとんど見ることが無くなりました。
人間カンパニー
2017年5月あたりに、当時大流行していた《死の影》デッキに対して有効な《反射魔道士》を上手く使えるデッキとして開発され、多くの有名プレイヤーが使用し5-0しまくったために突如としてMOで大流行しました。
緑白タッチ《反射魔道士》で組まれたものや、さらに黒をタッチする構成など様々なパターンが出てきますが、後述する『イクサラン』発売後に出てきたカード達により現在は別のデッキとして落ち着いているようです。
5C人間
2017年11月14日現在絶賛流行り中。とにかくMOで当たります。
前に紹介した「人間カンパニー」の派生形と言っても良いでしょう。
『イクサラン』で《帆凧の掠め盗り》と《手付かずの領土》という2種類の人間デッキを後押しするカードを手に入れたことにより流行、こちらはMO発のデッキでは無く、SCG OPENとSCG Classicと言う大きな大会を2週連続優勝したことからMOでも流行することとなりました。現在も進行形で研究が進んでいるデッキです。
デッキの中の全てがクリーチャーになっているリストもありますが、クリーチャーデッキにはロードによるサイズアップと《反射魔導士》が、コンボデッキに対しては《帆凧の掠め盗り》《スレイベンの守護者、サリア》《翻弄する魔道士》があり、その見た目以上に隙がありません。
黒赤ディスカード
前述した「ドレッジヴァイン」の派生形と言えますが、こちらも現在MO上で流行中です。
《炎刃の達人》や《燃え立つ調査》など、ディスカードシナジーを重視するために単体ではあまり強くないカードも入っていますが、これらを都合よくドローできた際の爆発力は相変わらずあるので、色々と研究されているようです。
ただし数多く当たる割に5-0しているリストをあまり見ないので、RPTQに持ち込む人は少ないのでは無いかと思います。
現在はMOの5-0リストはある程度WotCが選んだ上で公開していると声明が出されているので、MOの結果を鵜呑みには出来ませんが、このような珍しいデッキが勝ったら流石に載ると思うので...ネット上にリストが無い=そこまで勝っていないと考えて問題なさそうです。
以上がGP神戸後からここまでで新しく増えた主なアーキタイプです。
それでは、ここからが本番。それらを交えて現在のMOのモダンにて活躍しているデッキリストと合わせて考えていきたいと思います。
本当はPPTQを抜けた方々のデッキ達も一緒に合わせて考えることが出来れば良かったのですが、全てを把握するのはさすがに難しいのでMOを基準に考えていきます(MORPTQに出る人もいるかも知れないしね!)
とりあえず11月1日から11月14日までの5-0リスト、MOPTQ、MO Challengeのリストをまとめてみました。
群雄割拠・・・いろんなアーキタイプがまんべんなく勝っていますね。ランダム抽出で10枚以上採用カードの違いがあるデッキを毎日5つ掲載するとのことですが、僕や身内が特に代わり映えの無い「青赤ストーム」や「親和」、「アブザンミッドレンジ」で5-0したものはここに含まれておらず、ある程度独特なデッキを優先して選んでいるんじゃないのかなとは思いますね。
正直なところ、5-0リストはまとめる前からそれほど参考にはならないだろうなと思っていましたが、とりあえずこれらを例によって3つに分けてみましょう。
「受け」デッキがわずか4に対して「押し付け」デッキはなんと50!「中間」と位置付けたデッキも11と、「押し付け」に比べれば決して多くはありません。
やはりモダンリーグは「押し付け」デッキが勝ちやすいという定説は間違い無い様に思いますね。
一番勝っているデッキも「5C人間」「白黒エルドラージ」「青赤ストーム」とどれも強い動きを押し付けるタイプのデッキですね(※「白黒エルドラージ」は中間に位置付けてもいいかなと思いましたが、他のミッドレンジデッキよりもブン回るパターンがあるので押し付けに分類しました)。
さらに「トロン」という枠で見ると、10個のデッキが入賞しており、「アミュレットタイタン」や「タイタンシフト」まで含めると土地を中心としたデッキが勝ってるということも分かります。
それでは、次にモダンリーグよりも回戦数の多いMOPTQとMO Challengeを合わせたリストを見てみましょう。
(※そういえば疑問に思う方もいると思うので一応書いておきますと、「ランタンコントロール」は名前とは裏腹に間違い無く「押し付け」デッキだと思っています。)
これは正真正銘、長丁場において「勝ったリスト」なので、さらに分かりやすいですね!
一番勝っているリストは「青赤ストーム」、次点で「5C人間」・・・MO5-0リストと同じ結果なので、間違い無くこの2つは現在のMOでトップメタと言って差し支えないでしょう。こうみるとMO5-0リストも、案外信用してもいいのではと思ってきますね。
さて、このリストを見て何か違和感があるでしょうか?
「押し付け」デッキが全体で62個に対して、「受け」が16個・「中間」が18個と、MO5-0リストと比べて突然「受け」デッキと「中間」デッキの比率が増えているのです。
MO5-0リストの「受け」デッキと「中間」デッキを合計したものが全体の23%程度だったのに対して、PTQとChallengeの結果では37%まで増えていますね。
5-0リストではほとんど見なかった「青白コントロール」と「トリココントロール」が合計12人も入賞しているのは、実に興味深いです。
これはGP神戸のところでも少し触れましたが、中級者~上級者は回戦数の多い大会やプロツアーの参加権利がかかった大会では、デッキパワーよりも自身のプレイヤースキルで戦う類のデッキを選択しがちだ、という事実を反映していると考えられます。
大きい大会では5-0よりも上を目指さないといけないので、となればブン回り重視よりもなるべく事故りにくいデッキ・理論上全てのデッキと渡り合えるデッキ=受けるデッキ、所謂「丸い」デッキを選択するプレイヤーが増えるものだと考えられます。これを見て、心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
同時に、一度MO Challengeを優勝こそしていますが、やはり「受ける」という戦術を主としたデッキはなかなか勝ちきれないという残酷な事実もデータから見えてきました。
さて、長々と書いてきましたがここまでをまとめると
・MOでのトップメタは「青赤ストーム」と「5C人間」
・RPTQなどの回戦数の多い大会や権利がかかった大会は「受ける」ことを主戦術とするデッキを選択するプレイヤーが増える
・それでもなお「押し付ける」戦い方のデッキ、特に殴り勝ちするプランも併せ持った土地関係のコンボが勝ち組である
となります。これらの事実から、だんだんメタゲームが分かってきたような気がします。
あとはオンラインとリアルにどれほどの差があるかなのですが(例えばMOでは「献身のドルイドコンボ」は無限に入ってからの手順が煩わしくクリックミスで負けてしまうようなこともあって、リアルほど流行らない)、国内では大きい大会がほとんどないので、SCGの大会で勝ったリストをまとめてみました。
オンライン上ではほとんど話題に上がらなかった「親和」がダントツの勝ち組ですね。
入賞12回で内1回優勝という事実から、過度に対策されなければモダンでもトップクラスに強いデッキであり、同時にこのタイミング(そして現在も)は全体的にアーティファクト対策が薄かったのでは無いかと思います。
続いての勝ち組は7回入賞の「青赤ストーム」と「エルドラージトロン」ですね。
MO上でも勝っているデッキなので、この2つは様々なアーキタイプの存在するモダンでも頭一つ抜けているデッキだと認定してしまって良いような気がします。
さらにMO上で勝っている「5C人間」も直近二回の大会で2回優勝という、決して無視出来ない結果になっていますね。
勝ち組はやはり「押し付け」デッキ。しかしその次に多い6回入賞のデッキを見てみると「トリココントロール」「献身のドルイドコンボ」「グリクシス死の影」というまさに中級者~上級者の好む安定志向のデッキが3つランクイン。
やはり大きい大会になると、これらの所謂フェアデッキとの対戦も意識する必要があると言えますね。
他に特徴的なのは《集合した中隊》を使うデッキが、多くドレッジなどの墓地を使うデッキはほぼ0といったところでしょうか。
これらの結果により墓地対策が手薄になった状態で、つい最近MOPTQをドレッジが優勝しているので、逆にドレッジは意識されてしまう流れになってしまいましたね。
やはり全体の70%が「押し付け」デッキなので、やはりモダンはよほどの理由がない限り「押し付ける」戦い方をするコンボやビートといったデッキを使った方が良さそうです。
その次に5回入賞と勝ち越しているのが、ほとんどオンラインでは見かけない「青緑感染」というのも驚きですが、これは上位の「青赤ストーム」や「エルドラージトロン」のような自分より遅いデッキを食い物にしてきたのではないかと予想されます。立ち位置的に悪く無いデッキなのかも知れませんね。
SCGとオンライン、2つのリストを見比べると「白黒エルドラージ」はリアル、オンライン共に一定数いるようです。
というわけで当初の予定よりもだいぶ長くなってしまいましたが(1000文字くらいで終わるはずだったのに・・・笑)、さらにこれらをまとめると
・「青赤ストーム」はオンライン、リアルともに間違いなくトップメタ
・短期間に勝ち過ぎているので人間デッキも一定数いると予想される
・人間デッキの影響でアドグレイスのような遅めのコンボデッキは駆逐された
・親和(アーティファクト)対策は絶対にしっかり取るべき
・墓地利用デッキはほとんど勝っていなかったが、直前のMOPTQを優勝したため意識される流れになった(依然手薄かもしれません)
・大きい大会はやはり中速のデッキも増える
・土地絡みのコンボも忘れてはいけない
これらを踏まえてGP神戸の段落と同じように一回は当たりそうなデッキをまとめると
・青赤ストーム
・5C人間
・青白コントロール(トリココン含む)
・エルドラージトロンやタイタンシフトの土地絡みデッキ
・親和
・献身のドルイドコンボ
・白黒エルドラージ
となりました。最後に、タイトルにもあるように「RPTQで使用するべきデッキ」を僕なりに考察すると・・・
・普段ほとんどモダンをやらない人
タイタンシフト
エルドラージトロン
この2つは押し付けるデッキの中でも入賞回数や客観的に見た全体への相性が良いマッチが多く、その上で考えることもあまりない直線的なデッキなので、モダンを普段プレイしない人は絶対にこの2つのどちらかを選択するべき!
ドレッジのようなデッキにも割とうまく立ち回れる、優秀なアーキタイプです。
・押し付けるデッキを選択したい人
ジャンド死の影(4C、5Cを含む)
ランタンコントロール
エルドラージトロン
「青赤ストーム」、「親和」、「5C人間」を意識した場合、それらにうまく立ち回れるデッキを考えたら「ジャンド死の影」が浮上してきました。押し付けデッキの中でもサイドボードを柔軟にすることが出来るのが特徴的なので、アーティファクト対策・《大爆発の魔導士》・追加の《ヴェールのリリアナ》などを多めに採用することによって、かなりうまく立ち回れるのではないでしょうか。
押し付けるデッキにはカテゴライズしていますが、サイド後はコントロール風に立ち回ることも出来るのは良いですね。
また、いつだってメタ外のデッキにハンデス+《タルモゴイフ》は心強いプランです。
「ランタンコントロール」はメタ上位にはそこまで相性が良くないのですが、それらを喰うであろう《死の影》デッキやその次に勝っているアーキタイプ群に有利に立ち回れるので、メタゲームが半歩先に行っていた場合に勝ち組となる可能性は大いにあります。
「親和」が意識され、アーティファクト対策が《石のような静寂》では無く《コラガンの命令》や《古えの遺恨》などの直接破壊系が流行る可能性が高いので、サイド後も比較的マシなのではないでしょうか。
2回目の紹介の「エルドラージトロン」ですが、とにかく引きが噛み合う所謂「その日の人」だった場合間違いなく最強のデッキです。
2T目にハンデスしながら出てくる4/4は、モダンという環境ではあまりにも壊れた動きです。
モダン上級者であっても迷っているならこのデッキを使うべきです。
特にMMM第20回で入賞しているヤスダさんのリストは《解放された者、カーン》をメインから4枚投入していてトロンデッキの強みである3T目カーンというドブンパターンも持っていることから、ミラーマッチも意識されていて非常に良いものだと思います。
・それでも「中間」や「受ける」デッキを選択したい
アブザンミッドレンジ
土地コンボだけは苦手ですが、それ以外のデッキにはうまく立ち回れます。
後ろ向きなデッキの中でも「青赤ストーム」にうまく立ち回れ、「5C人間」や「親和」にも《致命的な一押し》と《流刑への道》《未練ある魂》で耐性があります。サイド後は土地を攻めることも出来ますね。また前述したとおり、ハンデス+タルモゴイフ(このデッキではさらに《残忍な剥ぎ取り》)は多くのメタ外のデッキに対して強く、グリクシス死の影やトリココントロールのようなほかの受けるデッキよりも優先して選択する理由になると考えます。
白黒エルドラージ
今まで「押し付ける」ところにカテゴライズしていましたが、前段で紹介したデッキと比べるとコントロールっぽく立ち回れたりもするデッキでもあるので、ここではあえてこちら側に分類しました。
ハンデスあり、除去あり、クロックありと理論上どんなデッキにも勝てるので、相手の行動にリアクションしつつドブンパターンも併せ持つデッキが使いたい!という人にはこのデッキがオススメです。
エルドラージトロンと比べると出来ることが多い分、同時に考えることが多いので、使い慣れていなければ選択しない方が無難です。
・使うべきでは無いデッキ
グリクシス死の影
青赤ストーム
この2種類はあなたが「このデッキのマスタークラスだ」と言い切れるほど、よほど自身が無い限り使うべきではないでしょう。いわゆるデッキ勝ちは出来ない、厳しい立場のデッキだと予想されます。
「グリクシス死の影」はより遅い青白系コントロールのようなデッキから見ると、どっちつかずの中途半端なデッキに見えるでしょう。
2T目《黄金牙、タシグル》などのブン周りパターンもあるのですが「5C人間」の《反射魔導士》で簡単に対処されたり、その他のトップメタのデッキ達にもそこまで有利ではありません。
またハンデス+《タルモゴイフ》が無いので、メタ外のデッキに当たった場合非常に難しい選択肢を迫られるデッキです。
よほど回し慣れているプレイヤーで無い限り使うべきでは無いでしょう。
「青赤ストーム」は勝ち過ぎてしまっているため、サイド後に地獄を見ることが予想出来ます。
ただデッキパワーはモダンでも頭一つ抜けているので、対策の上からでも勝てる自信のあるプレイヤーは選択してもいいでしょう。
というわけで、僕なら
・ジャンド死の影(4C、5Cを含む)
・エルドラージトロン
・ランタンコントロール
・アブザンミッドレンジ
この中から決めますね。
「押し付ける」「使い慣れた」デッキというセオリーと照らし合わせると「ジャンド死の影」になりますが、「最近回してるし・・・」という情も合わさった結果「アブザンミッドレンジ」を選択しそうです(笑)
ということで、最後の最後でオススメのデッキリストを載せて終わりにしたいと思います。
4C死の影
エルドラージトロン
ランタンコントロール
アブザンミッドレンジ
なお、偉そうにダラダラ書いてきましたが結局のところモダンは使い込んだデッキをそのまま使用する人も多いので、蓋を開けてみたらメタゲーム全然ちゃうやんけ!ということも予想出来ます(笑)
鵜呑みにしないで、ここに載せたデータをあくまで参考にしつつデッキを決めてもらえたらと・・・その手助けになれたのであれば幸いです!
なお筆者はPPTQで何度か決勝まで行くも勝ちきれず、結局抜けることが出来なくてRPTQに参加する権利すら持っていない模様・・・ここまで書いてきたのに説得力ねーーー!涙
それでは、今週末皆様に良い結果が訪れますように。