BIGs 藤本岳大のはまちのプレイマナー講座 リマスター


はじめに


 


マジックプレイヤーは紳士たれ。


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(新学期の校長のあいさつ的なやつです。長尺のわりに中身無いので読み飛ばして次の章へ行くのをおすすめします。読むと60秒損こきます。)


皆様、お久しぶりです。そうでない方ははじめまして。
前回のマナー講座から約8年。その間にはコロナ禍もあり、MTG Arenaも始まりました。
客層も少し変化したり、嬉しいことに新規のプレイヤーも徐々に増えてきている気もします。


この記事を公開した時、もっと叩かれるかなと思いましたが「俺無意識にこれやってたわ、気を付けよう」みたいな人が結構いておおむね好評で驚いた覚えがあります。


ただ、8年前にはなかったカードを資産とみる文化、上位賞で配られる賞品が高額化しているなど、TCGを取り巻く環境が大きく変わったのでもはやこの記事は古いかもしれません。
とりあえず加筆修正という形で対応していますが、またいずれ令和版として何か書こうかなと思います。


なお、今回は総集編なので文中で出てくる「最近」は8年ほど前の話なので、令和になってからはあまりないこともあると思います。あらかじめご了承下さい。
コンプライアンスにうるさい世の中ですが果たして今出して大丈夫なんでしょうか。
炎上したら逃げます。


昔読んだことある人も懐かしいなと思って目を通してもらえると嬉しいです。
勝っても負けても楽しめる環境の方がみんな気持ちがいいよねっていう話です。
今このタイミングでこの記事を引っ張り出してきたってことはそういうあれです。


前置きが長くなったけど、いまだにお前らのプレイ態度が改善されないのではっきり書くことにした。


 


最近のマジック界隈において、プレイヤーが増えたというのもあってか全体的に「プレイマナーの質の低下」がみられます。
...あくまで僕個人の体感ではありますが。
もしかしたら、あなたのプレイ態度も誰かを傷つけているかもしれません。


せっかくの休日に大会に出るのに「あいつと対戦するのは嫌だ」とか「もうあの店で大会出たくない」とか...そんなことをお互いに思って、不快な気分で家に帰るのはもったいないですよね。


 


ところで「そもそもはまちと対戦したことあるけど、お前のプレイ態度こそあまりよくない」と思ったあなた。
僕だって人間なので、正直なところ苦手な人はいます。そうなると、やはり態度にもあらわれてしまいます。


僕もなるべく態度には出さないつもりでいますが、やはり多少はにじみ出てしまいます。
つまり、僕のプレイ態度が悪いと思った人は...僕に苦手に思われている可能性があるかと思います。
本当のMTGが何かはわかりませんが、本当にやばいやつはすぐわかります。


では、人はどういう場面で相手のことを苦手になっていくのでしょうか。
今回は僕が長年の大会参加経験で感じた、トラブルの種になりそうな場面を書いていきたいと思います。


 


1.「宣言ははっきり言おう」


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このゲームは対人ゲームなので、コミュニケーションを取ろうとしない人はハッキリ言って向いていないです。
コミュニケーションのコツはいろいろありますが、今回は2つ紹介します。


 
①今がいつなのか明確にする


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アップキープなのか、ドローしてメインフェイズに入る前なのか、戦闘フェイズに入って攻撃宣言前なのか、ブロッククリーチャー指定前なのか...プレイヤーが優先権を得るタイミングは山ほどあります。
自分が何か宣言するときには、一体今がいつなのかを明確に宣言しましょう。


 
②自分と対戦相手のライフがちゃんとあっているか確認する


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戦闘で何点のダメージを受けて残ライフが何点なのか、呪文を唱えるときにダメージランドでライフが減りました、などライフの情報はお互い共有するべきものなので、明確に宣言しましょう。


対戦相手とは一切会話したくないけどマジックがしたい、という方はMagic OnlineもしくはMTG Arenaをプレイする方がお互いにとって建設的かと思います。


 


2.「不必要に「きつい」とか「厳しい」とか言わない」


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手札に対処方法があるにもかかわらず、相手がプレイした虎の子のカードに対して「きっつ~。ターンもらいます、メインで除去します」と口にする人が結構います。
もうね、こっちのほうがよっぽどきついわ!って感じです。言われた方の身にもなってみましょう。


せっかく出したカードが「きつい」と言われて、ということはもしかして逆転できるのでは?という淡い思いが一瞬で芽を摘まれたら...それはもう、ただの煽りですよね。
「きついって言いながら即座に除去されてさ~」と後で噂されてしまいかねないです。こうなると、あなたも悲しいですよね。


「きつい」という気持ちになっても一旦こらえて、本当にきつい、どうしようもない場面にその言葉をとっておきましょう。


 


3.「むやみにタメ口でぐいぐいいかない」


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当たり前の話ですが、すべての対戦相手があなたの友達や後輩ではありません。
また、このゲームは部活でも仕事でもないですし、敬語を使えとかいう縦社会的な強制もありません。


ですが、対戦相手が明らかに自分より若く、年下に見えても、いきなりタメ口でしゃべるのではなく、社会的なマナーをもって対戦しましょう。
年上っていうだけで偉ぶってくるのは、コンビニやレストランの店員に偉そうな態度をとるのと大差ありません。
プレイヤーの大多数はもう大人なんやから、ちゃんとしましょ!


 


4.「大会には清潔な状態で参加する」


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夏場の大会は特に、正直なところ不潔な状態の人が散見されます。それに対して「服に臭いついてるから買い替えろ」「ちゃんと風呂に入ってから来い」とは心で思っていても、口では誰も言ってくれません。友達ですら言いづらいかもしれません。


対戦相手がバクテリアンを相手にしたクリリンみたいな顔をしていたら、制汗スプレーや汗拭きタオルを買うなり、綺麗な服に着替えるなりして、清潔な状態でいれるように対策をしっかりしていきましょう。


いくらなんでも「汚い」という理由でトラブルを起こすのは、誰だって嫌ですよね。


 


5.「対戦相手を馬鹿にしない」


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マジックの楽しみ方は人それぞれ。誰もが大会にその環境で有力な・流行りのデッキを持ってきているわけじゃありません。


もちろん、大会に出るからには勝ちきりたいと思うでしょう。
だからといって、必ずしもすべての参加者が同じ考えだとは思わないでください。
このカードを使いたい、このコンボを決めたいという気持ちで参加している人だっています。


「あんなデッキに負けるとは。練習にならない」みたいなことを言っている人をたまにみかけます。
ですが、別に公認大会はあなたの練習のために用意された場ではありません。
練習にならないと思うのであれば、ドロップして一人で二つのデッキをまわして対戦していればいいと思います。


プロの人でも、優勝するという目的ではなく「このカードとこのカードのシナジー。すなわちゼウス」みたいなことを言って何か新しい発見ができないかということを試すために、とんでもないデッキで大会に出るときだってあるんですよ。


 


6.「デッキは事故るもの」


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マジックというゲームは、カードをランダムにシャッフルする以上、事故というものは避けられません。
初手で土地4枚とスペル3枚をキープしたものの土地しか引かなくて負けたり、あともう1マナあれば、という場面で土地を引かず負けたりすることはよくあります。


また、リミテッドで片方の色しか出ないことや、モダンの「青単マーフォーク」ですら単色デッキにも関わらず青青のマナが捻出できないなんてのもあるあるです。
色を増やせば土地の枚数の事故に加え、色事故をするリスクも増えてしまいますね。


実際に僕はプロツアー『戦乱のゼンディカー』で土地26枚の「マルドゥ」で参加したのですが、構築ラウンドで6ゲーム連続土地3でストップして一瞬で0 -3してしまいました。
わざわざ異国の地まできて土地事故連発してドロップするのは悲しかったですが、これは仕方のないこと・マジックというゲームの宿命なので怒っても仕方ありません。


よく事故って不機嫌になる人がいますが、デッキは事故るものです。
たしかに事故るとゲームが成りたたず、決して面白くないです。
誰だって事故って負けるといい気はしません。
ですが、人間が目の前にいるのです。
世間からどう見られるのか、意識しておくにこしたことはないでしょう。


物に八つ当たり、なんてのはいくらなんでもNGですよね。
また、事故った側ではなくその対戦相手側も、考えて発言した方が良いでしょう。


昔、土地が2枚で止まって数ターンに渡って8 枚以上の手札をディスカードして負けた時、対戦相手の方に「事故ったんですか?」と聞かれたことがあります。
その場では僕も強がって「いえ、ドブンです」と発言しましたが...数年たった今でも、対戦相手が何を考えてそのような発言をしたかがわかりません。


対戦相手が事故ってゲームに勝った時は、このように無理して会話しようとせず、申し訳なさそうな顔だけ適当にしておいて、「結果これで送りますね」ってコンパニオンアプリを確認してもらうようにしましょう。
相手が茹で蛸みたいに顔真っ赤にして怒ってたら「結果報告しときますね」って言ってすぐに席を立つ、というのも無難ですね。


 


7.「勝った後に相手に手札の自慢をしない」


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「投了します。」って言いながら手札を見せてくれる人がいますが、そういう時はだいたい土地しかないか、土地がなくて何も唱えられないかですし、そもそもゲームに負けているので問題ないと思います。


で、タチが悪いのが勝った後に「まだこんなスペル余ってるんで、余裕で勝ってますけど」みたいな顔で手札見せてくる人です。
ひどい人になると、ゲーム中に突然相手に手札見せて「もう絶対負けないんで、投了してもらっていいですか?」って言いだしたります。


まあ実際勝っているんですけども...これは格闘ゲームでいう「死体蹴り」ってやつですね。不快にならない人の方が少ない、というのを覚えておいてください。
対戦相手から「最後の場面、除去持ってました?」とか言われない限り、勝った側が手札を見せる必要はないでしょう。余裕で勝ちましたよっていう、ただの煽り行為にしか見えませんから。


 


8.「貴重な・高価なスリーブは観賞用に」


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僕はまだ言われたことないのですが、周りに「大事なスリーブが痛むので、そのシャッフルはやめてもらえませんか?簡単なカットにしてもらえませんか?」と言われた人が何人かいます。
マジックには、シャッフルをしっかりしてデッキ内のカードの偏りを無作為化しようというルールがあります。
つまり、シャッフルをきちんとすることはプレイヤーの義務であるわけです。


「僕積み込んでいるんで、そのシャッフルされると順番かわるのでやめてもらっていいですか?」というのと、言ってることは大差がないレベルになってしまいます。


好きなキャラのスリーブが傷むのは嫌だという人は、実戦におけるキャラスリ使用は避けたほうがいいです。
そして、スリーブはあくまで消耗品ですので、ある程度傷んだらおとなしく買い替えましょう。


 


9.「観戦中にリアクションを取らない」


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大会中に他人のゲームを観戦するのは自由な場合が多いです。
僕も観戦することはありますが、ここで大事なことを一つ。
観戦中に、プレイヤーが引いたカードがわかるようなリアクションをとらないようにしましょう。


スペルを引かないと厳しい場面でドローが土地だった場合に、引いてないのがすぐ顔に出てる人もいますし、土地の時点ですぐ立ち去る人もいます。
また引いたカードを小声(本人はそのつもり)で言っているのも、シーンとした会場では結構声が響いて対戦相手にばれてしまうことがあります。


例えば相手が《大牙勢団の総長、脂牙》を引いたときとか《瞬唱の魔道士》を引いたとき、墓地に目をやったりしてなんとなくばれるときありますよね。
あれをギャラリーがやると油断してる分、さらに墓地が遠い分大きい動きになるので余計目立ちます。


ギャラリーのリアクションで相手の手札を読むのは、もはやマジックではないので...なるべくゲームが決まるその瞬間まで、リアクションをとらないようにしましょう。


 


10.「女性に不必要な口撃をしない」


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昔に比べ、最近ではちょくちょく女性プレイヤーも見かけるようになりました。
ですが、あからさまに女性に対しての態度が男性へのそれと違うのはどうなんでしょう?


試合後に「学生ですか?」「危ないから駅まで送るよ」とかいちいち言う必要ありますか?
その人たちもきっとカードゲームをしにその場所に来てるわけで、チヤホヤされたり、出会いを求めてるわけではないと思います。


っていうかどこのだれかも知らんオタクに駅まで送られても怖いし、一緒に歩いてると恥ずかしいやろ。
誰かに見られたりでもしたらかわいそうやと思わん?


デュエルスペースや大会会場は出会いの場ではありません。どうしても異性と遊びたいのであれば相席居酒屋とか、最近カードゲームができるメイド喫茶やバーもあるので、そちらに行ってみてはいかがでしょう。


 


11.フリープレイを断られても怒らない


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試合後に、負けた人が「フリープレイをしませんか?」と言われる時があります(不思議と勝った人からはあまり言わない)。


大抵の場合、練習がしたいという理由なのでこちらもちょうど練習したいなと思っていればそのままゲームをすると思うのですが(もちろん時間が無い時やほかにやることがある場合断るときもあると思います)、まれに「今の事故は納得いかないので」みたいな理由でフリープレイしましょう!みたいな人がいます。


そいつのデッキがまわろうがまわるまいが知ったこっちゃないのですが、対戦相手はあなたの不満に付き合ってくれる友達ではありません。
フリープレイを断られたら大会が終わってから家に帰った後、納得いくまで一人回しをしましょう。


優しい人ならフリープレイに付き合ってくれるかもしれませんが、内心は馬鹿にしてます。


 


12.揚げ足をとらない


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思考囲い》などで、ハンドを公開した際に、抜くカードが一択だったりしてとりあえず指定してから手札をメモする場合があると思います。
もう捨てるカード指定したからそのカードの効果終了お疲れちゃんだと思ったのか、「もう指定したからメモできませーん」みたいなことを言う人がいるみたいですが・・・マジックはずるい人が勝つゲームではありません。


ジャッジを呼べばメモできるという裁定が出るので、良いカードを捨てさせられて悔しいでしょうけどおとなしく静かにしておきましょう。
メモを取る素振りがなければ、「(公開もう)いいですか?」って確認を取りながら手札を手元に戻すほうが良いでしょう。


思考囲い》などで手札の内容を全てメモしてから、その後捨てるカードを選ぶ人もいると思います。
それに対して「捨てるカードまでメモるのは時間の無駄」と思う人もいるかもしれませんが、カード1枚多くメモするのはたかが2秒くらいですし、メモしながら捨てるカードを考えたりするので、そんなに神経質にならなくてもいいのではと思います。


どうせヤカるなら「フェッチから《思考囲い》撃ってライフ15です」って言われたときに「じゃあもう2点くらったし、呪文解決してるから見せませーんwwwwww」くらいぶっとびましょう。そして裁かれてください。


同様に《ギタクシア派の調査》で、唱えてから先にドローしたから見せないとか言いがかりをつけるのもナンセンスです。


 


13.ジャッジの裁定にごねない


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ジャッジはいろいろな裁定を出しますが、大体の人はそれを素直に受け入れています。
ですが、シャッフル方法に出された裁定に関しては「納得がいかない」とジャッジに言ってるのをよく見ます。
ジャッジがシャッフルに関して裁定を出すときは数回シャッフルを見て、違反している確証を得てから裁定を出しているので、納得がいかなくてもおおむねそれが正しいです。


DQ(失格)など重い処分が出た場合、自分のシャッフル方法が悪いと自覚していなければ納得が出来ないと思いますが、違反は違反です。
納得がいかないときは、「でも...」ではなく、どこが間違っていて、どのようなシャッフルをすればよかったのかを聞くようにしましょう。


僕はジャッジじゃないのでわかりませんけど、彼ら彼女らが私怨や気まぐれで裁定を出すことはないと信じています。
勿論、シャッフルに限らず他の裁定も同様です。


 


いかがだったでしょうか。
これ、自分にあてはまるなぁと思った方。今ならまだ間に合います!
もう大人なんやから、感情のままを態度にあらわすのはやめましょう。


誤解がないように一応言っておきますが、この記事は特定の個人を叩く意図はなく、SNSや大会などの様子を見たり、いろいろな人から耳にしたことを、僕なりの解釈で勝手に書いています。


「俺のことやんけ!」って思うなら、僕にどうこう言う前に態度を改めた方がいいと思いますよ(つまり誰か知らんけど文句は言わないでね❤ってこと)。


 
この記事へのご意見も待ってます。
出来るならこういう記事は書きたくないので、今回が最終回となることを祈ります。
それでは快適なマジック環境をこの日本に作るために、みんなも綺麗なジャイアンを目指しましょう


たくさんの応援ありがとうございました、はまち先生の次回作にご期待ください。


 


 


昔こんな記事も書いてるので、よろしければこちらもどうぞ。


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