お久しぶりです、はまちです。年に一回のペースで連載している「赤単をもっと流行らそう」企画がやってまいりました。
いきなりなんですが正直今のメタゲームで赤単が勝つのは結構難しいです。デッキは強いんだけども「君達ライフゲインしすぎじゃない?」ってよく思うので、内心は使うならグランプリ・静岡じゃなくThe Finalsの方がフィールドは良さそうやけど...って思っていますが、もちろん先にも触れた通りデッキパワー自体はあるので赤単を使おうと思ってる人は一定数いるでしょうし簡単なガイドを書いてみようと思います。
いつも開幕でだらだら前置きを書いていると「いらん蛇足が多くて鬱陶しい」っていう冷たいアイスコーヒーみたいなファッキンな日本語でのクレームを見たので、早速本題に入ります。
今回は新たな試みとして最後に実際に回している動画を付けておきました。
とりあえずデッキをこねくりまわした結果、現在のリストはこんな感じになりました。
デッキ解説
正直な話メインボードの56枚くらいは説明不要だと思います。ほぼテンプレ。
もはや微調整できるのは《溶岩コイル》、《再燃するフェニックス》、《魔術師の稲妻》くらいではないでしょうか。
《溶岩コイル》は痒いところに手が届く除去でイゼットのドレイク達(追放できるとはいえ経験上《孤高のフェニックス》には撃たない方が良い場合が多いです)、《不和のトロスターニ》、《再燃するフェニックス》、《敬慕されるロクソドン》、《破滅の龍、ニコル・ボーラス》、《大嵐のジン》など案外タフネス4はいっぱいいます。
《魔術師の稲妻》は1マナで打てるときも結構あり、超絶ぶん回った時の3点の爽快感は素晴らしいですが、それ以上に3マナでしか打てない時の不快指数が半端ないので3枚に抑えてあります。フェニックスは中盤以降にうっかり引いた時強いので1枚。
で、サイドボードですね。
2《溶岩コイル》
必須カード。別にメイン1サイド3でも良いと思いますが75枚のうちに4枚は必ず入れたい。まぁ用途はさっき書いた通りですが、サイド後を考えるなら最近人気の《打ち壊すブロントドン》もいちころよ。
2《焦熱の連続砲撃》
白ウイニー用。引けなくても有利ですが引けばほぼ勝ちます。セレズニアトークンに入れるとエンドに《大集団の行進》から《征服者の誇り》って動かれても即死は免れます。
2《火による戦い》
打倒《黎明をもたらす者ライラ》。打倒《正義の模範、オレリア》。《宝物の地図》と《実験の狂乱》があると結構キッカーで打てます。
2《軍勢の戦親分》
《轟音のクラリオン》や、ゴルガリの《黄金の死》や《煤の儀式》の返しに出したいカード。
ただしゴルガリ相手の後手は本当に何もしないので入れたらダメ。
1《再燃するフェニックス》
飛行が止まらない相手には本当に強い。飛行が入っているデッキにも強い。
メインボードに入れるとビートダウンプランなのに6枚目の4マナ圏になってしまいちょっと重いのでサイドにまわしているのですが、サイドボードであればもう1枚追加してもいいくらいです。
《封じ込め》や《ドミナリアの英雄、テフェリー》のマイナス能力、《イクサランの束縛》や、《議事会の裁き》、《ヴラスカの侮辱》を撃たれたら自分の手札の火力をフェニックスに撃ってかわすのを忘れずに。
1《ヴァンスの爆破砲》
5枚目の《実験の狂乱》。《実験の狂乱》が《イクサランの束縛》でどこかへいってしまっても貼れます。
あと《実験の狂乱》が場に出ている時も追放したカードは「手札から」ではないので唱えられるのでご安心を。
あ、ただ僕がこのカード好きなだけなので同じように好きでない限りは《再燃するフェニックス》でいいですよ。
2《苦悩火》
だいたい2枚のうち1枚はライラかテフェリーに撃つので2枚は欲しいです。
2《宝物の地図》
4のレシピもたまに見ますけどどんどん減っていきました。弱くはないのですがサイドの枠とりすぎるし、直接の勝因になることは少ないので。先手の時に入れる相手なんてミラーマッチとジェスカイくらいやし。後手は結構いろんな相手に入れるので3枚目の検討もあり。
《火による戦い》や《苦悩火》が輝くためのマナブーストとしても優秀。
1《山》
追加の《山》。サイド後は重くなるので。
マリガン基準
基本的に土地1枚のハンドと土地5枚以上のハンドはどんなことがあってもマリガン推奨。
マリガン後の土地1は先手後手をふまえたり手札と応相談。が、8割ダブマリ。
相手のデッキが分からない状態でのクリーチャーなしの手札はマリガンした方が良い。
4ターン目までに初手の火力を使い切れて《実験の狂乱》を4ターン目に貼れるならキープしても良いが、おおむね1ターン目から《ショック》を本体に撃つことになるためカウンターが入ってるデッキにはほぼ負けになってしまうのでオススメはしません。
各デッキ相手の簡単なアドバイス。
今回はサイドボードのin outについては省くので、各デッキ相手の簡単な立ち回り方を書いていきたいと思います。
どの環境でもだいたいそうですが、赤単は1枚1枚のカードはそこまで強くないので細かい考えが結構大事です。
が、目指すゴールはいたって簡単で、クリーチャーを出して除去って殴って本体に火力。もしくは《遁走する蒸気族》から《実験の狂乱》で宇宙の2つです。
VS ゴルガリ
《野茂み歩き》が序盤に3/5を超えてくるとほぼ詰みなのでとにかくこいつが場に残るかどうかでメインをとれるかどうかがかわります。というわけで出てこないのを祈りましょう。
《狂信的扇動者》は相手の3ターン目の前は殴らずにターンエンドするのもポイントです。
《翡翠光のレインジャー》の能力スタックで1点を撃ち込んでやりましょう。
サイド後は《黄金の死》があるので、先手時の初手が《ギトゥの溶岩走り》、《ヴィーアシーノの紅蓮術師》、《遁走する蒸気族》、《稲妻の一撃》、《山》×3みたいな手札が来た場合、1ターン目に溶岩走りを出さずに3ターン目に2アクションをして蒸気族を3/3にしておくのがコツ。
後手はまともに闘っても削れないので溶岩走りとかヴィアシーノを抜いて重めの構成がおすすめ。
VS イゼット
メインはカウンターもほぼ無くて、ピン除去の束で基本的に複数交換取られるのはサイド後の《焦熱の連続砲撃》くらい。
《溶岩コイル》は各種ドレイクのために温存しておくのが大事ですけど、《ゴブリンの電術師》が2ターン目に出てきて除去が《溶岩コイル》しかない場合は仕方なく撃った方がいいと思います。
サイドボード後も慣れてくると勝てます。《弧光のフェニックス》はだいたい無視。《ショック》を引いていたら撃ってもいいんじゃないかなくらいの印象。
蒸気族が大きくなって止まらない勝ちパターンもあるのですが、サイド後は本当に一瞬で死ぬので抜いたほうがいい派。
一見相手のクリーチャーがすべて止まる《再燃するフェニックス》をサイドインしたくなりますが、相手にも《溶岩コイル》が入っているのでそこまで信頼度は高くないです。なので後手の時は抜くのもあり。
負けパターンはドレイクに《溶岩コイル》を《潜水》されてそのまま2パン。
VS ジェスカイ
メインは相手に何もないのを祈るくらいしかないので特に何も考えないまま終わります。
《轟音のクラリオン》が強いので相手の《残骸の漂着》がサイド後も多くて2枚ほどと減っているのですが、《実験の狂乱》を置くと土地はあればあるほど嬉しいので相手の残りライフによりますがフェニックスと《軍勢の戦親分》以外は全力で喰らいに行って大丈夫です。なかったらラッキーあっても別に大丈夫。
クラリオンの返しに《軍勢の戦親分》を出すと有利にゲームが進みますが《封じ込め》されたら寂しいので「一生殴らずに1/1を出すエンチャント」だと思っても結構です。相手が2マナしかなくて《封じ込め》されたら《実験の狂乱》が通るときは殴っても大丈夫です。ただ相手のライフが多いとスルーされて狂乱も出せず、エンドに封じ込めされるだけなので臨機応変に。
《イクサランの束縛》を見た場合手札に来た時にストレスが貯まらないように1枚狂乱をサイドアウトするのもありっちゃあり。あと《実験の狂乱》で《実験の狂乱》がめくれた時《浄化の輝き》でどっちもどっかいかないように出さないのも一つのプラン。
サイド後はロングゲームになるので時間配分に注意。《ドミナリアの英雄、テフェリー》も相手も倒せそうになければさっさと次のゲームに入るのも大事。
VS 白ウイニー
相性がいいので特に書くこともない。負けパターンは《ベナリア史》を連打されること。メインボードで3ターン目4ターン目に《ベナリア史》を貼られたゲームはほぼ負けてる気がする。
他のデッキでよく聞くアダントが止まらないという現象も、鎖回しが5点もっていくし《狂信的扇動者》を立たせておけば殴って来ないと思うけど、8点持ってくので全然怖くない。
とにかく《ゴブリンの鎖回し》が能力、攻守すべてにおいて強い。《議事会の裁き》や《敬慕されるロクソドン》があるので相手のクリーチャーキャストにスタックでちょっと考えた方が良い場合がたまに発生します。サイドから《黎明をもたらす者ライラ》か《正義の模範、オレリア》が出てくるなら《火による戦い》を1枚くらいとってもいいかも。
VS 赤単
《遁走する蒸気族》と《実験の狂乱》ゲー。フェニックスのために《溶岩コイル》は温存したいところ。
後手の蒸気族は返しで鎖回された時に寂しすぎるので2ターン目はなるべく出さずに3ターン目に2アクションで2/2にした方が良いかも。相手の《遁走する蒸気族》は優先して除去すべし。
がんばって《実験の狂乱》引いてください。
VS セレズニア
《焦熱の連続砲撃》次第。《大集団の行進》次第。基本的に《再燃するフェニックス》もとまらないので鎖回しでいっぱい壊滅できたら勝機あり。たまにうっかり出てくる《豊潤の声、シャライ》とライラには注意。《溶岩コイル》抜き過ぎたらシャライ倒せません。
緑黒からも出てくるフェロックスは鎖回し2体でブロックしよう。
VS 青単
白ウイニーよりも相性がいいデッキ。リュウジいわく「青単側の勝ちパターンは《大嵐のジン》が残ること」だけ。
まぁマジックなんでたまには負けることもあるので過信は禁物。
《実験の狂乱》をめぐるあれこれ
さて、このカードは能力が特殊過ぎていろいろな局面でややこしかったりします。
そんな中で皆さんが一番気になるところは、「狂乱を出す前に土地を置いた方が良いのか否か」というところだと思います。
僕は計算が苦手なので完全に経験とフィーリングですけど、だいたい6マナ目までなら土地を置いてからプレイした方が良い気がします。
また、狂乱が手札にない時でも狂乱を引いてきた場合に備え、手札の1枚が土地でも素直に置いた方がいいです。除去持っているふりなんかしなくてもいいです。狂乱を引いてきた時の効率が悪くなります。
次は《実験の狂乱》で《実験の狂乱》が捲れた場合です。
膨大なマナがある場合はもちろん唱えると思いますが、もし残り4マナで勝つこのターンは既に土地を置いていた場合、果たして唱えるのが正解なのでしょうか。
どうせこのターンは出してエンドになってしまうので、どうしても引きたいカードがある場合は次のトップになって手札に来てしまう可能性がある...のでおそらく唱えない方が良いと思います。
例外として《イクサランの束縛》や《議事会の裁き》、《ビビアン・リード》がある相手には唱えてしまって問題ないです。《暗殺者の戦利品》の場合は土地を持ってくる能力はmayなのでそのままシャッフルせず次のターン狂乱を唱えましょう。
重ねて貼った場合
サイド後のコントロールプランに移る場合、よく狂乱を2枚貼りして手札に強いカード貯まる場合があります。盤面とライフと手札差を考え、頃合いを見てターンエンドに1枚割るようにしましょう。どうせ途中で山山ってめくれてマナが余るタイミングはあります。相手がエンチャント破壊を持ってそうな時はこんなことしなくていいですが、最後に割って手札から《苦悩火》や《火による戦い》キッカーなどの呪文を唱える時に微妙にマナが足らない時があるので調整は大事。
あとはマナを使い切ってやることがなくてもアップキープに必ずトップを見るようにして、インスタントがあれば極力唱えるようにしましょう。ドローしてしまうと1枚損してしまいます。
実践編
今回の記事は以上になります。
GPで赤単を使おうと思っている人の勝率がちょっとでも上がってくれると嬉しいです。
是非トップ8プロフィールに「はまちの記事のおかげです」とか書いていただきたいものです。
もしこの記事で何かわからないことや疑問があれば、僕はグランプリ会場のインフォメーションブースで木曜日から日曜まで働いているので(業務優先にはなってしまいますが)直接聞きに来てくれると何か力になれるかもしれません。
もしくはTwitterで「はまち 記事」とかでエゴサするので良かったとかここがダメとか書いてもらえると次回の記事の参考になります。
各デッキの立ち回り方よりサイドのin outを書け!っていう意見が多ければ、次回は今までの形に戻そうと思います。
もしエゴサしても何も出てこなかった場合匿名掲示板にも巡回しに行きますので、何卒よろしくお願いします。
それではグランプリ・静岡でお会いましょう。