こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第86回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
白青赤《英雄たちの送り火》ドラゴン
Designed by Naganawa Yuki
ドラゴンカード、総勢15枚!
派手でいいですね。《黄金架のドラゴン》はもちろんのこと、神河のドラゴン・サイクルにより、現在のスタンダードには強力なドラゴンが多数存在します。
過去のスタンダードのトーナメントシーンを考えてもドラゴンデッキは組みやすいとは言えません。ドラゴン・クリーチャーには重いものが多く、単純に環境のスピードに追い付くのが難しいことや、ドラゴンでまとめる意味がそもそも薄いことが理由に挙げられます。
このデッキでは、ドラゴンデッキにありがちな弱点をサポートカードでカバーしているようです。
《プリズマリの命令》は2点ダメージでアグロの足を止めながら宝物でマナ加速ができ、ランプ系コントロールのコンセプトを最も力強く支えているカードに思えます。重いドラゴンを抱えながら緑も入っていないこのデッキを成立させているのは、もしかするとこのカードなのかもしれません。
《表現の反復》の強さは語るほどでもないかと思いますが、重いカードを使うデッキにとってはなおのことありがたいでしょう。例えば6マナの《渦巻く空、開璃》を唱える場合、土地6枚+《渦巻く空、開璃》1枚で合計7枚が必要なわけですから、気軽にカード・アドバンテージを稼げると、キャストのハードルが下がります。
「ドラゴンでまとめる意味」......とまで言うと言いすぎかもしれませんが、《ドラゴンの火》は強力なドラゴン用カード。青赤は高タフネスのクリーチャーや初期忠誠値の高いプレインズウォーカーの対処が得意ではないので、カラーリングの弱点をうまいことカバーしてくれそうです。
さて、ではドラゴンでまとめる意味がほかにもあるのかというと......
こんなにわかりやすく部族でまとめる価値を付加してくれるカードもありません。
3マナの《竜亀》から《燃え立つ空、軋賜》に繋ぎ、その次には《黄金架のドラゴン》、《渦巻く空、開璃》、そして最後には《ヴェロマカス・ロアホールド》と進化していきます。
しかも《燃え立つ空、軋賜》や《渦巻く空、開璃》は死亡時の誘発型能力を持つため、単純に《英雄たちの送り火》と相性が良いですね。
《肉体の裏切者、テゼレット》&《完成化した賢者、タミヨウ》
Designed by SilvergillLord in Magic Online
『神河:輝ける世界』出身のプレインズウォーカーを使った、青赤緑のプレインズウォーカー・コントロールです。
いつだってアーティファクトが大好きなテゼレット。最新版の彼の能力で最も有用なのは、アーティファクトの起動型能力を2マナ分も減らしてくれる能力でしょう。このデッキにおいては《勢団の銀行破り》が良い相方。揃えば忠誠度能力と合わせて毎ターン3枚の追加ドローとなります。
蓄積カウンターをすべて使い切れば宝物トークンが生まれるため、[ -2 ]能力で戦力に変えてやるのもいいですね。
《完成化した賢者、タミヨウ》は相手の足止めとリソースの回復を担います。倒されてしまった《肉体の裏切者、テゼレット》はもちろん、《鏡割りの寓話》を使いまわすのもいいでしょう。
そして、このデッキの要となるカードがこちら。
戦場に出たとき、クリーチャーでも土地でもないカードをデッキトップ6枚から呼び込みます。《肉体の裏切者、テゼレット》に必要なアーティファクトをサーチできることが、このデッキのアーティファクト比率を少なく抑えられている理由なのかもしれません。
黒緑氷雪マナランプ
Designed by Fuyuki Morita
3色セット『ニューカペナの街角』の加入により3色デッキは存在感を増し、特に遅いゲーム展開を望むデッキにおいては2色で組む理由が薄くなったように思います。
しかし、氷雪マナを使うデッキでは話が別であるようです。
リアニメイトがついた全体除去。......と言ってしまえばそれだけですが、やはり全体除去とフィニッシャーを一枚でこなせるのは魅力的ですね。
《蜘蛛の女王、ロルス》とのコンビネーションは当然として、このデッキではちょっと面白いカードと組み合わせています。
魂力で土地を伸ばす6/5トランプル! まあ、戦場に出たところでものすごく強いわけでもないのですが、マナを伸ばしながらフィニッシャーになれるのはデッキの構築としてきれいですよね。
クリーチャーのフィニッシャーは、《大狸》のほかには《産業のタイタン》が務めています。こちらも《雪上の血痕》で呼び戻せれば嬉しいのですが、残念ながら不可能です。
このデッキの良いところは、マナランプでありながら器用であることではないかと思います。
全体除去(《雪上の血痕》)、パーマネント除去(《古き神々への束縛》、リソース回復(《絶望招来》、《勢団の銀行破り》、《樹海の幻想家、しげ樹》、《魂転移》)と、メインデッキの時点でけっこうなんでもできます。キルターンの早いアグロだけちょっと苦手かもしれませんが、サイドボードに《選別の儀式》を用意して対処するようですね。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。