こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第80回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
多相《英雄たちの送り火》
Designed by Hori Yuta
部族を変えるだけで全く違うデッキが組める《英雄たちの送り火》、今回の部族は「多相の戦士」です。
もちろん採用しているのは"多相"能力持ちばかり。
これにより、あらゆる部族サポートカードを利用できるようになっています。
その筆頭が《厚顔の無法者、マグダ》。4枚も入っており、デッキの中心であることが伺えます。
このデッキで使えば、クリーチャーが攻撃するたびに宝物が増えると考えても大きく間違いはないでしょう。《霊気の薬瓶》も含めれば、他のモダンデッキの展開スピードにも十分ついていけると思います。《英雄たちの送り火》を使うにあたってはマナの消費量がひとつの懸念となりますので、補完的な役割を果たしています。
後半のアーティファクトサーチ能力については後述しますが、これのおかげでフィニッシャーの役目も果たせるようになっており、序盤から終盤まで活躍するエースクリーチャーです。
もう一枚の《終わりなき踊りのガリア》はサテュロスをサポートするカード。サテュロスがマイナー部族だからか、2マナの割にけっこう能力が詰め込まれています。+1/+1修正、速攻付与、ルーター能力。レアリティが違うとはいえ、《縫込み刃のスカーブ》と比べるとその差は歴然。
また、他に2マナ域には《仮面の蛮人》《不確定な船乗り》が控えています。《英雄たちの送り火》によって《自在自動機械》や《鱗粉の変わり身》から呼び出されてきます。
3マナ域は《飢餓の潮流、グリスト》と《帝国の徴募兵》。2マナのクリーチャーだけでもマナ加速、パーマネント除去、除去耐性付与と豊富な選択肢が揃っているために、3マナ域のクリーチャーはあまり散らす必要はない、ということでしょうか。《帝国の徴募兵》でサーチすることもできますし。
マナ域が飛んで7マナと8マナ。《勇敢な変わり身》はマナコスト軽減能力を持ち、これを《英雄たちの送り火》のコストにすることで《隔離するタイタン》が現れます。《厚顔の無法者、マグダ》がいれば5マナ、他にクリーチャーがいれば4マナ。《厚顔の無法者、マグダ》はデッキの中心ですし、宝物によりマナを生みだすことができるため、重くとも4枚採用されているのでしょうか。
3/3二段攻撃とそこそこパワフルなボディなので、《終わりなき踊りのガリア》で+1/+1と速攻を持たせてあげると結構な戦力になります。
さて、その《勇敢な変わり身》から現れる《隔離するタイタン》ですが、このカードを呼び出すのは《英雄たちの送り火》だけではありません。《厚顔の無法者、マグダ》の後半の能力で呼び出すことが可能です。
部族をサポートするカードは数えきれないほど存在しますし、アーティファクトを参照するカードもまた然り。考えれば考えるほどアイデアが噴き出してくるデッキコンセプトですね。
《災厄招来》コンボ
Designed by Kato Yuki
『神河:輝ける世界』で登場した《災厄招来》を使ったコンボデッキです。
どういうコンボかというと......
《災厄招来》で《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》を唱えて《高まる復讐心》でそれをコピー。《高まる復讐心》は墓地から唱えられるとコピーを二倍にする能力を持つので、対戦相手のライブラリーからマナ総量60以上になるまでカードが追放されていきます。
赤単果敢などはそもそもデッキのマナ総量合計が60に満たない場合もありますし、一部の相手はこれ一発でライブラリーが吹き飛ぶでしょう。
そうでなくとも、《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》を序盤・中盤に素でプレイすることもあるでしょうから、コンボが成立した時点で多くの場合は勝ちを狙えると思います。
《災厄招来》の良いところはインスタントであるという点。
これにより、勝ち筋はコンボによるライブラリーアウトでありながら、それまでは青赤コントロールとして闘えるよう構築されています。
例えば《対抗呪文》と《考慮》を同時に墓地からプレイすれば《謎めいた命令》のように扱うことができますし、《大魔導師の魔除け》と《プリズマリの命令》を対象にとれば大概のことはなんとかなってしまいそうです。
通常のコントロールデッキの《謎めいた命令》の枠に入りながら勝利手段になると考えれば、なかなか優秀に思えますね。
一方で、コンボのために《高まる復讐心》と《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》を入れなければいけないため、コントロールデッキとして脆い部分があることは確かです。
《高まる復讐心》で《稲妻》や《考慮》をコピーするなど、中盤での使い方がカギになるかもしれません。
《パルヘリオンⅡ》《大牙勢団の総長、脂牙》シュート
Designed by Chikuwa04LS in Magic Online
《パルヘリオンⅡ》を《大牙勢団の総長、脂牙》でシュート! デッキの出発点はきっとこれです。
わかりやすくパワフルで、必要なカードの数も少ないこのコンボ。問題となったのは組み込むデッキでしょうか。
相棒となったのは《アスモラノマルディカダイスティナカルダカール》です。
能力により必然的にディスカードをするデッキになるため、《パルヘリオンⅡ》を墓地に置きやすいことが理由でしょうか。
とはいえ墓地に置く手段はディスカードだけではなく、デッキから直接置くルートも準備されています。
珍しいのは《アンデッドの執事》ですね。戦場に出た時に墓地を増やす能力と、死亡した時に墓地のクリーチャーを回収する能力を持っています。
恐らくは《パルヘリオンⅡ》を墓地に落としつつ、《大牙勢団の総長、脂牙》の回収を狙っているのでしょう。《命取りの論争》でドローと宝物に変えられれば最高です。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。