こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第73回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
青黒ゾンビ
初代『イニストラード』でもちらほらと存在した青黒のゾンビデッキが帰ってきました。
青に触れる理由は主にロード二種類です。
《縫込み刃のスカーブ》を見ていると、このカラーリングのクリーチャーもずいぶん強くなったんだなと感じます。
2マナ2/3でメリット能力持ち。青黒にするのなら、採用にはなんの迷いも不要です。
《背信の王、ナーフィ》もまたアンコモンにしてはなかなか能力が詰め込まれていますね。
他のゾンビはどうでしょうか。
1マナのゾンビが合計12枚。
軽量ロードを活かせるよう、こちらにも軽量クリーチャーが揃っています。かなり高速アグロに寄せた構築です。
実は現環境のゾンビは3マナ域の候補に乏しいのです。中速よりの構築は少々難しいのかもしれません。
さて、《滅びし者の勇者》は期待のエース。かつての《教区の勇者》並みの活躍ができるでしょうか。
2マナ域もまた層が厚いですね。
《穢れた敵対者》もまたゾンビデッキでの活躍が期待されています。
通常プレイでは派手な能力はありませんが、ゲームが長引けばその力を遺憾なく発揮してくれるはず。
経戦能力があるというだけでアグロにはありがたいでしょう。《ネファリアのグール呼び、ジャダー》も同様で、腐乱持ちとはいえゾンビがずっと湧き続けます。
先述の通り、《縫込み刃のスカーブ》が入っていながらこれだけの2マナ域を採用しています。
2マナ域の合計は13枚。全体除去を喰らったらかなりきついです。
そう、実はこのデッキ、全体除去を喰らったらかなりきついです。
ゾンビといえば墓地からの復活なのですが、それができるクリーチャーは限られています。
どちらもマナカーブの頂点にいます。デッキ自体は高速アグロであるにもかかわらず、4マナ、5マナと要求されるので、なかなか唱えにくい時も多いことでしょう。
先ほどすこしお伝えしましたが、現環境のゾンビでは3マナ域の選択肢に乏しいです。にもかかわらず、4マナと5マナには魅力的なカードがあるため、少々ちぐはぐになりがちです。
別の色を混ぜて3マナ域の選択肢を増やすことも考えられますので、これから様々なゾンビデッキが生まれるかもしれませんね。楽しみです。
グリクシス・宝物
ドローしては宝物を生む呪文、10枚搭載!
以前は《千年嵐》を使ったコンボデッキで使われたこの手のカード。
このデッキでは、変則的なマナ加速......というかコンボパーツとして用いるようですね。
デッキの中心は《黄金架のドラゴン》。宝物を大量に用意した後にプレイすることで、大幅にマナを増やします。
《予想外の授かり物》ならば事実上のフリースペル。手札に来た分だけカードを引けます。
もしここに《嵐窯の芸術家》が加わると......
魔技で宝物が増えていきますので、《予想外の授かり物》や《戦利品奪取》ならマナ加速に、《命取りの論争》はフリースペルに変貌します。
ここに《実例指導》や《感電の反復》でコピーを追加していけば......。往年の《千年嵐》のようにデッキを掘り切ってしまってもおかしくありません。
呪文をひたすらに唱え切ったなら、あとのフィニッシュは彼女たちに任せしましょう。
どちらもインスタントやソーサリーに誘発してライフを削ってくれます。ドローを続けるだけでいずれ勝てる、というわけです。
ちなみに、こんな豪快なカードまで......。
手札と墓地を入れ替える。ものすごく派手ですが普通のデッキではそうそう使えません。
このデッキでは、序盤にフィニッシャーを捨ててしまったり、ドロー呪文の絶対数が足りないということが起こるのでしょう。
いったんマナが増え続ける状態になったら色マナは捻出し放題なので、こんな採用もできるんですね。
黒単アグロ
ゾンビに引き続き、黒の軽量アグロが生まれました! しかもこちらは黒単色。
先程のゾンビと違い1マナ域は4枚のみで、2マナ域にさらに偏った構成になっています。
その数、なんと19枚。
もちろん、19枚すべてをまともに2ターン目にプレイするわけではありません。
《穢れた敵対者》はご存知の通り5マナ払ってやっても良いですし、《スカイクレイブの災い魔》は2ターン目に出したら死んでしまうことも多いでしょう。
《スカイクレイブの影》も、普通にプレイするより《ひきつり目》の履修で捨ててしまいたいカードですね。
軽量なクリーチャーが多いものの、後半に活きるカードが多いようです。
《ドラコリッチ、エボンデス》も入っていますので、前半のリードを後半もキープしたまま勝利する、というイメージでしょうか。
カード一枚一枚の交換に付き合ってくれるミッドレンジ相手に強そうです。
脇を固めるインスタントも光ります。
《冥府の掌握》はなんともわかりやすい除去呪文でありながら、《スカイクレイブの災い魔》とシナジーを形成します。コンバット・トリックとして使うことができれば2対1交換。強いカード同士なので腐る心配もありません。
《村の儀式》は除去の回避としての運用はもちろん、《ドラコリッチ、エボンデス》の復活条件を満たすのに役立ちます。腐乱のゾンビもけっこう出るので、邪魔に感じることは少ないと思います。
一方で、アグロデッキとして見た時は打点の低さが目立ちます。
さすがに黒ですから、赤や緑のようなハイパワーは期待できません。
代わりに、コツコツとダメージを重ねていくカードが合計7枚も採用されていました。
かつてのカードを挙げるなら《血の芸術家》が近いでしょう。それぞれ性質は違うので使用感はかなり異なると思いますが、とはいえ、相手のライフを削り続けることで受けに回る選択肢を潰すことは可能です。
特に、どちらもトークンの死亡に誘発してくれるのが良いですね。《ネファリアのグール呼び、ジャダー》や《穢れた敵対者》、そして《殺戮の専門家》が光ります。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。