By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第54回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
白単コントロール
Designed by Gonito in Magic Online
スタンダードの白単というと、歴史的にアグロデッキの数が多いですね。
現行のスタンダードでも、《スカイクレイブの大鎚》を採用したビートダウンが存在しています。
ですが、こちらの白単はコントロールです。
基本プランはマナ加速と除去呪文。こちらは加速し、相手の攻め手は食い止める。細かな除去は使用せず、まとめて一掃。ランプデッキと同様の動き方ですね。
『カルドハイム』追加後のスタンダードに現れただけあって、新カードを大量に採用しています。
中でも目を惹くのは《栄光の探索》です。
デッキから氷雪パーマネントor伝説のカードor英雄譚をサーチする3マナソーサリー。《エルズペス、死に打ち勝つ》を探して万能除去にもなるし、《精霊龍、ウギン》を呼び出してゲームを終わらせることもできますね。
緊急事態には《冠雪の平地》や《不詳の安息地》を持ってきて土地を伸ばせるので、サーチ先に困ることはあまりないでしょう。
サーチ呪文特有のテンポ損は、ライフゲインを兼ね備えているためにある程度緩和されています。そのライフゲインも、氷雪土地の確保が容易な単色デッキであることで活きているわけですね。
これまた単色デッキだからこそ採用しやすい《光輝の泉》も使っていますので、赤系のデッキにはめっぽう強そうです。
また、このデッキはランプ戦略の弱点のひとつ、引きムラの激しさをある程度克服しているようです。
《エメリアの呼び声》と《シュタルンハイムの解放》は、どちらも序盤から使えるカードでありながら、終盤にはゲームを決めてくれる性能を誇ります。
ランプデッキでは「マナ加速だけ引いてしまってフィニッシャーを一向に引けない」状況がままありますから、重さを気にせず投入できるフィニッシャーはやはり貴重ですね。
また、《スカイクレイブの秘宝》も地味に重要な活躍をしてくれそうです。《耕作》のように、1枚で複数枚分のカードになってくれるわけですから、アドバンテージ獲得手段に乏しい白単ではいぶし銀になってくれるでしょう。
白青赤《空を放浪するもの、ヨーリオン》
Designed by Game_Night in Magic Online
こちらは、『カルドハイム』の新カードを《空を放浪するもの、ヨーリオン》で味わおうというデッキです。
《星界の神、アールンド》の裏面は2マナのクリーチャー、《囁く鴉、ハーカ》です。《囁く鴉、ハーカ》を《空を放浪するもの、ヨーリオン》や《魅力的な王子》でブリンクしてあげれば、マナコストをごまかして戦場に出すことができますね。
もう1枚、注目したいのが《スカルドの決戦》。規模の大きな《舞台照らし》という印象の能力ですが、肝心なのはパーマネントであること。つまり《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンク可能です。
例えば、第一章の能力で《空を放浪するもの、ヨーリオン》がめくれれば、次のターンにはブリンクしてやってもう一回4枚分のカードがめくれます。そこに2枚目の《空を放浪するもの、ヨーリオン》や《魅力的な王子》、あるいは《玻璃池のミミック》がいれば、妨害に合わない限りずっとアドバンテージを稼ぎ続けられるわけですね。
《スカルドの決戦》のおかげで土地を伸ばしやすくなっていますし、《古き道のナーセット》も入っているからか、《アールンドの天啓》のような重いカードまで入っていますね。
追加ターンに加えて1/1飛行トークンが2体。《時間のねじれ》に《急報》をそのまま加えたようなマナコストです。
予顕を持っているものの、《スカルドの決戦》でめくれたところから裏向きにすることはできません。《ドゥームスカール》も同様ですので、その点は理解したうえでデッキを使いましょう。
《予言された壊滅》タッチ赤 or 緑
Designed by Bielzito in Magic Online
『カルドハイム』加入後、白青黒の《予言された壊滅》デッキに2種類の選択肢が生まれました。
ひとつは赤をタッチして使う《スカルドの決戦》。先述したデッキと同様、《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクしてアドバンテージを稼ぎ続けるのが目的のようです。
もうひとつは緑をタッチして使う《古き神々への拘束》。《エルズペス、死に打ち勝つ》に次ぐ万能除去として使いつつ、マナ加速ができるようになりました。
一長一短はあるので、メタゲームに合わせて使い分けていくのが良いでしょう。大雑把に考えると、環境が速いなら《古き神々への束縛》を、遅いなら《スカルドの決戦》を、というイメージでしょうか。
本デッキリストはどちらも同様のプレイヤーのものですので、両者まだまだ発展の余地はありそうですね。
『カルドハイム』からは《ファーヤの報復》も追加されています。
天使を生み出し、それに除去能力と二段攻撃を持たせる英雄譚。
《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクすればするだけ天使が生まれるので、かなり強固な戦線を築けるでしょう。
《スカルドの決戦》の第二、三章の能力と組みあわせれば、除去できる範囲が増えますし、二段攻撃の破壊力も増していきます。
《エメリアの呼び声》も添えてやれば天使のシナジーが生まれますが、マナ域がだいぶ離れていますし、どちらも軽いカードではないので、ちょっと難しいかもしれませんね。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。