By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第53回です。
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
今回は『カルドハイム』の販売に際し、新規カードの採用例をお見せします。
どんなカードがどのデッキに入っているのか、ぜひ見ていってくださいね。
《嘘の神、ヴァルキー》 in ジャンド
Designed by katuo079595 in Magic Online
『カルドハイム』の収録カードで一際注目を集めているのが《嘘の神、ヴァルキー》です。
2マナ2/1のハンデス能力持ちと純粋に使いやすく、マナが伸びれば《星界の騙し屋、ティボルト》としてフィニッシャーに変化。
さらに、一部のデッキでは「ズル」ができます。
続唱能力で《嘘の神、ヴァルキー》がめくれたら、《星界の騙し屋、ティボルト》として場に出せます。
ジャンドはもともと《血編み髪のエルフ》が入っていたので、このコンボをすんなり採用できました。
4マナの続唱で7マナの呪文を唱えるのはズルい! という声が上がるのもわかりますが、そういうルールなので諦めましょう。
モダンはもともと、土地3枚から7マナ出したり8マナの装備コストをまるまる踏み倒したりするデッキが横行しています。今更です。
さて、《嘘の神、ヴァルキー》の長所はもうひとつあります。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の対策となることです。
《思考囲い》などの通常のハンデス呪文では《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の対策にはならず、《魂標ランタン》のような墓地対策と併用する必要がありました。
本デッキリストでもそれらは全て入っていますが、《嘘の神、ヴァルキー》をちゃんと引けていれば1枚で対策が完了します。加えてマナを注げば《自然の怒りのタイタン、ウーロ》として攻撃に入れるので、フィニッシャーまで務めてしまいますね。
ジャンドはハンデスや除去呪文を多用しますし、《ヴェールのリリアナ》で消耗戦を挑むこともありましたから、その戦略をあざ笑う《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は天敵と言えるでしょう。
《ヴェールのリリアナ》を外すことも考えられますが、《嘘の神、ヴァルキー》を採用することでさらなる選択肢が生まれます。今後の動向に注目ですね。
《星界の神、アールンド》 in 白青石鍛冶
Designed by kiko in Magic Online
こちらのデッキでは白青の《石鍛冶の神秘家》系デッキに《星界の神、アールンド》を投入しています。
手札および予顕カードの数だけパワーとタフネスが上昇。
そして、修了ステップ開始時に手札を補充する能力を持っています。
デッキ80枚のうち、37枚がクリーチャー。
ライブラリートップの2枚を削り、その中に宣言したタイプのカードがあれば手札に加えられますので、クリーチャーを宣言しておけば、おおむね1枚は補充できそうですね。
さて、能力は悪くないものの、たったこれだけを目当てに5マナも支払うのでは割にあいません。
注目すべきは裏面でしょう。
裏面は2マナと軽く、2/3飛行でコストパフォーマンスも良好。
戦闘ダメージが入ると手札に引っ込んでしまいますが、狙うべきは攻撃ではありません。
《囁く鴉、ハーカ》をブリンクしてしまいましょう。
すると、《星界の神、アールンド》として場に戻ります。手間はかかりますが、2マナで5マナのクリーチャーを手に入れたことになるわけです。
普通にプレイするだけでも3ターン目に《星界の神、アールンド》を出せますし、《ルーンの与え手》で守ってあげられれば支配的な強さを発揮できると思います。
クリーチャー中心のデッキなので、《霊気の薬瓶》も搭載済み。
ちなみに、どうしてもマナやカードが足りない場合は、《囁く鴉、ハーカ》がスタックに乗った状態で《霊気の薬瓶》起動→《呪文捕らえ》で《囁く鴉、ハーカ》を追放することで、疑似的なブリンクが可能です。
《魅力的な王子》などを引けておらず、《呪文捕らえ》と《時を解す者、テフェリー》が揃っていて、土地の枚数も足りない、というときには選択肢に上がるかもしれません。一応覚えておくといいでしょう。
《領界渡り》 in 人間
Designed by kanister in Magic Online
本リストでは人間デッキに《領界渡り》が投入されています。
デッキトップからあらかじめ決めたタイプのクリーチャーを唱えられる能力持ち。
もともとの人間デッキの選択肢としては、《民兵のラッパ手》が近いでしょう。
人間デッキは本来、デッキ枚数に対し非常に多くのクリーチャーを投入するデッキですので、《領界渡り》との相性はもちろん良いですね。
本デッキリストでも、60枚中35枚と、ヒット率は60%に迫ります。
一方で、《領界渡り》との相性が気になるのは《幻影の像》ですね。
場に出さえすれば人間になるものの、それ以外の場ではあくまでイリュージョン。
ある意味最強の人間ですが、残念ながら《領界渡り》の力で場に出ることは不可能です。
加えて人間デッキは土地を切り詰めていますし、《地平線の梢》などを生け贄にすることも多いので、土地はそれほど並ばないことが多いでしょう。
そんなシーンで《領界渡り》を場に出しても、クリーチャーを展開するためのマナが足りない、という事態に陥るかもしれません。
とはいえ、《領界渡り》が人間デッキの弱点である息切れを防いでくれることは間違いありません。
今後どのように評価されていくかはわかりませんが、新たな構築に変化していったら楽しそうですね。
《領界渡り》自体は部族デッキにはすんなり入る能力なので、マーフォークやエルフに交じっての活躍が見られるかもしれません。要注目です。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。
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