けちコントロール、《変身》、バベル in モダン ~ デッキリスト探検隊 第51回 ~

By Riku Imaizumi 


こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第51回です。


「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい


と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。


オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。


だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。


デッキリストにはビルダーの個性が光ります。


唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。


そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!


 


けちコントロール


けちコントロールとは、《けちな贈り物》を中心とした、モダンが発足して以来存在しているデッキタイプです。
環境の高速化が進むにつれて姿を見なくなってきたデッキですが、新たなキーカードを引っ提げて再登場しました。


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キーカードとは、なんと著大化


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クリーチャーに+20/+20の修正を与えますが、つけた瞬間にクリーチャーがタップされてしまうため、即死に至らせにくくなっているオーラです。
これをつける先は......


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雪花石を率いる者、ブルーナ》!
攻撃かブロックに入った後に好きなオーラがつくわけですから、《著大化》によるタップは関係ありません。
狙うは、《雪花石を率いる者、ブルーナ》を墓地に落とした後の《御霊の復讐》による25点アタックの即死コンボでしょう。


そのために使うのが《けちな贈り物》というわけです。


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基本的にはこの2枚を墓地に落とすのでしょう。《御霊の復讐》を引けていれば釣り上げてゲームセット。


戦場に《ヴェールのリリアナ》《ヴリンの神童、ジェイス》のようなディスカード手段や、《束縛なきテレパス、ジェイス》のような再利用手段があれば、《急進思想》なども交えたりしながら4枚のカードを引っ張り出すことができるでしょう。


もともとの《けちな贈り物》デッキは《掘葬の儀式》とフィニッシャーを同時に墓地に落とすことが多かったように思いますが、このデッキでは《御霊の復讐》と組み合わせるコンボパーツという印象ですね。
1枚コンボのカードではなくなってしまったわけですが、単体でも活きるよう、第2の選択肢が用意されていました。


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死者の原野》と《壌土からの生命》でゾンビを生み出し続ける戦法です。
そこに加わるのが《自然の怒りのタイタン、ウーロ》。ゾンビの発生速度が速くなり、《壌土からの生命》で増えた墓地から「脱出」してきます。


その他のカードは青黒緑のコントロールで良く見られる《思考囲い》や《突然の衰微》など。
コントロールとしてふるまう場合は《御霊の復讐》が腐りそうだな、と一瞬思ったのですが、意外とそんなことはないかもしれません。


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《御霊の復讐》が手札でだぶついたなら、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》でもリアニメイトしておきましょう。
「脱出」ではないのですぐに生け贄に捧げられてしまいますが、代わりに、《御霊の復讐》によって追放されることもありません。
《御霊の復讐》が3点ライフゲインが付属した《探検》に変わるわけです。だぶった時の処理手段としては十分すぎるでしょう。
もちろん、《ヴリンの神童、ジェイス》をリアニメイトして即座に裏返す選択肢もありますよ。


 


 
《変身》


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「ああ、この1/1トークンがいきなり《引き裂かれし永劫、エムラクール》に変身してくれたら勝てるのになァ~~~」


負けそうな時にこんなことを考えた人は私だけではないでしょう。
このデッキはそんな理想をかなえてくれます。


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やることは簡単。《ドワーフの鉱山》でトークンを出し、それを《引き裂かれし永劫、エムラクール》に変えるだけ!
1/1がいきなり巨大エルドラージになるのですから、簡単な話、勝ちます。
なんなら《集団恐慌》も入っているので、割といきなり勝ちます。


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変身》をメインにしたデッキ自体は以前からありましたが、このリストのすごいところは、《異形化》と合わせて同じ役割のカードを8枚も採用しているということ。
加えて《集団恐慌》も4枚ですから、だぶついて腐ることよりも揃えて勝つことを強く意識しているのがわかります。確かに1/1が15倍に膨れ上がったら勝つもんな......。


崖っぷちで不毛な妄想をした人は、このデッキを使ってみてはいかがでしょうか。
私は今でも自分の《ゴブリンの先達》だけパワー10倍にならねえかなァ~とか結構思ってます。


 


 


バベル


機知の戦い》というカードをご存知でしょうか?


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ライブラリーが200枚あれば勝つ(要約)。200とはばかげた数字にも思えますが、実は歴代の特殊勝利条件カードの中でも比較的条件が緩く、このカードを勝利手段に据えたデッキが昔から存在していました。


その名は「バベル」。


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メインデッキの枚数、239枚。60枚デッキ4つ分に相当します。


席に座った対戦相手が、ゴトッ、という音ともに長めのストレージを置いてきたら、このデッキを警戒したほうが良いかもしれません。


メインデッキを240枚に近づけるのは、諸々の確率計算を60枚デッキの感覚で行いやすいからなんだとか。
例えば、60枚デッキにカードを1枚投入し、そこから1枚引いたら、投入したカードを引き当てる確率は約0.017%。
これは240枚デッキにカードを4枚投入した時と全く同じ確率です。ハイランダーで60枚デッキをプレイする感覚に近いわけですね。
もちろん、同一のカードを2枚引く可能性がある限り、全く同様とはいきませんが。


さて、スタンダードでも時折見かけたバベルですが、モダンではどのようなデッキに仕上がっているのでしょうか。


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まずは相棒、《空を放浪するもの、ヨーリオン》。自然と相棒指定条件を満たすので使わない理由はない、といったところでしょうか。
実際、《空を放浪するもの、ヨーリオン》への依存度は低いようです。やることは、一部の「戦場に出たとき」系能力を持つカードの使いまわしや、忠誠度の減ったプレインズウォーカーのリフレッシュくらいです。


メインデッキをしっかりと見てみると、かなり殺意の高い勝利手段がふんだんに積み込まれていました。


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ざっと見ただけでもこんなに。


《けちな贈り物》は昔懐かしの《掘葬の儀式》と組み合わせるようですね。
エメリアの盾、イオナ》、《大修道士、エリシュ・ノーン》など、「出たら勝ち」レベルのカードを狙っていきましょう。必ずしも《機知の戦い》で勝つ必要はありませんから。


土地の種類が必要となる死者の原野ですが、広大なモダン環境なら土地が100枚以上入っていても問題ないようです。
しかも《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》まで共存しているのですから驚きですね。こちらは恐らく《イリーシア木立のドライアド》との併用が前提だとは思いますが。
これらのフィニッシャー・ランドを《原始のタイタン》や《約束の刻》、そして《風景の変容》で呼び出します。


向こう見ずな実験から飛び出すのは、当然《白金の帝像》。一部のデッキ相手なら、出すだけでゲームセットです。


また、デッキ構造上、《不屈の自然》系の土地サーチを多用するのですが......


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それすらもフィニッシャーになり得るのですから、どこからでも相手を殺す気なようです。


239枚にぎっちりと詰め込まれたフィニッシャーたち。
これらを状況に応じてサーチカードで使い分けていきます。


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クリーチャー・ソーサリー・インスタント・土地の4種類はサーチ手段が豊富。
サイドボードもそれを踏まえ、1枚刺しのキラーカードが控えていますね。


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このデッキの戦略は、《機知の戦い》で勝つというよりも、対戦相手に応じて適切な兵器を持ち出して勝ちにいく、と言ったほうが正しいのかもしれませんね。


いわば「殺意の宝箱」です。





以上、デッキリスト探検隊でした。


昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。


あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。


 


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