By Riku Imaizumi
こんにちは。「オリジナルデッキを見つけて紹介する」デッキリスト探検隊、第19回です。
面白いデッキリストを見る機会が減ってきた昨今、
「目が覚めるようなデッキリストを見たい、というかあわよくば自分のデッキをみんなに知らしめたい」
と思っているデッキビルダーのみなさまの要望にお応えし、今日もデッキリストを紹介していきます。
オリジナリティがあるだけのデッキリストは誰にでも作れます。しかしながらそれで勝つのは至難の業。
だからこそ、オリジナリティを持ち、ある程度の成績を残したデッキリストには大きな価値があるのです。
デッキリストにはビルダーの個性が光ります。
唯一無二、この世に一つしかないオリジナルデッキたち。
そんな「デッキビルダーの作品」を今日も紹介していきます!
今回はパイオニア環境の珍しいデッキを三つお見せします。
エスパー人間
モダン環境でお馴染みの人間デッキをパイオニアで再現したい人は多いでしょう。
以前に《実験体》を使用した人間デッキを紹介しましたが、今回はエスパーカラーです。
Designed by KeefRolla in Magic Online
緑や赤が抜けたことで《実験体》《カマキリの乗り手》《集合した中隊》といった打点が増えるカードは大幅に減りましたが、カードの供給や妨害に長けたカードが多数加入しました。
環境のトップスピードは諦め、相手を減速させるカードで闘おうというイメージでしょうか。
もちろん、定番の人間たちも採用済み。
《サリアの副官》に加え、フィニッシュには全体の打点を底上げするカードが使われています。
また、エスパーカラーにしたことでサイドボードにも幅が出ました。
《死の国からの脱出》コンボに効く《配分の領事、カンバール》《エイスリオスの番犬、クノロス》、そしてインスタント・ソーサリー中心のデッキに強い《罪の収集者》。もちろん《安らかなる眠り》も入っています。
ゴブリン
ゴブリンはマジックを代表する種族のひとつで、カード総数の多さから多くの環境でデッキが組まれていました。
散発的に印刷される部族カードを集め、パイオニアでもゴブリンが集合します。
Designed by Furuuchi Yuusuke
『ラヴニカへの回帰』ブロック以降のカードが使えるパイオニアですが、このデッキの大半を占めるのは旧枠(『オンスロート』ブロック以前)出身のゴブリンたちです。
これらの多くは部族強化セット『オンスロート』ブロック出身で、過去に活躍したゴブリンたちがパイオニア環境に参集するのは壮観ですね。
過去に使った人も、過去のカードを使ってみたいという人にもおすすめできるデッキ構成になっています。
《ゴブリンの戦長》でデッキを加速させ、
《ゴブリンの首謀者》で大量のゴブリンを集め、
《ゴブリンの群衆追い》で打点に変換、という流れはかつてレガシーでも散見されました。
これらゴブリンたちと共演する新枠(『ミラディン』以降)出身のゴブリンは、《ゴブリンの熟練扇動者》、それと《軍勢の戦親分》です。
この戦闘時誘発型能力を持つゴブリンたちが《ゴブリンの戦長》によって軽量な速攻持ちとなり突如として襲い掛かります。
《集合した中隊》から《ゴブリンの戦長》と《ゴブリンの熟練扇動者》を同時に呼び出せば、いきなり8点の打点で攻撃可能です。
4マナ以上(=《集合した中隊》能力圏外)のクリーチャーが少々多いことは気になりますが、アドバンテージも打点も稼げる部族デッキ、いかがでしょう。
《ニクスの星原》×《予言された壊滅》×《屋敷の踊り》
『マジック・オリジン』出身の神話レア、《ニクスの星原》は、少々使いにくい能力ながらその強力さからデッキビルダーの腕を試すカードでした。
毎ターン墓地からエンチャントを引っ張り出すものの、エンチャントは勝手に墓地には落ちないし、墓地に落とすためにエンチャント以外のカードをデッキに入れればデッキの純度が落ちてしまいます。
問題を解決したのは、近年収録された新しいエンチャントたちでした。
Designed by Cabbyz in Magic Online
スタンダードでも時折使用される《予言された壊滅》は、場のエンチャントを自動的に墓地に落としてくれるという意味で《ニクスの星原》と相性抜群。
《排斥》や《海の神のお告げ》は自分で墓地に行く能力を備えており、これで「エンチャントが墓地に落ちない」問題は解決しました。
《ジェイスの誓い》《アズカンタの探索》もエンチャントの枠でありエンチャントを墓地に落とせるカードですね。
採用されているエンチャントのほとんどが場に出た時に解決する能力を持っているため、《予言された壊滅》《ニクスの星原》のどちらと組み合わせても使いやすいようにデッキが組まれています。
もちろん《時を解す者、テフェリー》で手札に戻してもOK。
フィニッシュは《ニクスの星原》か《屋敷の踊り》によるエンチャントのクリーチャー化でしょう。
少々気の長いゲームになりそうですが、ハマったときは相手の場には土地だけ、自分の場には大量のエンチャント、という圧倒的な戦況に持っていけるはずです。
以上、デッキリスト探検隊でした。
昨今、自分のデッキを記事にする人も増えてきました。そういった発信も良い流れだと思いますが、デッキビルダーたるもの、自分のデッキが他人の記事に掲載されることこそ本懐。
あなたの作ったデッキを紹介できる日を楽しみにしています。