マジックフェスト・名古屋2020#1直前! 進化するデッキとメタゲーム集計 ~ デッキリスト探検隊 第17回 ~

By Riku Imaizumi


こんにちは。デッキリスト探検隊、第17回です。


マジックフェスト内で行われるグランプリ・名古屋2020#1やプレイヤーズツアーに向け、今回はマジック・オンラインの大会結果を分析し、その中から注目デッキを紹介します。
マジック・オンラインでは、テーブルトップ商品の発売に先駆けて『テーロス還魂記』が使用可能となりました。グランプリ・名古屋2020のメタゲームの予想に役立ててください。
記事の後半ではメタゲームについても記載しています。


分析の対象となる大会は、1月22日から1月26日までのパイオニア・プレリミナリ―全5回分です。
5-0、および4-1をしたデッキリストを記します。文字修飾の意味は以下の通りです。


赤文字.........『テーロス還魂記』収録カードをメインデッキに1~2枚、あるいはサイドボードに採用したデッキ
青太文字......『テーロス還魂記』収録カードを使用した新しいデッキや、メインデッキの戦略に変化があったデッキ


※文字修飾のないデッキは『テーロス還魂記』収録カード不採用です。
※同一デッキタイプで同一の修飾になっていないものがありますが、そちらは『テーロス還魂記』収録カードの使われ方、採用枚数に差があるものです。



1月22日 パイオニア・プレリミナリー


5-0


 青赤《アーティファクトの魂込め》


4-1


 《ニヴ=ミゼット再誕》
 RUGロータスコンボ
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 《ニヴ=ミゼット再誕》
 緑単ランプ
 スピリット
 スピリット
 青赤ロータスコンボ
 黒単
 黒単



1月23日 パイオニア・プレリミナリー


5-0


 青赤《アーティファクトの魂込め》


4-1


 青赤《アーティファクトの魂込め》
 スピリット
 黒単
 緑単ランプ
 白単信心


 


1月24日 パイオニア・プレリミナリー


5-0


 黒単
 イゼット・フェニックス
 《ニヴ=ミゼット再誕》


4-1


 白単信心
 白単信心
 イゼット・フェニックス
 黒緑《硬化した鱗》
 バントオーラ
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 青赤果敢
 緑黒《集合した中隊》
 黒単
 青単《歯車襲いの海蛇》



1月25日 パイオニア・プレリミナリー


5-0


 黒単


4-1


 スピリット
 スピリット
 スピリット
 青信心t緑
 白単信心
 緑単t黒
 黒単
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 青白コントロール(《意味の渇望》入り)
 《ニヴ=ミゼット再誕》
 赤黒ミッドレンジ


 


1月26日 パイオニア・プレリミナリー


5-0


 《ニヴ=ミゼット再誕》
 青緑ランプ


4-1


 赤単ミッドレンジ
 グリクシス・コントロール
 黒単
 黒単
 緑単ランプ
 RUGロータスコンボ
 白単信心
 《ニヴ=ミゼット再誕》
 黒緑白 高揚
 青赤《アーティファクトの魂込め》


 


先週の記事では、『テーロス還魂記』収録カードで活躍しているのは《太陽冠のヘリオッド》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《死の国からの脱出》3種類だとお伝えしました。
パイオニア・プレリミナリーの結果を見てみると、そのことにはあまり変わりがないようです。しかし、新規カードを使ったデッキの研究がそれぞれ進んでいるようですので、個別に見ていきましょう。


 


 


白単信心


1月22日から26日までのパイオニア・プレリミナリーで4-1以上を記録した白単信心のデッキリストは合計5つ。その中で採用が目立ったのは秘儀術師のフクロウでした。


 


《秘儀術師のフクロウ》型 白単信心


deckexplorer18 01.jpg


deckexplorer18 12.png


Designed by MELL0N in Magic Online - Pioneer Preliminary 4-1


 


コンボパーツの《歩行バリスタ》と《太陽冠のヘリオッド》のどちらにもアクセスが可能で、たった一枚で《太陽冠のヘリオッド》のクリーチャー化もこなせる優秀なクリーチャーです。
サーチ候補には《エルズペス、死に打ち勝つ》《停滞の罠》《太陽に祝福されしダクソス》と、合計20枚が用意されています。


《秘儀術師のフクロウ》のカードアドバンテージを活かすため、26枚もの土地が採用されているのも特徴でしょう。
アジャニの群れ仲間》のような攻め手も減らされており、アーキタイプ的にはミッドレンジに分類されます。


《秘儀術師のフクロウ》型はデッキリストが掲載された5つの白単信心のうちの3つを占めており、グランプリ・名古屋でも対面する可能性が高いタイプとなることが予想されます。


 


モックス・アンバー》型 白単信心


deckexplorer18 13.png


Designed by BRUNISTER in Magic Online - Pioneer Preliminary 4-1


 


こちらの白単信心は《アクロスの英雄、キテオン》、《癒し手の鷹》といった軽量クリーチャーを採用しているアグロ型。
多数の伝説のクリーチャーを搭載し、《モックス・アンバー》による加速を可能にしています。


deckexplorer18 02.jpg


もとより《太陽に祝福されしダクソス》《族樹の精霊、アナフェンザ》《不動の女王、リンデン》と伝説のクリーチャーを多く使うデッキでしたので、運用にはあまり負担がかかりません。
《秘儀術師のフクロウ》は不採用ですが、代わりに《折れた刃、ギセラ》を使用しています。


 


採用率の高いカード - 《高名な弁護士、トミク


deckexplorer18 03.jpg


環境注目のコンボデッキであるロータスコンボへのアンチ・カード、《高名な弁護士、トミク》は多くの白単信心に採用されていました。
場にいるだけで相手の《見えざる糸》を封じるこのクリーチャーは、白への信心が高い上に、伝説性を備えることから《モックス・アンバー》の能力起動にも寄与します。さらに2/3飛行の単体性能は《太陽冠のヘリオッド》の強化能力と相性が良く、消耗戦の局面では絆魂を付与されてどんどん大きくなっていくでしょう。
あくまでアンチ・カードのため3~4枚投入されることは多くないようですが、ロータスコンボを使用している時には警戒すべきカードです。


 


 


緑系ランプ


先週の記事執筆時点では《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を搭載した青緑ランプしか見かけませんでしたが、緑単ランプも再び4-1以上のデッキリストに名を連ねています。


deckexplorer18 10.png


Designed by TWIBS in Magic Online - Pioneer Preliminary 4-1


 


ランプデッキを青緑にするときには、優秀な無色地形の採用が難しくなるというデメリットがついてきます。


deckexplorer18 04.jpg


これらはアグロとの対戦時に強力な効果を発揮するため、アグロの多いパイオニア環境ではいずれも局面を左右する力があります。
特に《見捨てられた神々の神殿》は重要で、3ターン目《茨の騎兵》から4ターン目《精霊龍、ウギン》という、いわゆる「ブン回り」を実現するためにもぜひとも搭載したいところでしょう。


青緑にする際は色マナのカウント上これらすべてを使用するわけにはいかず、いずれかを諦めなければなりません。
そのデメリットが響いたか、緑単ランプの4-1以上記録数は3回、青緑ランプの4-1以上記録数は1回という結果になりました。


 


 


ロータスコンボ


ロータスコンボはデッキカラーを2種類に分けました。
一つは先週お伝えした青赤緑のタイプで、もう一つは青赤のタイプです。


deckexplorer18 11.png


Designed by TRIOSK in Magic Online - Pioneer Preliminary 4-1


青赤緑のタイプはコンボスタートに《睡蓮の原野》を用いるため《森の占術》でその枚数を水増ししていましたが、青赤では遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》がコンボパーツの役目を担います。
《遵法長、バラル》や《ゴブリンの電術師》が存在する場面で《見えざる糸》をプレイすると、1マナで土地を2つアンタップできるためマナが増えます。このギミックに《死の国からの脱出》と《慢性的な水害》か《抗えない主張》を追加してデッキがなくなるまでライブラリーを削っていき、《タッサの神託者》で特殊勝利、という流れです。


2色にまとまり《睡蓮の原野》への依存度が少し減少したものの、対策カードは青赤緑のものと同様に効きます。対戦した時は焦らずにサイドボーディングしましょう。


 


 


メタゲーム:1月22日~1月26日のパイオニア・プレリミナリー 大会上位デッキ分布


最後に、デッキリストに関わる部分が少なくなりますが、メタゲームに関してお伝えします。グランプリ・名古屋2020#1に役立つことがあれば嬉しいです。
まずは以下をご覧ください。


METAGAME - pioneer 0122^26.png


 黒単:9
 青赤《アーティファクトの魂込め》:8
 スピリット:6
 《ニヴ=ミゼット再誕》:5
 白単信心:5
 緑系ランプ:4
 ロータスコンボ:3
 赤系ミッドレンジ:2
 イゼット・フェニックス:2
 緑単系:2
 青赤果敢:1
 青白コントロール:1
 青信心t緑:1
 青単《歯車襲いの海蛇》:1
 グリクシス・コントロール:1
 黒緑《硬化した鱗》:1
 黒緑白 高揚:1
 バントオーラ:1


こちらは、1月22日~1月26日のパイオニア・プレリミナリーで4-1以上を記録したデッキの分布です。


 


黒単 - 雑多なメタゲームを苦にしない地力の高さが利点


deckexplorer18 05.jpg


こうしてグラフにしてみると、やはり黒単が安定して勝っていることがわかります。3-2以下の成績にも多数の黒単のデッキリストがありました。
アグロ、ミッドレンジ、クロックパーミッション、ランプ、コンボが存在する雑多なメタゲームを駆け抜けるだけの地力を誇ります。軽量クロック、除去、ハンデスと、予想外の相手にも対応・圧倒できる有効な戦法を持っているほか、4枚積みの多い構築により勝利の再現性が高いことが利点です。
数か月前から意識され続けているデッキタイプな上に『テーロス還魂記』で得たものも少ない(0~1枚程度の《死の国への引き込み》)デッキですが、グランプリ・名古屋でも活躍が見られるでしょう。


 


青赤《アーティファクトの魂込め》 - 太いクロック、強烈な引導火力、軽量なカウンター


deckexplorer18 06.jpg


黒単同様、あらゆる相手に有効な戦法を持つのが青赤《アーティファクトの魂込め》デッキです。
《アーティファクトの魂込め》による強烈なクロックでダメージを刻んで《爆片破》でとどめ、という動きはどんなデッキにも通用します。


黒単ほど毎回似た勝ち方を再現するのは得意ではないデッキですが、引きが噛みあった時の強さは黒単以上。
サイドボードからは相手のデッキに合わせたクリティカルなカードを使用しやすいのも強みと言えます。


 


スピリット - コンボの首を狙うクロック・パーミッション


deckexplorer18 07.jpg


『テーロス還魂記』で大幅に強化されたロータスコンボ......に有利に立ち回れるのがクロック・パーミッションです。
クリーチャーでありながら打ち消し呪文の役目を担う《霊廟の放浪者》と《呪文捕らえ》により、スピリットデッキはクロック・パーミッション戦略を実現します。クリーチャー呪文を30枚以上投入できるので、クロック・パーミッションでありながら太い攻め方が可能です。


メタゲーム第3位の数を誇るのは、やはりロータスコンボが意識されている影響でしょうか。
アグロが多い環境に適応した結果、ネベルガストの伝令》の採用率が高くなっています。


 


ニヴ=ミゼット再誕》 - ミッドレンジの頂点。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》加入でデッキパワー増


deckexplorer18 08.jpg


カード枚数の勝負で叩き潰さんとするのがミッドレンジの頂点に立つ《ニヴ=ミゼット再誕》です。
モダン環境でも名をとどろかせ、「ミッドレンジといえば《ニヴ=ミゼット再誕》」になりつつあります。


デッキの利点はなんといっても5色のカードを使えること。メタゲームを読み間違えたり予想外のローグデッキに当たらない限り、ほぼどんなカードにでも対策を打てます。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はこのデッキに定着しそうです。漂流自我》で《ニヴ=ミゼット再誕》を抜いたからといって全く安心はできません。


 


白単信心 - 『テーロス還魂記』が生んだ新たなデッキタイプ。デッキリストの不確定さに注意


deckexplorer18 09.jpg


まだ発展途上のようですが、白単信心もメタゲームに存在します。その数は4-1以上のデッキリストの中で5番手に位置するほど。
デッキの概要は先週の記事と本記事でお伝えした通りですが、発展途上ゆえ個人によってデッキリストが異なることが予想されます。実際、パイオニア・プレリミナリーのデッキリストにも土地26枚、24枚、23枚、22枚、20枚、20枚+《モックス・アンバー》3枚のものがそれぞれひとつずつ存在し、5つしか集計していないにも関わらず構造がバラバラでした。


アグロ型だと思ってサイドボーディングをしたらミッドレンジ型だった、なんてことがあってもおかしくないので、相手取るときは相手のデッキ構造とプレイングにいつも以上に注意しましょう。


 


上記以外のデッキについて - コンボへの意識が高め


今回のメタゲームを見ると、赤単や緑単といった単色アグロが(黒単を除いて)少し勢いを落としている点が気になります。
ロータスコンボやヘリオッドコンボへの干渉手段が少ないからかもしれません。干渉手段の多い青赤《アーティファクトの魂込め》やスピリットの成績を見ても、コンボへの耐性が重要な環境と言えそうです。
一方で、強化幅の大きさから意識されすぎたのか、ロータスコンボの戦績はさほど振るっていないようです。この状態がグランプリ名古屋本戦まで続くかどうか、使用する側もされる側も考える必要があるでしょう。


コントロールデッキは明らかに数が少なく、4-1以上を記録したのは青白コントロールとグリクシス・コントロールのみ。
トップメタの黒単は除去耐性のあるクリーチャーばかり使いますし、スピリットに至ってはキーカードの《至高の評決》すら簡単に躱します。現時点の結果だけ見ると、グランプリ名古屋本戦でもさほど数を見ないことになりそうです。


 


それなら、コンボへの対策をあえて減らして、アグロへの対策を山盛りにしよう! なんて思っていませんか?


依然として多数のデッキタイプが存在しますが、パイオニアにも明らかにメタゲームの動きが存在します。
ですが、そればかりに囚われてはいけません。グランプリは誰でも参加できるため、メタゲーム上マイナーなデッキを持ち込む人もたくさんいます。特定のデッキへの対策を過剰に増やした結果、全然意識していないデッキに当たって負けた、ということはしょっちゅう起こり得るのです。


「直前のメタゲームがこういう状態なら、コンボデッキを使う人は少ないだろう」とあなたが思ったとしても、あなたの対戦相手があなたと同じ考えでいるとは限りませんから、コンボデッキに当たることはありますし、明らかに数が少ないコントロールデッキにだって当たることはあります。


つまらないことで嘆かなくて済むよう、地力の高いデッキを選び、あらゆるデッキへのサイドボードを用意しておきましょう。




以上、デッキリスト探検隊第18回でした。


いよいよグランプリ・名古屋2020#1も今週末に迫りました。本番に向けてデッキの最終調整を行ってくださいね。


来週からはパイオニア特集を終えていつもの記事をお見せしていこうと思います。


それでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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