《太陽冠のヘリオッド》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《死の国からの脱出》! パイオニアへの『テーロス環魂記』の影響~ デッキリスト探検隊 第16回 ~

By Riku Imaizumi


こんにちは。デッキリスト探検隊、第16回です。


グランプリ・名古屋2020#1やプレイヤーズツアーに向け、今回はマジック・オンラインの大会結果を分析し、その中から注目デッキを紹介します。
マジック・オンラインでは、テーブルトップ商品の発売に先駆けて『テーロス環魂記』が使用可能となりました。グランプリ・名古屋2020#1のメタゲームの予想に役立ててください。


分析の対象となる大会は、1月20日のパイオニア・チャレンジと、1月21日のパイオニア・プレリミナリ―です。
以下、大会結果を記しますが、デッキタイプの文字修飾の意味はこの通りです。


赤文字.........『テーロス環魂記』収録カードをメインデッキに1~2枚、あるいはサイドボードに採用したデッキ
青太文字......『テーロス環魂記』収録カードを使用した新しいデッキや、メインデッキの戦略に変化があったデッキ


※文字修飾のないデッキは『テーロス環魂記』収録カード不採用です。


※同一デッキタイプで同一の修飾になっていないものがありますが、そちらは『テーロス環魂記』収録カードの使われ方、採用枚数に差があるものです。


 


1月20日 パイオニア・チャレンジ


1位 青白コントロール
2位 青赤《アーティファクトの魂込め》
3位 《ニヴ=ミゼット再誕》
4位 《ニヴ=ミゼット再誕》
5位 ロータス・コンボ
6位 青白スピリット
7位 赤黒ミッドレンジ
8位 黒単
9位 青緑ランプ
10位 《ニヴ=ミゼット再誕》
11位 《ニヴ=ミゼット再誕》
12位 緑単タッチ黒
13位 ジェスカイの隆盛
14位 青緑ランプ
15位 《ニヴ=ミゼット再誕》
16位 青白コントロール(《意味の渇望》入り)
17位 青黒緑ドレッジ
18位 ゾンビ
19位 白緑《硬化した鱗》
20位 青白《副陽の接近》
21位 バントスピリット
22位 青単信心
23位 黒単
24位 赤単ミッドレンジ(《ゴブリンの熟練扇動者》型)
25位 《魂剥ぎ》
26位 赤黒ミッドレンジ
27位 黒単
28位 白単信心
29位 青白コントロール
30位 青黒ミッドレンジ
31位 《ニヴ=ミゼット再誕》
32位 緑白黒 高揚


  


1月21日 パイオニア・ プレリミナリー


5-0


 青赤《アーティファクトの魂込め》


4-1


 緑単タッチ黒
 青白スピリット
 青白スピリット
 黒単
 赤単ミッドレンジ(《ゴブリンの熟練扇動者》型)
 白単信心
 赤黒ミッドレンジ


3-2


 青白コントロール
 黒単吸血鬼
 緑黒 高揚
 緑単タッチ黒
 赤単バーン
 赤単ミッドレンジ(《ゴブリンの熟練先導者》 抜き)
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 青緑ランプ
 青白コントロール
 白単信心
 青緑ランプ
 青赤《アーティファクトの魂込め》
 青白スピリット
 黒単
 《ニヴ=ミゼット再誕》


 


このように影響を受けたデッキのみを可視化すると『テーロス環魂記』がメタゲームに与える影響は少ないように思えますが、実際のところはどうでしょうか。


まず、新たな戦略を提示するカードは少なかったようで、大きく強化されたデッキタイプが少数に限られていることがわかります。
デッキリストを見たところ、『テーロス環魂記』収録カードで活躍が目立つのは以下の3枚です。


deckexplorer15 01.jpg


これらを搭載するようになったデッキを個別に見ていきましょう。


 


《太陽冠のヘリオッド》搭載デッキ - 白単信心、その他


deckexplorer15 02.jpg


『テーロス環魂記』トップレアの一角・《太陽冠のヘリオッド》。プレビュー時点で《歩行バリスタ》との無限ダメージコンボが発見されて世間を賑わせていましたが、さっそく活躍しているようです。
採用しているのは「《太陽冠のヘリオッド》を最大限活用するデッキ」「既存デッキに無限コンボのアクセントを加えたデッキ」の2種類に分かれます。


 


最大限活用するデッキ - 白単信心


deckexplorer15 13.png



Designed by THED in Magic Online - Pioneer Preliminary 4-1


  


《太陽冠のヘリオッド》を3マナ5/5破壊不能のクリーチャーとして最大限活用するのが白単信心です。以前はメタゲームに存在しませんでしたので、『テーロス環魂記』加入に伴い成立したまったく新しいデッキと言えます。


基本戦略は白ウィニーですが、《太陽冠のヘリオッド》の「ライフを得るたびにクリーチャーを強化する」能力のためのカードが多数採用されています。


deckexplorer15 03.jpg


通常の白ウィニーならば《ベナリアの軍司令》を使うところを《不動の女王、リンデン》にしていますね。
《アジャニの群れ仲間》も併用されているので、上手に回ればかなり強固な戦線を構築できそうです。


『テーロス環魂記』から採用された《命の恵みのアルセイド》も強力な戦力です。


deckexplorer15 04.jpg


ビートダウンプランの時には育ちに育った《アジャニの群れ仲間》を守り、コンボプランの時には《歩行バリスタ》に飛んでくる除去呪文を弾いてくれます。もともと絆魂持ちで《太陽冠のヘリオッド》の能力のトリガーにもなってくれる優秀なウィニークリーチャーです。


デッキ全体がライフを得る方向に向いていますが、これにより4ターン目のコンボ成立を達成しやすくなっています。
通常、《太陽冠のヘリオッド》+《歩行バリスタ》のコンボを決めるには、《歩行バリスタ》をX=2以上(4マナ以上)で唱えた上で絆魂能力を付与(2マナ)しなければならないため、同一ターン内に6マナ必要となることが多いのですが......


1ターン目:セットランド
2ターン目:セットランド&《太陽に祝福されしダクソス》プレイ
3ターン目:セットランド&《太陽冠のヘリオッド》プレイ
4ターン目:セットランド&《歩行バリスタ》X=1でプレイ


......このようにプレイすると、《太陽に祝福されしダクソス》の誘発型能力で《太陽冠のヘリオッド》の能力が誘発するため、《歩行バリスタ》の+1/+1カウンターが2個に増えます。余った2マナを使って絆魂能力を付与すれば4ターン目に無限コンボ達成です。
《太陽に祝福されしダクソス》以外にも、絆魂持ちのクリーチャーでもこの動きは成立します。


  


既存デッキに無限コンボのアクセントを加えたデッキ - 白緑《硬化した鱗》、黒緑白 高揚


《太陽冠のヘリオッド》+《歩行バリスタ》のコンボは2種類で済むため、白単信心以外でもデッキの研究が進められています。


・白緑《硬化した鱗》


deckexplorer15 12.png



Designed by XFILE in Magic Online - Pioneer Challenge 19th Place


  


《硬化した鱗》デッキは《巻きつき蛇》の存在から黒緑が主流でしたが、《太陽冠のヘリオッド》に乗り換えた白緑のタイプが現れました。
もともと黒い呪文は《巻きつき蛇》くらいしか使っていませんでしたし、《歩行バリスタ》を使うデッキでしたので、大きな負荷のかからない変更だと思います。(《太陽冠のヘリオッド》自体が《巻きつき蛇》ほど役に立つかは怪しいところですが)


メインデッキの構造は黒緑の頃と比べて大きく差はありません。《巻きつき蛇》が《太陽冠のヘリオッド》に差し替えられているくらいでしょう。
サイドボードは影響が大きそうです。一部に対してクリティカルな《ドロモカの命令》を使えるようになった反面、《思考囲い》《暗殺者の戦利品》《突然の衰微》といった汎用性の高いカードが使えなくなりました。


 


・黒緑白 高揚deckexplorer15 11.jpg


Designed by WORSNOP in Magic Online - Pioneer Challenge 32th Place


  


黒緑の高揚デッキもまた、《歩行バリスタ》を当初から使用しているデッキタイプです。
《太陽冠のヘリオッド》自体はさほどデッキに合致したカードとは言えませんが、《ウルヴェンワルド横断》によって適宜サーチできることから無理のない採用と言えるでしょう。《残忍な剥ぎ取り》の能力で墓地に落としても高揚達成に役立ちます。


白への信心はほとんど溜まらないものの、《歩行バリスタ》以外に相性の良いカードが使われています。


deckexplorer15 05.jpg


特に継続的にライフを得られる《クルフィックスの狩猟者》は、《アジャニの群れ仲間》さながらの速度で成長してくれるでしょう。


  


  


《自然の怒りのタイタン、ウーロ》搭載デッキ - 青緑ランプ、《ニヴ=ミゼット再誕》


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《太陽冠のヘリオッド》と並ぶトップレアの一角、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》。
3マナで3点ライフを得られる《探検》でありながら、墓地さえ用意できれば6/6のフィニッシャーとして蘇ってきます。その性質から土地を伸ばしたいミッドレンジ系統のデッキに合うでしょう。
このカードの恩恵を強く受けているデッキタイプは2つです。


 


青緑ランプ


deckexplorer15 15.png


Designed by LACRIATURABB in Magic Online - Pioneer Challenge 9th Place


  


ランプ系統のデッキは緑単が主流でしたが、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の加入に伴い青緑に派生したようです。
パイオニアの大会2日間分を見ても緑単ランプは確認できず、デッキリストが掲載されているのは全て青緑です。


青緑にしたことで得た主なカードは、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》以外に《ハイドロイド混成体》《成長のらせん》があります。サイドボードから《軽蔑的な一撃》《神秘の論争》といったカウンター呪文を使えるようになったのも大きな相違点です。


deckexplorer15 07.jpg


特筆したいのはデッキの安定性を支える《成長のらせん》。《エルフの神秘家》《ラノワールのエルフ》といった弱点(=相手の除去呪文の的になってしまう)の目立つカードを使わずに済むようになったことは大きなメリットと言えるでしょう。
なお、紹介したデッキリストには搭載されていませんが、2マナの加速呪文としては《狼柳の安息所》も選択肢に増えています。


deckexplorer15 08.jpg


強化されたコンボデッキ(後述します)や、トップメタの一角に目される《ニヴ=ミゼット再誕》デッキに刺さるカウンター呪文を使えることも、メタゲームに合致した進化と言えるでしょう。


 


《ニヴ=ミゼット再誕》デッキdeckexplorer15 14.jpg


Designed by ANDYAWKWARD in Magic Online - Pioneer Challenge 4th Place


  


環境が単色アグロに傾倒するや否や、待っていたかのように出現して瞬く間にトップメタの席についた《ニヴ=ミゼット再誕》デッキ。《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はこのミッドレンジの王にも力をもたらしました。


本デッキの弱点の一つは《ニヴ=ミゼット再誕》への依存度が高めなことでした。場に出ることを妨害されてしまうと、あとは多色カードの寄せ集め......烏合の衆とでも呼べるようなデッキになってしまいます。特にキーカードが5色であるために《神秘の論争》や《害悪な掌握》といった色対策カードに全て引っかかってしまうので、サイドボード後は厳しい闘いを強いられる傾向にありました。


《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はメインデッキの基本戦略(マナを伸ばし、《ニヴ=ミゼット再誕》からの大量アドバンテージで押しつぶす)を進めながら追加のフィニッシャーとして活躍するので、それなりに弱点を埋めてくれる良いカードと言えるでしょう。
《神秘の論争》《害悪な掌握》は効きますが、脱出能力によりある程度の耐性を持っていますし、《敬虔な命令》に対してはそもそも対象となり得ません。
また、《ニヴ=ミゼット再誕》同系戦において、《漂流自我》で《ニヴ=ミゼット再誕》を追放されたあとにもフィニッシャーになってくれます。


ちなみに、2日間の大会結果を見ると《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は1枚から3枚まで採用枚数はバラバラでした。先述の大会結果では、3枚以上採用したデッキを青太文字、2枚以下採用したデッキを赤文字にしています。


 


 


《死の国からの脱出》搭載デッキ - ロータスコンボ


deckexplorer15 16.png


Designed by YUYAN in Magic Online - Pioneer Challenge 5th Place


  


ヨーグモスの意志》を彷彿とさせる「ヤバイ」匂いを隠し切れない《死の国からの脱出》は、既存のコンボデッキに入り込みました。
今までの《睡蓮の原野》コンボ、通称ロータスコンボは《睡蓮の原野》を各種カードでアンタップしてドローを連鎖させるルートしかありませんでしたが......


deckexplorer15 09.jpg


慢性的な水害》をエンチャントした《睡蓮の原野》をアンタップし続け、《タッサの神託者》によって特殊勝利するルートが現れました。
《慢性的な水害》のおかげで脱出に必要な墓地を常にキープできるので、《死の国からの脱出》《慢性的な水害》《睡蓮の原野》を置くだけでコンボが決まります。


本デッキは墓地への依存度こそ高まったものの、以前までのロータスコンボから明確に強化されており、グランプリ名古屋に向けて注目度が高まっています。
他に『テーロス環魂記』による強化を得た青緑ランプや《ニヴ=ミゼット再誕》に対して相性が良く、直接対決では(これらのデッキが強化されたにも拘わらず)勝ててしまいそうです。そういう意味でも最も『テーロス環魂記』の恩恵を受けたデッキと言えるでしょう。


ちなみに上記デッキリストはmagi pros所属の細川 侑也選手のものですが、大会後のツイート更新でデッキの改良版を載せられています。


 




以上、デッキリスト探検隊第16回でした。


グランプリ名古屋まであと1週間と少しになりましたが、『テーロス環魂記』加入により大きく環境が変わりそうです。
まだまだデッキリストのチェックは欠かせませんね。


それでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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