岩SHOWのEssay:The Gathering 第5回『統率者...否、EDHと私』

 先日、マジックフェスト・名古屋2019にてコマンドゾーンなるものが導入されることが発表され、そこを使用するために必要なコマンドゾーンパスの事前予約も開始された。


これがなんなのか、リンク先でも書かれているが統率者戦を楽しみたいプレイヤーのための専用エリアのことである。統率者好きな仲間内で、あるいは初めて会う人と、時間と場所を気にすることなくじっくりとゲームが堪能できるフリープレイ専用エリアを設けますよということだ。


これはこの夏に開催されたラスベガスのマジックフェストにて初めて導入されたもので、全世界のマジックフェストでも同様のものを導入しようという訳でこの度名古屋にて実施されることとなった。このエリアを使用するにはパスを購入する必要がある。つまり有料なのだが、それに見合うだけのスペースとコマンドゾーン限定プロモの《太陽の指輪》が手に入るので、価値を見出した統率者戦好きなプレイヤーは是非とも遊びに来て欲しい。


一人や二人での参加となっても、このコマンドゾーンであればすぐに対戦相手が見つかることだろうから安心してほしい。もしかしたら、ゲスト参加しているプレイヤーと対戦できるかもしれない。ゲストの中にはあんな人やこんな人もいるとは聞いているが...そこは公式発表をお楽しみに!


 


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第5回:統率者...否、EDHと私


 僕にとっての統率者戦は...まだこの公式の名称がつけられる前。Elder Dragon Highlander、略してEDHと呼ばれていた頃に熱狂的にプレイしていたフォーマットだ。この言うなれば同人的・カジュアルな遊び方がネットを通じて海の向こうから情報が浸透してきたばかりの頃だ。伝説のクリーチャー1枚とそれと色が合うカードで構築した99枚のデッキで4人対戦。


今となっては当たり前のものとなっているが、当時はこの未知すぎるフォーマットの存在を耳にした時に心が躍ったものだ。今でこそ"伝説のクリーチャー=強い"の図式が成り立つが、黎明期のそれは個性が強すぎるもの、デメリットがあり得ないほど付与されたもの、ほぼ能力がないもの...そんなどうしようもないヤツらで溢れていた。僕はそんな古き良き伝説のクリーチャー達が大好きだったのだが、さすがにそれらが使用可能なレガシーなんかでは使い道もへったくれもなかった。


そこにやってきたのがEDH。このフォーマットを知った時、「ジェネラル(EDH時代の統率者のこと)、ネタカードでも全然やれるやん」というのが僕の感想。



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この頃に最も人気のあったジェネラルは《ラノワールの使者ロフェロス》。色は単色であるものの、このマナ加速を最序盤に確実に戦場に出せるのはそれだけでグッと勝利に近づく。使えるマナを増やせば増やすほどリターンが大きいのはマジックの常識ではあるが、このフォーマットではそれがより顕著だ。


このゲームで"勝ちに行く"のであれば、真面目にクリーチャーを出して殴ってなんかとてもじゃないけどやってられない。何せ40点のライフを持った対戦相手が3人もいるのだ。同名カード1枚のみの構築でビートダウンを組むだけでも難しいのに120点削れってのは酷である、除去呪文も3倍飛んでくるわけだし。なのでこのフォーマットで3人とも薙ぎ倒して勝ちたければコンボを使うのがベスト。コンボに必要なものはやはりマナ。そんなわけでロフェロスはむちゃ強だったのだ。


僕も遊び用にロフェロスを組んで《らせんの円錐》で勝利したことがある。ロフェロスに次いで人気があったのは《ヴェンディリオン三人衆》だったかな。こちらはコンボデッキを抑えこむためのコントロール、打ち消し祭りのパーミッションと呼ばれる類のデッキであり、かつ自身もヴェンディリオンで安全確認してからこれに《変身》を唱え、ライブラリー内の唯一のクリーチャーである《引き裂かれし永劫、エムラクール》を引っ張り出して勝つ、というコンボを仕込んでいることが多かった。


 


 こんなガチなジェネラルを用いずとも、このフォーマットは楽しめる。それが僕の考えだった。EDHは最後の一人として生き延びればそれでいい。何も自らの手で3人倒す必要はないのだ。ネタ要素の強いジェネラルでガチ連中の攻防を陰から見守り、最後に美味しいところをいただく!これぞ世渡りEDH!というわけで、EDH黎明期といえる時期にはよくわからない面々でデッキを量産したものだった。以下に覚えているデッキを↓


 


銀のゴーレム、カーン
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色付きのカードがデッキに入らない、ジェネラル公開時に出オチ感が溢れるナイスカード。ただアーティファクトのみでも勝てるデッキは組めるもんだ。このデッキで使ってみて衝撃的だったのは《Jester's Mask》。《頭脳いじり》のアーティファクト版で、相手のライブラリーをすべて確認したうえで手札をグズグズにできる。


これが初めて火を噴いた時、友人らもこのカードは完全に初見だったので度肝を抜かれて爆笑していた。そのままBIG MAGICなんば店で50円で売っていたものをお買い上げする者もいたのはなんか「やったった」感があって嬉しかったな。


 


 


山崎兄弟
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征太郎と秀次郎、それぞれのデッキを構築した。征太郎(槍の方)はバーンデッキ、秀次郎(二刀流)をランデスデッキにして、同卓した友人に「山崎行っとく?」と誘いをかけて片方のデッキを託し、ゲーム開始時から完全にコンビ打ちという多人数戦への反逆児。


兄弟が戦場に揃ったタイミングこそゲーム中で盛り上がりが最高潮に達するところ。ただ、大して強くないのでコンビ揃ってスルーされがち。強キャラデッキ二人が潰し合う展開にうまく持って行きたい。


 


 


Lord of Tresserhorn
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このカードには思い入れが深い。まずイラストが最高過ぎる。「はい次お前」と右手で綺麗に指示しているのが好感度高い。ていうか某吸血鬼漫画のボスキャラやん。グリクシスカラーという強い色でデッキを組めるのも嬉しい。4マナ10/4、ヤベースペックもたまらない。再生という気持ちばかりの除去耐性と、半端じゃないデメリットを併せ持つ。


2点ライフルーズ、クリーチャー2体生け贄、そして対戦相手一人にカードを2枚引かせる...こんなカードを1対1のゲームで用いればどうしようもないものだが、そこはEDH。ちょっと事故り気味だけどもきちんと回れば強そうなデッキを使っているプレイヤーなんかに「ほら、2枚引きなよ」と助け船を差し出して好感度アップ。親密度を上げて他の二人を妨害してくれている間に、この伝説のゾンビで殴り倒そう!


「ジェネラルによる戦闘ダメージ21点」という敗北条件を、ちょっと強化してやることで一撃で満たしてやることが可能だ。《炎叫びの杖》とゾンビ強化系のカードでワンショットを何度も狙ったものである。《生体融合外骨格》を装備しても一撃必殺汚染パンチをねじ込める。今統率者戦をやれと言われたら、僕はコイツか《Hazezon Tamar》の2択かな。


 


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 思い出深さというか、戦績的には《二の足踏みのノリン》デッキが最高のことをやってのけた。BIG MAGICなんば店は当時、EDHを猛プッシュしており、定期的に対戦会も開催していた。その熱が最高潮に達した時、EDH最強決定戦という大会が開催された。16名参加で4卓でゲームを行い、各卓の最終勝者4名で決勝卓をプレイする。この大会には皆、それぞれにマニアックな多人数で火を噴くカードを潜ませたそれぞれのベストデッキを持って臨んでいた。


そこにノリンデッキを持って行っちゃったんだなこれが。当時はモダンもなく、ノリンというカードを用いる構築戦のデッキは存在しなかった。伝説のクリーチャー達の中でも黎明期のものを除けば最弱クラス。このカードでEDHのデッキを作ってくれと当時のBIG MAGICスタッフに依頼され、頭を悩ませたものだ。一週間どっぷりとノリンのことを考えて、いくつかのキーカードが浮かび上がった。


 


 


起源室
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今でこそノリンと組ませることが定番となっている1枚だが、当時このカードのことを知らないプレイヤーの方が多かったもんだ。ノリンが毎ターン出入りするたびに1/1が湧く。EDHなら自分のターンから次の自分のターンまでの間に最大で4体マイアを生成することが可能だ。一度設置すればあとは放っておけばじゃらじゃらと不労所得を稼ぎ出してくれる。このチビ達を活かすには...


 


カイレン式交渉
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ノリンとマイアを毎ターンタップしてライフを削る、これだな。ターン一周で8点叩き出せる。こう書くとしょっぱいように見えるが、のらりくらりとこのチビチビダメージを重ねていって勝つ...それしかノリンデッキのゴールはない!《伏魔殿》とこれを併せて、さらに《ラースの灼熱洞》を重ねれば十分な殺傷能力を誇る...ッッ。


 


 


 というわけでこのノリンコンボのパーツを揃え、《抹消》or《ジョークルホープス》で流してグダグダに持ち込めば勝てる!《起源室》を護りたいから無駄に《ダークスティールの溶鉱炉》とかも入れてまえ!と適当に組んだ時点でデッキは120枚。そこからダイエットにダイエットを重ねて誕生したのが大会当日に持ち込んだノリンデッキだ。


 で、肝心の当日。一体どんなデッキと対戦したかは正直ほとんど覚えていない。《始祖ドラゴンの末裔》と《ヴェンディリオン三人衆》、それから当時大人気だったもう一人のジェネラル《Rasputin Dreamweaver》もいたっけか。ラスプーチンという名が『レジェンド』の背景ストーリー入り乱れたカオスさを物語っており一見ネタカードにも見えるんだけども、青白にして珍しいマナ加速が可能なジェネラルなのでかなり人気だったな。エンチャントやアーティファクトの重いやつをこれからプレイして圧倒するのがEDHの王道だった。まあ予選、そして決勝ラウンドでそういうデッキ同士がぶつかり合っている内に...僕はこそこそと《カイレン式交渉》を設置し1点ずつ削って...限界に達した誰かが《抹消》を撃ってくれて勝手にハマって...みたいな展開で、勝っちまったんだな。優勝すわ。書いてて思い出したけど《兵員の混乱》がむっちゃ強かったんよね、ノリンが出てきて相手のキーカードと交換して、ノリンは勝手にこっちに帰ってきて...っていう。マジで混乱を招いていた模様。


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 というわけで優勝賞品の《Chaos Orb》を手に入れたのであった。まさか今になってオールドスクールのせいでこのカードの値段がとんでもないことになってるなんて...もう自力で買うことはさすがに出来ん値段になっているので、大事に持っておこう。


てな具合に、統率者戦は楽しいフォーマットなんで(これで伝わったんか?)、皆もコマンドゾーンに殴り込むように!『エルドレイン王権』のブロールデッキを改造して持ってくる、ぐらいでも楽しめると思うので、マジックフェスト・名古屋をお祭り気分で楽しんでほしい。グランプリ参加組みたいに朝はよ起きなアカンとかがないのが、カジュアル組の良いところなんよな~。勿論僕も会場にはいるので、格闘漫画の関節技の応酬でもして遊びましょう。ちょっと気が早いかもやけども宣伝でした、ほな、また...。



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