いつも利用しているデッキリスト掲載サイトにて、"Oko Championship"なんてタイトルで掲載されていた__それぐらいヤベーことになっていたミシックチャンピオンシップⅥ。オールフォーマットでその強さを奮う《王冠泥棒、オーコ》。そりゃあこれがスタンダードで好き放題できるんならこうなるわなという、まったくもって納得のいく結果となった。
オーコへの全世界のプレイヤーからの憎しみは今こそ最高潮に高まっているんでしょうな。個人的にはキャラも立っててオーコ自体は嫌いじゃないし、カードパワーが高くてもなんというか...洒落を利かせれば相手も納得するんじゃないかと思っている。
食物トークンを生成するオーコ、彼がこのシェフ的な役目をしっかり果たせるようなデッキ構築をすれば相手も「またオーコかよ!」と露骨に嫌がりはしないんじゃないかな。《意地悪な狼》ではなく、本来そういうのを喰うのにふさわしいフードファイターの方々と組ませてはどうだろうか?というわけで今回のテーマ発表。
第10回 マジック:ザ・フードファイト~俺の胃袋は多元宇宙だ~
食物を毎ターン生み出すオーコと組ませるべき食いしん坊を求めて。個人的にここで大事なのは「オーコと組み合わせることで超強くなるカード」なんかを探すわけじゃないってこと。そんなのはもう真面目にデッキ組むときに皆通過したでしょう。わざわざガチなデッキを構築するわけじゃないんだ、出オチで良いんだ。ってことで"食う"とか"喰う"とか"貪る"とかでカード名検索だ。
食べる姿勢を持っていて、カード名でそう名乗っているヤツを抜きにして今日のデッキは始まらない。それもちょっと食う、かじる程度じゃダメだ。思いっきりとてつもなく食ってくれなきゃあ張り合いがない。大食い対決をしようってんだ。小食のやつは玄関で前菜つついて帰ってくれ。
というわけで色々と食ってくれそうな方々を探してみたが、まあ懐かしいカードの多いこと。《肉食いインプ》なんて名前からして良いよね、でも野菜も炭水化物も食って欲しいから好き嫌いするやつはダメだな。《思考を食うもの》《思考を貪るもの》も懐かしいな。2マナ2/2飛行、4マナ4/4飛行なんて当時全くいなかったから異様に強そうに見えたもんだよ。
実際に使ってみて当時の青のバチバチに構えて戦うスタイルと全くかみ合ってなくて震え上がってデッキを秒速解体した。手札を捨てることになってもフラッシュバック呪文を捨てれば損してないんじゃないか?とか思ったんだけどもね、《野生の雑種犬》で能動的に捨てた方が兆倍つええ。イラストは味があって好きだし使ってやりたさはあるなぁ。サイクル最小の《思考をかじるもの》は前述の通り少食アピールしているのでお呼びではない。
デッキ構築云々を抜きにして最も好きな大食い野郎を選べと言われたら《Eater of the Dead》に並ぶものはない。死者を喰うものだぜ、名前もヤバけりゃイラストもブルータルデスメタル感に溢れていて見ているだけで元気になれるってなもんよ。
能力は、これがタップ状態の時にのみ使えて、墓地にあるクリーチャーカード1枚を追放してこれをアンタップする。攻撃し、戦闘でぶっ殺したやつの死骸を貪り喰らう、無慈悲な忌むべき存在。いや~むっちゃ良いよ、これだからマジックは最高よ。このカードを見ていると《死儀礼のシャーマン》がどれだけイカレたデザインだったのかがよくわかる。やつにはイーター様の持つエレガントさが足りんわ、忌み嫌われ度ではある意味オーコとお似合いかもしれないが。
この調子でやっていくといつも全○○レビューみたいになってしまいそうなので、心苦しいが切り替えて。2枚のカードに注目することにした。
まずは1枚目《空を飲み込むもの》。
咀嚼も必要ないバキューム食いだ。キッズの時に見たテレビの大食い対決番組で「噛むと顎が疲れてしまうから極力噛まずに飲み込むことが大事」と王者が語っている様を目の当たりにしてドン引きしたことを覚えている。
お寿司を2貫同時に頬張り、あっという間にストンと飲み下す。喉の力、嚥下力ってやつが優れたものこそ、オーコの食物をたらふく喰わせてやるには相応しいのではないだろうか。その点こいつは、空すらも飲み込んでしまうってんだから文句なしでしょう。5マナ8/8飛行と引き換えに他のすべてのパーマネントを対戦相手に差し上げますという、豪胆が過ぎるデザインだ。《流刑への道》を撃たれてお情けの土地1枚だけ頂いて投了、してみたい。
もう1枚、こいつは更に規模を拡げた食いっぷり、《日々を食うもの》だ。好きな食べ物は日々、もはや大物とかでは形容できない、誤植としか思えない自己紹介に痺れるじゃないか。4マナ9/8飛行&トランプルと、《空を飲み込むもの》を上回る規格外のサイズとマナ効率の良さを誇る。何より見た目が気が狂うほどカッコイイ(アーティスト・Mark Tedinの信者ゆえ)。デメリットはこれまたマジック史に残る規格外っぷりで、向こう2ターンを飛ばしてしまう。つまりこれを出した返しに相手が3ターン連続で行動することになる。
...死んでる!絶対死んでるわ!これを真面目になんの仕掛けもなく運用するプレイヤーがいたら...あまり他人のマジックの楽しみ方には口出しするべきではないとは思うが、それでもアドバイスしてあげて良いだろう。「ターンが飛ばない裏技、使った方がいいですよ」って。それでも「俺は2ターン飛んじまった果てにコイツで殴り出したいわけよ!」と言われたらもう降参だ。その人は《メムナーク》(※)の生まれ変わりである。
(※:初代ミラディン・ブロックの背景ストーリーにおけるラスボス。ミラディン次元に住まう人々を絶望の淵に追いやるために《地ならし屋》を大量生産した愛すべきクレイジー。《地ならし屋》に対抗する術を身に着けつつある住人らに向けて送り込んだ次なる脅威が《日々を食うもの》。ライブラリーを吹っ飛ばし、ターンも放棄する。正真正銘のドMロボである)
これらの2大怪獣を、とりあえず要求する色は青のみなのでオーコとの色の問題もクリアしているしデッキにまとめられそうだ。フォーマットはこれらが共演できるモダンでいこう。とりあえず、戦場に出る際に大いなるデメリット能力が誘発するのでこれをどうにかすればいい。うん、簡単じゃないか。
《倦怠の宝珠》を設置し、対戦相手のクリーチャーが戦場に出た際に誘発する能力を無効化。これでコンボやアドバンテージの獲得を妨害しつつ、こっちのWリバイアサンの能力もなかったことにして、ただ単にマナ効率の良いフィニッシャーとして運用だ。《倦怠の宝珠》は2枚目以降が腐りがちなので、それはオーコで大鹿にして戦闘させたり、-5能力でなんか適当なクリーチャーと交換してやっても良い。こう書くと噛み合っているっぽいだろ?
キーカードである《日々を食うもの》と《倦怠の宝珠》は無色なので、エルドラージデッキではないが《古きものの活性》を採用してみた。枚数は適当である。《アーカムの天測儀》なり、最悪土地も見つかるだろう。
天測儀を用いるのでもちろん冠雪基本土地と《虹色の眺望》の定番パッケージを。これを活かすために折角なので好きなカードである《真冬》で除去する形にした。また、土地と言えば《魂の洞窟》も仕込んである。大飯喰らいのかわいいヤツらは両方リバイアサンなので、これで打ち消されることを防いでやろう。
デメリットをチャラにするのが《倦怠の宝珠》オンリーでは心もとないので、誘発型能力を打ち消す《計略縛り》と《覆滅》を。既にリバイアサンが戦場に出ている時に引いたら《複製》として使えるように《覆滅》の方を枚数優先してみた。どっちにしろ計6マナか7マナ必要になるので、あんまり強くないことは言うまでもない。《もみ消し》と《ファイレクシアン・ドレッドノート》へと羨望のまなざしを向けて。
一度も回していない適当に作ったデッキ、どうだったかな。万一勝つことがあるとすれば、リバイアサンに除去を使わせて消耗戦になった後でオーコが3/3をたくさん作って殴り切りってなもんだろうか。《古きものの活性》で見つかり、デメリットを打ち消す手段がなくても速攻を与えて殴りにいかせられて、最悪オーコで鹿になる...ってことで《稲妻のすね当て》も入れたかったな。どっか削って入れてみて。
とりあえず負けまくるだろうし思っているよりも"ファン"デッキではないかもしれないが、まあPC起動から2時間くらいでここまで持ってきた急造記事だから許してクレメンス。ほな、また。