Text by Yoshiki Kuwahara
グランプリ本戦は2日目のスイスラウンド最終戦を迎える頃、プロツアー『イクサラン』予選も時を同じくしてスイスラウンド最終戦を迎える。
お呼びしたのは8回戦開始時点で18ポイント(6勝1敗)のアレサンドロ・コルテセと中村篤史。
競技イベントの会場でもお見かけすることの多いこの二人。勝者がシングルエリミネーションに進出することになる。
中村は『カラデシュ』当時から使い込んでいるというマルドゥ機体を。コルテセは『破滅の刻』のカードも多く採用されている赤黒アグロをそれぞれ使用しているようだ。
【GP京都2017】プロツアー『イクサラン』予選 Round8 アレサンドロ・コルテセ(大阪) vs 中村 篤史(愛知)
Game1
先手のコルテセは《屑鉄場のたかり屋》からのスタート。
後手の中村はマリガンがあったものの《秘密の中庭》から《スレイベンの検査官》、続けて《キランの真意号》と順調に展開していく。
コルテセが勢いよくプレイした《アムムトの永遠衆》に少し驚かされたが、これに中村は《無許可の分解》で応え、4ターン目に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を万全の状態でプレイする。
デメリットは持つものの、序盤においては規格外のサイズである。
満を辞して搭乗させた中村の《キランの真意号》にはコルテセの《致命的な一押し》が突き刺さる。
さらに2枚目の《致命的な一押し》を《スレイベンの検査官》に。続けて同盟者トークンに3枚目をためらいなく使用し。《ボーマットの急使》を2体を含めた攻撃で、中村の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を退場させる。中村はゆっくりと手がかりトークンに手を伸ばし、考え込み、そのまま残ったコルテセの5点のクロックが対処できないことを確認すると投了を選択した。
コルテセ1-0中村
Game2
先手の中村はマリガンを選択し、2ターン目まで土地以外の動きのないスロースタート。
その間コルテセは土地こそ止まってしまったが《ボーマットの急使》に《地揺すりのケンラ》2体と攻める手を緩めない。中村も《マグマのしぶき》で《ボーマットの急使》こそ排除するも1/1の《模範的な造り手》ではまだ盤面は心許ないままだ。
迎える中村の4ターン目《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を手に握り、相互の手札と盤面を確認し一瞬出し渋る様子を見せるが、やはり順当に2/2の同盟者トークンを並べターンを返す。ここは土地が思うように並んでいないコルテセから盤面の主導権を取り返したいところだろう。
その期待が通じたのかコルテセは《模範的な造り手》に《致命的な一押し》を当て《地揺すりのケンラ》を1体相打ちで失い、コルテセは《地揺すりのケンラ》を、中村は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を残す盤面となった。
選択肢が狭まる焦りを隠せないコルテセを余所に、中村は《経験豊富な操縦士》の占術で土地を確保し《領事の旗艦、スカイソブリン》の発進準備を済ませると膝に手をつき小さくため息をついた。
巡る次ターン、もはや梨の礫だった《屑鉄場のたかり屋》が《領事の旗艦、スカイソブリン》に消炭にされたコルテセに残された手はなく、投了を選択するのだった。
コルテセ1-1中村
Game3
先手コルテセの《戦慄の放浪者》と中村の《模範的な造り手》が相打ちする滑り出し。2ターン目に引いた《スレイベンの検査官》を見て少し笑う中村。コルテセも《屑鉄場のたかり屋》と黒系アグロの順当な展開を見せるところで、《模範的な造り手》のクロックは確保して置きたいところだったか。
ここで登場するのがコルテセの切り札《アムムトの永遠衆》。Game1と同じく堪らず中村の《無許可の分解》に即刻破壊されるが、このサイズ感が生み出すプレッシャーはなかなか侮れない。
そして全てのゲームで4ターン目に《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイする中村。《ボーマットの急使》《屑鉄場のたかり屋》の2体を前に試合の流れを掴みたいところだったが、コルテセは同盟者トークンと《スレイベンの検査官》2体にそれぞれ《無許可の分解》を打ち込み、ダメージを全て《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》へ割り振ると、乱暴ではあるが盤面の優位を取り返していく。
中村のなけなしの《スレイベンの検査官》もすかさずコルテセは《致命的な一押し》で排除し、着実にクロックを重ねていこうという姿勢を見せる。追い込まれている中村は帰ってくると知りながらも《無許可の分解》を《屑鉄場のたかり屋》へ。続けて《反逆の先導者、チャンドラ》で《ボーマットの急使》を焼くも、当然コルテセは《戦慄の放浪者》と《屑鉄場のたかり屋》を場に戻し《反逆の先導者チャンドラ》を排除。
中村は《経験豊富な操縦士》の占術の後手掛かりトークンで1枚引き、コルテセの《街の鍵》の「ブロックされない」の文言を確認すると、右手を差し出した。
コルテセ2-1中村