【GP京都2017】Day3 ステージイベントダイジェストその2
text by Seigo Nishikawa
Vol.3 ロン・フォスターを倒せ! 「Archenemy:Nicol・Bolas」
「破滅の刻は来た! 虫けらどもめ、弱いくせに刃向かうとは。折角なので少しは楽しませてもらいたいものよ」
《王神、ニコル・ボーラス》は、いや《王神、ロン・ボーラス・フォスター》高らかに吼えた。
ボーラス様が支配する世界、アモンケット。
しかしその様な悪の力に屈せず、その支配を打開せんとする3人のプレインズウォーカー。ギデオン・ジュラ、ニッサ・レヴェイン、チャンドラ・ナラー。アモンケットでは一敗地にまみれたプレインズウォーカーであるが、ここ京都はパルスプラザに戦いの場を移し、リベンジに挑む。
「Archenemy: Nicol Bolas」とは、魔王戦と呼ばれる1対3の戦い。強烈無比なスペルを操る魔王に対して、プレイヤー3人が戦うというカジュアルフォーマットだ。魔王の強烈性を示すために、魔王側には20枚の「計略カード」が用意されている。1ターンに1回繰り出されるこれを掻い潜って、プレイヤーは魔王討伐を目指すというゲームである。
だが《王神、ロン・ボーラス・フォスター》によるともう少しルールが異なるらしい。
「このゲームのルールを説明しよう。まずボーラスが勝つ、これは大前提だ。
ボーラスがドローした後、我が計略カードを1枚実行します。汝(プレイヤー)らは、手札を見せ合ったり好きなように相談してかかってきなさい。どうせ勝てませんし」
非常にわかりやすい。というかボーラス様が勝つことは決定している模様である。
ボーラス様に挑む3人。右からギデオン・ニッサ・チャンドラ。
栄えあるボーラス様の最初の計略は
これでいきなりニッサのプレイヤーはボーラス様に攻撃できないという思い思い枷を課せられることになった。これもあってか、思うような動きをすることができないPW3人。いきなり暗雲が立ち込める。
更に続けて
《自らの終焉を選べ》
《狩りの喜び》
と、マナを使わずに次々とアドバンテージを稼ぎ続けるボーラス様。ついには
《我が贈り物を汝らへ》
と、真夏の京都でクリスマスプレゼント。
だがPW3人も一方的にやられているだけではない。ニッサの《忘れられた古霊》を合図に、堰を切ったようにギデオンとチャンドラが順々にクリーチャーを送り込む。これで《忘れられた古霊》が一気に巨大化。これでニッサへの枷がようやく解き放たれた
しかしそんな抵抗も、ボーラス様の手のひらの上だったか。続いて繰り出す計略が
《汝のものは全て我が手に》
いままさに生まれたばかりの《忘れられた古霊》がボーラス様の下へと走ってしまうという結果に。それでも枷を解き放ったPWたちは、ようやく意気を合わせてボーラスへ大進行。一気に15点のダメージを叩き込み、《狩人の勇気》を使用していたニッサが7枚ものカードをドローすると、ボーラス様は「気に食わんな」とこの試合初めての愚痴をもらす。
続くターンには、チャンドラが《結束の限界》でボーラス様から《忘れられた古霊》を奪取すると、ターンの終了時には、オーナーであるニッサの元に古霊が帰るというファインプレイ。ギデオンの的確な指示に、ニッサとチャンドラが答え、ボーラス様のライフを7点まで押し込み、勝利まで後一歩。
だが、ボーラス様はこの程度では倒れない。
《邪悪を知れ》
で1ターンを稼ぎ出すと、
《しかと見よ、我が偉大さを》
これにより《死致の執政》がボーラス様の招きに応じ戦場へ降り立つと、一瞬にして全てが無へと帰した。あとたった1ターン、だがそれは果てしなく遠い1ターンとなってしまう。
そして「いままでどれほど無駄な足掻きをしていたか教えてやろう」ボーラス様は秘奥義を見せ付ける。
これにてニッサが遂に地に倒れ、PWの共同戦線は決壊した。
かくして歴史は繰り返された。だがボーラス様の
「予想よりてこずらされましたね」
という言葉とともに、PW3人への拍手をおくった。これはボーラス様の最大級の賛辞と素直に受け取っておこう。