【GP京都2017】Day2 ステージイベントのご紹介その3
text by Seigo Nishikawa
Vol.6 カートン・ピラミッド
古くは4,500年以上の昔、エジプトではピラミッドの建設が始まった。科学文明が発達し、様々な重機が存在する現代であっても困難と言われる建立作業。これを当時の人は地道な計測と、多大な人間を注力することで成し遂げていた。その美しさは、今の人の心をひきつけてやまない。
そこにあったのは成し遂げようと言う精神力と、並外れた体力。
これって、M:tGにも通じる要素ではないだろうか。不利な状況にも屈せず、勝利を勝ち取るための精神力。何回戦も連続で戦い続けるには何をおいても体力だ。ならば今こそ古代人の英知を振り返ってもよいのかもしれない。
ということで、うずたかく詰まれた資材(?)の山からピラミッドを作り上げるという、灼熱の京都で何をさせるのかというイベントが開催されることになった。
まず、日々ピラミッド建築にいそしんでいるということでおなじみの奴隷リュウジがデモンストレーション。5段のピラミッドを21秒で組み立てるという成果を見せると。これが標準タイムと定められる。この値を元に倍の40秒の間にどれだけの高さのピラミッドを組み立てることができるか、という宣言をしてもらい、それをクリアすればその日の報酬がもらえるという仕組みだ。
労働なくして対価なし。
体力には自身があるという屈強な男たちが次々と挑戦に名乗りを上げる。基礎から積み上げていく者。まずは5段まで積みあげ、そこから横に拡張していく者、そのやり方は様々だ。しかし一つの作業を成し遂げんとするその姿は一様に美しい。
照りつける太陽の下、エジプトの民もアモンケットの民も、自分たちが行っている作業が結実するその日を夢見て、労働に従事していたのだろうか、そう思いを馳せる。
精神力と体力、その二つに自信を持つ貴方、そんな貴方の挑戦を私たちは心待ちにしている。
Vol.7 岩もんたの「クイズマジオネア」
クイズに答えるだけで人生を変えることができる A.Yes B.No
「A」
ファイナルアンサー?
「ファイナルアンサー」
...
......
............
正解!
岩もんたから繰り出されるクイズという「試練」を乗り越えることでブースターパックが手に入る。必要なのは知識と、岩もんたの圧に耐える心構えのみ。それだけでパックがざっくざく。まさに人生を変えてしまう、そんなイベントがこの「クイズマジオネア」。
ただし岩もんたもそんな簡単には人生を変えさせない。最初は甘い顔(易問)で「いい人だな」と思わせておいて、次第に難問、超難問へ。挑戦者の顔は絶望に歪ませる。だが岩もんたは同時に試練を乗り越える者が現れるのを待っているのだ。
そんな岩もんたへ堂々と挑戦状を叩きつける一人の男がいた。
彼の名は、シバタアキラ。
マジックを始めてまだ1年半という彼は、「それでよく名乗りをあげましたね」との岩もんたの挑発的な言葉にもひるまずに決意の視線を返した。「カードの知識は十分ではない」というものの、友の力を借り(※オーディエンス:観客から答えを聞くことが出来る)、文明の力を駆使し(※20秒間インターネットでの検索が可能)、そして時には2択から正解を運の力でもぎ取るなど、必死にその試練を潜り抜け、そして試練の頂に辿り着く。
正解すれば1BOX、外せばここまでの道のりを全て無に帰す、そんなシバタに向けられた最終問題。
シバタは「えぇ」と思わず声を漏らす。マジック暦1年半のプレイヤーにとっては余りに酷な問題かもしれない。だが「これって名前の長い土地ですよね」「カード自体は1回だけ見たことがあるんですよ」、その自身が歩んできた1年半をもう一度じっくりと振り返る。そして最後には「Cの礼拝堂」と岩もんたへの問いかけに応じた。
岩もんたは目を閉じる、シバタの決断にそれでよいのかと再度問いかける。だがシバタはもう「ここまで来たのだから、ここに賭けます」と、強い決意の言葉を述べ、まさに自分が今礼拝堂にいるかように祈りを捧げる。
岩もんたはシバタのそばに近寄ると、そっとその肩に手を置き
そして静かに告げた
「おめでとう」
破顔一笑とはまさにこのことか。こわばっていたシバタの顔は一瞬にして綻び、そして「最高の気分です!」と叫んだ。
今ここに1人の男の人生が変わったのである。
と、3回に分けてグランプリ京都Day2のサイドイベントをご紹介してきました。Day3も色々なイベントを用意しております。本戦だけがグランプリのイベントではありません。是非ともお誘い合わせのうえ、ご来場のいただけることを心よりお待ちしています。