Text by Kuwahara Yoshiki
次代のスタープレイヤーと銘打たれる"BIGs"メンバーに選ばれる条件とはなんだろうか?
獲得プロポイントの多寡だろうか。
それとも競技シーンでの特筆すべき戦績だろうか。
はたまた公表されていないような厳正な審査が行われているのだろうか。
くーやん「いろいろあるけどやっぱりMTGを面白くしてくれそうな人かな。』
"BIGs"総責任者でもあるMTG部門マネージャーはそう言って、
インタビューの際には是非彼らの人柄にも触れて欲しいと一際眩しい笑顔を見せた。
本日もグランプリ京都2017を契機に"BIGs"に新たに三名メンバー加入が発表された。
本稿はその三名のうち一人である"BIGs"新メンバー"野稲和弘"の魅力に迫っていきたい。
【GP京都2017】BIGs加入者インタビュー"野稲和弘"
(日下部恭平「くーやんのグランプリ・ラスベガス2017参戦記」より引用。フーターズホテルへ同行した際に撮影。)
■プロフィール
名 前:野稲和弘
所 在:広島県
プレイしている場所:ジョニーのお店
主な戦績:
グランプリ広州2016(モダン)11-4 プロポイント2点
グランプリ神戸2017(モダン)12-3 プロポイント3点
グランプリ静岡2017(スタンダード)10-5 プロポイント1点
グランプリラスベガス2017(レガシー)11-4 プロポイント2点
ワールド・マジック・カップ2015東京予選 TOP8
■プレイ歴、プレイ環境
関東、大阪在住のメンバーが大半を占めるなか、今回初の中国地方は広島県からの加入となる野稲。都心部とは違ったプレイ環境のなか彼のMTGとの出会い、そして競技に取り組むきっかけとはどう言ったものだったのだろうか。
野稲「ギルド門侵犯のパックを剥いて《繁殖池》のフォイルを引いたことが全ての始まりですね。それからグランプリ神戸2013で2日目に進出してしまって、2日目は全敗してしまったんですけど、福山のPTQでもたまたまベスト8に入って、そうこうするうちに今に至ります。普段は家が一番近いということでジョニーのお店でプレイしているので、ジョニープロス所属の杉山くんとはよく遊びますね。」
■旅するアドグレイス職人
特定の大きなタイトルを持っている訳ではない野稲だが、特筆すべきはその安定した戦績はもちろんのこと、近い所から台北、北京、香港、広州、ブリスベン、クアラルンプール、直近は13時間のフライトを越えてラスベガスまでを股に掛ける彼の海外グランプリ遠征への参加回数。そしてその卓越したモチベーションだ。
野稲「下手くそなんで参加回数を重ねないとって思います。めちゃくちゃ旅行も好きっていうのと、何より一緒に回ってくれる仲間がいるからってのはありますね。」
ーーくーやん、岩showのラスベガスレポートに登場したのも記憶に新しいです。海外GPで特に印象的だった出来事はありますか?
野稲「ラスベガスはめちゃくちゃでしたね(笑)遠征は本当に楽しいです。クアラルンプールでは一緒にGP参加した友人とそのへんの公園にいる現地の子供達と必死にサッカーしたのが一番思い出深いです。何しに行ったんだっていう(笑)」
続けてここには書けないような外国での思い出話に花が咲くが、一方で着実に積み重ねられた彼のプロポイントは現在8点を数え、数日前に新しく制定されたプロレベル「ブロンズ(PP10点)」に最も近いという立場に巡り合わせた唯一のBIGsメンバーでもある。彼としてもこのグランプリ京都2017は最後の2点を得る最初のチャンスだ。
野稲「目標は初日8-1です。プールは悪くないので練習の成果を出したいですね。」
先程までの砕けた表情に、ふと固い意思が差し込んだように感じた。結果はいかに。
■BIGs加入のきっかけ。BIGsとして。今後。
彼の他にはない"やる気"に魅せられたというくーやんから直々に声がかかったという。今日より数週間前、GPラスベガス直後の話だそうだ。
野稲「最初僕で良いんですか!?って感じでしたけど、くーやんさん、岩showさんをはじめBIG MAGICの皆さんにはお世話になってますし、BMのサプライはとても好きなので、こんな良いことないですしね!BIGsの既存メンバーの河浜さん、人見さん、それから藤本さんにも以前から気に掛けて貰っていたので、本当に嬉しく思います。」
今後の目標。またBIGsメンバー達のデッキ解説記事、コラム掲載、プレイ動画配信等が積極的にサポートされているのも"BIGs"の大きな魅力の一つ。メンバーのプレイ以外の活動もBIGsファン達も大きく期待するところだが、その胸中も伺ってみた。
野稲「やっぱりそこは変わらずプロツアーは目指していきたいですね。GPの成績は本当に惜しいことが多いのが悔しいです。企画については僕は文章が苦手なので記事は書けないしれませんが、面白そうな企画があればなんでもやりたいですね!来年のGPラスベガスにも必ず行きます!」
(お気に入りのサングラスはGPラスベガス、プライズウォールの賞品だ。)
■ちょっと待った!
野稲のBIGs加入に、彼を強く推挙したはずの人物から「待った」が入った。
ラスベガスで闇に飲まれた野稲には返さねばならない、小さい借りがあったのだ。
そうそれはほんの390ドルほどのスロット代である。
詳細はこちら。
Awesome Vegas!!~岩SHOWのラスベガス現地レポ~
(一部画像が加工されていることをお許し頂きたい。)
世界中どんな場所であろうとも、どんな苦境に立とうとも、彼の周りにはこうして常に笑顔が集まっている。彼がにBIGsに抜擢されたのはもちろんプレイヤーとしての実力を見込まれてのものだが、きっとそれ以上に感じて止まない魅力があったに違いないだろう。今後の野稲にはどんな楽しく新しいMTGが待っているのだろうか。決して目を離さないで欲しい。