text by Seigo Nishikawa
体力と頭脳のバトルボンド
先日バトルボンドという特殊セットが発売されました。ここで着目されているのはツーヘッドジャイアントと呼ばれる、二人一組となって戦うフォーマットです。ならばそこに乗っかったイベントを行おう、そう考えるのは自然な流れです。そこまでは普通です。
「単純にツーヘッドやっても面白くないよね」
そう言い出したのは誰だったのでしょうか。今となっては知る由も有りませんが、ツーヘッドジャイアントがBIG MAGICの手にかかった所、とてつもない変貌を遂げてしまいました。
ツーヘッドの一名はマジックを行います。而して今一方は......フラフープ!?
自身のターンはタッグパートナーがフラフープを回していられる間のみ、フラフープが落ちてしまったら、たとえそれがどんな状況であれ《時間停止》。即座に相手にターンが移るというハチャメチャなルール。そんないつも以上に二人の絆が試されるイベントでありながら我先にと参加の意思表明をするプレイヤー達。皆マジックが大好きで、そして友情に熱い人たちです。
ですが、言うは易し、行うは難し。意気揚々と《キランの真意号》を出したのに、クリーチャーが搭乗した瞬間にフラフープが落ち、三度に渡り発進することが出来ないという光景が繰り広げられ、思わず涙。
フラフープには絶対の自信があると宣言した青年が、体力切れで思わずひざをついてしまった小学生デュエリストの助けに名をあげ見事に勝利。グランプリにはこんな出会いもあるんですね。ちなみにこの助けられた側の少年は、戦場に《王神、ニコル・ボーラス》《スカラベの神》《奔流の機械巨人》を同時にコントロールするという豪腕を見せ付けていました。
フラフープ無くても勝ってたりして。
続いて《Volcanic Island》のTシャツを着たプレイヤーが壇上に招かれると、ならば「相手は俺しかいないでしょ」と、《血染めの月》のシャツを身に纏った対戦者が現れます。なんと偶然にも両者共に佐藤さん。事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。
そんなボルカ佐藤さんの「考えます」という言葉に、思わずブラッド佐藤さんからは「早くしろ!」と本戦なら一発退場レベルの言葉が出てしまったり。これも隣でフラフープをまわし続ける隣の友を思うがばかり。それでも試合が追わればノーサイド。4人で仲良く一枚の写真に納まっていました。
実際、ステージ裏でイベントの最終確認をしていたときは、あまりにもフラフープが回らず失敗の空気が立ち込めていたのですが、蓋を開けてみれば、ここまで面白くなるとは、とスタッフ側が驚くという素晴らしいイベントに。
岩Showは早くも次回グランプリ名古屋での開催を宣言していましたので、今から体力づくりをしていただくのが良いかもしれません。ただし次がフラフープだとは限りませんがね。
マジックお絵かき選手権
BIGMAGICのステージイベントといえば、リアル・モミールベーシックとこのお絵かき選手権、と言っても良いほどの人気イベントです。実際「このために来ました」と仰られるお客様もいるほど。
内容としてはマジックのカードが指定され、そのイラストを1分間で描くというものです。勿論その間イラストを見ることは出来ません。
《ラノワールのエルフ》《死の影》《カル・シスマの恐怖、殺し爪》《破滅の龍、ニコル・ボーラス》《世界のるつぼ》
これが今回のお題5つとなります。皆様は描くことが出来ますか?
《死の影》の時には、実際にイラストを手がけたHoward Lyon氏にも壇上に上がっていただき、お客様に混じってその腕を奮っていただきました。Lyon氏曰く「イラストとして最も伝えたいことが一番描けていた」という女性に、出来立てほやほやのイラストが手渡されるという一幕も。
《死の影》は人間と影の構図が印象的なイラストですが、Lyon氏も「人間が影を操っているのか、それとも影が人間を操っているのか。そのどちらとでも取れるような印象を与えたかった」と製作時の思い出を語ってくれました。
またこのときは、晴れる屋看板娘のけーちんさんにも参加いただきました。ありがとうございます。
マジック25周年の歩み
BIGMAGICでマジックのフレーバーを語らせるなら岩Showを置いて他にはいません。今回いよいよマジックが25周年を迎えるということでこれまでの歴史を、岩Show自身の思い出を交えながら語るというイベント......だったのですが、彼に与えられた時間は30分。25年間を30分、ということはおよそ1年1分。
うん、無理ですね。それでも余さず伝えていきたい。時間と言う制約と、サービス精神と言う欲求に折り合いをつけながら語る岩Show。
昔からマジックを遊んでいるプレイヤーは当時を思い出して懐かしがり、最近始めたというプレイヤーは知らない事実に驚いたり感心したり、人によって様々な表情を見せてくれるイベントとなりました。
結果として終わったのはアルファ発売からエクソダス発売までのおよそ5年間でした。僅かに1/5です。この借りは次のGPで行うなり、Webに記事を記載するなりと必ずどこかで返すと誓っております。名古屋では、メルカディアン・マスクスからの歴史が語られるのかも
以上駆け足でしたが、2回にわたって土曜日に行ったステージイベントをご紹介いたしました。明日も皆様のご来場をお待ちしております。グランプリ会場で楽しいひと時をお過ごしください。