[BIG MAGIC Sunday Legacy] 決勝 高野 成樹(東京) vs 秦 英徹(神奈川)

BIG MAGIC Sunday Legacy Vol.10 決勝 高野 成樹(東京)vs秦 英徹(神奈川)


by Tatsuo Sekimoto



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「AI元年」と呼ばれた昨年2017年。囲碁の世界ではAI「アルファ碁」が世界最強のプレイヤーを撃破するなどボードゲームの世界にもAIが席巻してきている。
時代の潮流はマジック:ザ・ギャザリングまで流れ込み1つの人工知能が生まれた。高野 成樹(東京)だ。「BIG MAGIC Sunday Legacy Vol.1」、「BIG MAGIC Sunday Legacy Vol.7」で優勝を果たし、そして今まさに前人未到の3度目の優勝に挑もうとしている。見た目はどこからどうみても人にしか見えないが、彼の恐るべき実力を目の当たりにしたプレイヤーは皆こう思ってしまう。「これは人工知能SHIGEKIだ」。


彼が本当に某社によって極秘に開発された「人口知能SHIGEKI」...かどうかまではわからないがその余りに正確無比なプレイングに「AIでは?」と疑ってしまう気持ちは理解できる。
彼のデッキ選択の幅は非常に広い。Vol.1ではエルフ、Vol.7では奇跡で優勝しそして今日はグリクシスデルバーで決勝まで進出した。こういった多芸さもまた件の都市伝説が出ることに拍車をかけているのだろう。


真偽はさておき、誰も達成していない3度目の優勝を飾るのにこの男よりふさわしいプレイヤーはいないだろう。


対するのは秦 英徹(神奈川)。グランプリ千葉2016初日全勝、CARDBOX OPENレガシーではTOP8に残っている。持ち味は環境分析とその中から自分の得意としているデッキを選びとる能力だ。今日もブン回りが強く安定しているというエルドラージの性能を遺憾なく発揮して決勝卓にまで上りつめた。


今、AIvs人類の至高の一戦が始まる。




Game1
先手はスイス上位の秦。秦は《ウギンの目》から《エルドラージのミミック》をプレイしてゲームの幕を開ける。
対する高野は《秘密を掘り下げる者》スタートだ。


秦は《魂の洞窟》を指定エルドラージでセットしてから《エルドラージのミミック》でアタック。高野のライフを18点にする。


次のターン、高野の《秘密を掘り下げる者》は即座に羽化して《昆虫の逸脱者》へと変貌する。秦に攻撃してライフを17点にする。さらに高野は《ギタクシア派の調査》をプレイ。だが、見えた手札は《ウギンの目》《エルドラージの寺院》《現実を砕くもの》《終末を招くもの》《虚空の杯》と非常に濃い。これには思わず高野も眉をひそめる。高野は手札を確認してから《死儀礼のシャーマン》を出してターンを終了する。


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(秦 英徹)


秦は《魂の洞窟》から《現実を砕くもの》をプレイ。
対応して高野はフェッチランドを起動して《稲妻》を《エルドラージのミミック》に打ち込む。だが、《現実を砕くもの》の突進は止まらず高野のライフは10点にまで削られる。


それでも高野も《秘密を掘り下げる者》で殴り返して秦のライフを14点にする。


返しの秦はまたも《現実を砕くもの》を唱える。当然、速攻で高野へと2体で殴りかかる。
高野は《死儀礼のシャーマン》で能力を起動しつつチャンプブロック。しかし、流石にクロック差が大きすぎてダメージレースが成立することはなかった。


高野 0-1 秦



Game2
先手の高野は《ギタクシア派の調査》で秦の初手を確認してから《死儀礼のシャーマン》を出す。


後手の秦は《古えの墳墓》から《漸増爆弾》。
高野は対応して《目くらまし》。秦は手札の《猿人の指導霊》を使うか悩んで、結局打ち消されることを選んだ。


返しのターンに高野は《秘密を掘り下げる者》をプレイ。戦力を拡大していく。
秦は《裏切り者の都》から《難題の予見者》をプレイ。さきほど《目くらまし》に使うことを我慢した《猿人の指導霊》はこのためにとっていたようだ。


高野は対応して《渦まく知識》。重要な手札を隔離してから《難題の予見者》を受け入れ《古の遺恨》が追放される。


高野は返しに変身した《昆虫の逸脱者》でアタック。秦のライフは13点となる。
これ以上殴られたくない秦は《不毛の地の絞殺者》で《昆虫の逸脱者》を除去。盤面をサイズでの殴り合いに持ち込む。


高野は《秘密を掘り下げる者》をプレイ。秦が嫌がる空中戦を押しつける。


秦は《難題の予見者》と《不毛の地の絞殺者》でアタック。これで高野の残りライフは6点だ。秦の後続の《難題の予見者》は《意志の力》で打ち消されるが高野残りライフ5点、秦は9点とダメージレースは秦が有利だ。


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(高野 成樹)


高野のターン。《昆虫の逸脱者》でアタックして秦のライフを6点にしてから《渦まく知識》で呼び込んだ《グルマグのアンコウ》を叩きつける。


途端にアタックへ行けなくなった秦。悩んでから《果てしなきもの》をX=3で唱えて、《不毛の大地》で《Volcanic Island》を破壊してエンドする。


高野は《昆虫の逸脱者》でアタックしてエンド。秦の残りライフは3点。あと一撃だ。


秦のドロー。しかしそこにあるカードでは《昆虫の逸脱者》を止めることはできなかった。


高野 1-1 秦




Game3


先手の秦は《ウギンの目》をセットしてターンを終了。
後手の高野は《霧深い雨林》をセットしてエンド。


秦は2ターン目に2マナランドから《歩行バリスタ》をx=1でプレイする。
高野はエンド前に《歩行バリスタ》へ《稲妻》を打ち込む。対応して《歩行バリスタ》から1点が飛んでくるが将来のクロック守る代価としては安いものだ。


高野は返しに《若き紅蓮術士》を唱えて即座に《ギタクシア派の調査》。エレメンタル・トークンを生み出しつつ秦の手札を見る。公開された手札は土地ばかりで有効牌は《難題の予見者》のみ。高野はそれを確認すると小さく頷いてからターンを終了した。



秦は返しに《難題の予見者》と《虚空の杯》とたたみかける。ここにきて有効牌をトップデッキ出来るあたり秦も持っている。
しかし、高野は《意志の力》《目くらまし》と完璧な対応で二つとも打ち消す。


高野はさらに増えたトークンと《若き紅蓮術士》で殴りかかり秦のライフを詰める。さらに第2メインフェイズで《秘密を掘り下げる者》を追加する。


一気に劣勢立たされた秦。もう手がないことを知ると高野に握手を求めた。


高野 2-1 秦


高野 win!



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勝利が決まった瞬間大きな歓声が上がると共に、高野の友人から「永世BMO!」「BMO殿堂入り!」という声がわっと上がった。それに高野はゆっくりとほほ笑んで応えた。
高野 成樹(東京)3度目のBIG MAGIC Sunday Legacy優勝!おめでとう高野!



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