By Yohei Tomizawa
満員御礼313人のプレイヤーが参加している『BIG MAGIC Sunday モダン』。選別は行われ、プレイヤーは8人まで絞られた。
ここではダイジェスト形式で、4つの試合をお送りしたい。
棚橋 雅康(WGカンパニー) vs 齋藤 鷹也(WUコントロール)
Game1
新潟のOnogamesから2人トップ8に残りながら、なんと初戦で対戦することに。運命とは残酷である。
デッキチェックを終え、さあ、対戦開始しようとすると、何やらジャッジに動きがある。ヘッドジャッジから説明があり、
「棚橋さんは、スリーブの不備でゲームロスが出ます。」
「齋藤さんはデッキリスト不備でゲームロスが出ます。」
現行のルールではゲームロスは相殺となるため、通常通り2本先取の3本勝負が始まった。因みに裁定を下したヘッドジャッジは新潟のセノ。
棚橋が《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter》から入る。これが残ってしまうとテンポとカードアドバンテージ両面で差がついてしまうため、齋藤は《流刑への道/Path to Exile》。次なるクロックとして用意した《不屈の追跡者/Tireless Tracker》も《流刑への道/Path to Exile》。
齋藤が《前兆の壁/Wall of Omens》でブロッカーを用意しドローを進めれば、3マナとして大きすぎる《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》のおでましだ。
齋藤のカウンターを潜り抜け第2メインフェイズに無限マナを揃え、棚橋の先取かと思っているとここは伝家の宝刀《至高の評決/Supreme Verdict》リセット。
棚橋は《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》を召喚するが、軸をずらした《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》と《修復の天使/Restoration Angel》のコンビが上空から6点クロックを見舞う。
《残骸の漂着/Settle the Wreckage》がキャストされると、先ずは齋藤が勝利。
棚橋 0-1 齋藤
Game2
他の3卓と合わせて見ていると、やけにシャッフルが長いと感じていた。マリガンだろうか。いや、なんと2本目は既に終了していたのだ!
《献身のドルイド/Devoted Druid》と《療治の侍臣/Vizier of Remedies》を揃え、マナは無限大。手札から現れるのは数えきれないほどのカウンターを積んだ《歩行バリスタ/Walking Ballista》だ。
齋藤がダブルマリガンの不運に見舞われたこともあり、鮮やかな3ターンキル!
棚橋 1-1 齋藤
Game3
齋藤の《安らかなる眠り/Rest in Peace》を《再利用の賢者/Reclamation Sage》で割ると、棚橋は《貴族の教主/Noble Hierarch》の賛美で3点クロックをスタート。
マリガンの齋藤は手札はあるが、マナがない。平地、島、無色土地の3枚でじっと我慢。
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》は《流刑への道/Path to Exile》でクロックダウンするが、脇を抜ける細かいクロックがじわりじわりと齋藤を追いつめる。
《拘留の宝球/Detention Sphere》の返し棚橋は全力展開。割り切ったのではなく、《無私の霊魂/Selfless Spirit》でリセット呪文に対する解答も用意してある。
状況を打開するのは、時間もライフもマナすらも齋藤には足りなかった。
棚橋 2-1 齋藤
棚橋 Win!
石川 琢誠(5c人間) vs 神林 弘貴(マーフォーク)
Game1
種族デッキ同士の対決となれば、ポイントの一つは《霊気の薬瓶/AEther Vial》による展開力だろう。このカードを1ターン目にキャストできたのは、石川。《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》、《アトランティスの王/Lord of Atlantis》を両者着地させるが、《霊気の薬瓶/AEther Vial》分石川が一歩先を行く。
神林も《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》でダメージレースを誤魔化すが、《霊気の薬瓶/AEther Vial》から場に出るマルチカラーの人間たちは、カードパワーそのままに盤面を支配する。《反射魔道士/Reflector Mage》は神林の展開を遅らせ、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》は上空からダメージを与え続ける。
空を見上げた人魚には、《カマキリの乗り手/Mantis Rider》は手の届かない存在であった。
石川 1-0 神林
Game2
今度は神林が《霊気の薬瓶/AEther Vial》スタートし、手札にかかえる《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》は3枚。プロフィールのコメント通り《謎めいた命令/Cryptic Command》として機能しそうだ。
石川は《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter》で手札を見るが、前述の通り《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》が3枚。情報は得たが、戦闘は難しそうだ。
ゲームが中盤に差し掛かるころには成長した人間たちを《潮流の先駆け/Harbinger of the Tides》、《マーフォークのペテン師/Merfolk Trickster》で対処する。《アトランティスの王/Lord of Atlantis》をはじめとしたロード2体のバックアップの元、石川は6体のクリーチャーでビートを刻む。
人間たちを海底へ引きずり込むと、勝負の行方は3本目へ。
石川 1-1 神林
Game3
仲良く《霊気の薬瓶/AEther Vial》スタートすると石川は《帆凧の掠め盗り/Kitesail Freebooter》で検閲し、効果的に《四肢切断/Dismember》をキャスト。ビートを刻むダメージクロックは《カマキリの乗り手/Mantis Rider》。
神林も手札に2枚の《造物の学者、ヴェンセール/Venser, Shaper Savant》を抱えるが、ダメージレースの中では強力なこのカードも、後手番に回ってしまっては時間稼ぎに過ぎない。
石川は上空からのビートダウンを完遂した。
石川 2-1 神林
石川 Win!
木村 一生(Iron Works) vs 山田 真輝(青白コントロール)
Game1
木村は《マイアの回収者/Myr Retriever》で1点クロック。「Iron Works」という不気味な相手に、山田はドローゴー。
《流刑への道/Path to Exile》がキャストされると《屑鉄さらい/Scrap Trawler》へバトンタッチするが、《前兆の壁/Wall of Omens》が行く手を阻む。やはり《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》が場に出ないことには、デッキが動きださない。
それでもじわり、じわりと木村は攻める。山田にカウンターを使わせると《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》を通し、場と墓地のアーティファクトの循環を開始する。
増え続けるマナ、進むドロー。フィニッシャーは《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》。
木村 1-0 山田
Game2
4ターン目に《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》が通る!
山田の墓地を見ると1枚の《否認/Negate》、《前兆の壁/Wall of Omens》は2枚目を届けてはくれなかったようだ。
しかし木村もうまくドローが噛み合わず、Game1のように《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn》まではつながらない。ターンを返すと山田は《拘留の宝球/Detention Sphere》で対処し、胸をなでおろす。
《屑鉄さらい/Scrap Trawler》でのビートダウンは《前兆の壁/Wall of Omens》で止められてしまっている...いや、《ギラプールの霊気格子/Ghirapur AEther Grid》がダメージをサポート!
そのまま細かくダメージを刻み続け、木村が連取した。
木村 2-0 山田
木村 Win!
田澤 雅之(バーン) vs 田中 瞬(緑トロン)
Game1
田澤はマリガンしながらも、1ターン目に《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を走らせる。2点、2点、2点とダメージを与え、火力を合わせれば4ターン目にして田中のライフは6。
だが田中とて伊達や酔狂でここまできたわけではない。きっちり3ターン目にトロンを揃え、《歩行バリスタ/Walking Ballista》を召喚すると、戦闘ダメージをシャットアウト。後は火力がどこまであるかだ。
田中は《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》は奥義に向け忠誠値を溜めるが、《ボロスの魔除け/Boros Charm》から《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》がキャストされるとライフは0を割った。
田澤 1-0 田中
Game2
「引かれたー」の声に振り向くと、3ターン目にしてトロン完成。《難題の予見者/Thought-Knot Seer》で検閲を済ますと、田中は《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》。バーンに対し、絶望的なカードだ。
だが、田澤にもファッティ御用達のカードがある。アタックに対応してキャストするのは《跳ね返す掌/Deflecting Palm》。
田中はスタックして《自然の要求/Nature's Claim》でフィズらせるとともに貴重な4点羅ライフゲイン。この攻防でライフは11だ。
忘れ形見のトークンたちを《歩行バリスタ/Walking Ballista》でバックアップの元アタックに送り出すと、田澤のライフは0を割った。
田澤「ドヤ顔でキャストしたデフレクティング返されたのがなぁ」
田澤 1-1 田中
Game3
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》から《ボロスの魔除け/Boros Charm》で2ターン目にして田中のライフは13。
これまでと違うのは、田中のトロンが3ターン目に完成しないことだ。そして何より、緑マナを供給しているのが《地平線の梢/Horizon Canopy》。バーン相手にこの1点は重い。《裂け目の稲妻/Rift Bolt》で残りは7。
悩んだ結果ライフを差し出しキャストした《古きものの活性/Ancient Stirrings》で、最後のトロンランドを探しだし、田中はサモン《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》。
田澤はフェッチランドからの《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》にペイ2は力強く、キャスト《破壊的な享楽/Destructive Revelry》。これで4だ
後1点。田澤が求めるのは、1枚の火力だ。手札に握るのは《欠片の飛来/Shard Volley》。ドローすると深く息を吐く。
大丈夫、足りている。
《欠片の飛来/Shard Volley》、そして《裂け目の稲妻/Rift Bolt》をあなたに。
田澤 2-1 田中
田澤 Win!