[BIG MAGIC Open Standard Vol.10] Round9 高橋 優太 vs 酒井 善基

text by Seigo Nishikawa


 


第10回BMOスタンダードはスイスラウンド10回戦と言う長丁場で予選が行われる。グランプリですら初日は8試合と改定され、いまや1日に10試合行う機会はほとんど無い。それだけにプレイヤーの表情にもやや疲労の色が浮かんでいる


それでもこの二人はまだ元気だ。なんといってもここまでの8試合を7勝1敗。このRound9で勝利を収めれば次はID(合意の上の引き分け)でのベスト8進出の可能性も出てくる。



DSC_0056.JPG



写真撮影をお願いしたそのときこそ、にこやかに笑顔をうかべていただが、試合前の儀式も終了すると、シャッフルするその手つきにも熱がこもり、お互いに向ける視線も自然と鋭くなった。


 


Round9 高橋 優太 vs 酒井 善基


Game 1


ダイスロールに勝利し先手を取った酒井は、《灌漑農地》《氷河の城砦》から《宝物の地図》。一方の高橋は《燻る湿地》《沼》から《光袖会の収集者》と2ターン目にして両者のデッキの凡そが判明する。
エネルギーを費やし追加のカードを引き入れた高橋は、2枚目の《光袖会の収集者》を提示する。その行為に「うわっ」と嫌そうな声を漏らす酒井だが特に対応はせず、高橋には続くターンも追加ドローがあることがほぼ確定した。



DSC_0055.JPG


高橋 優太



2体の《光袖会の収集者》で攻撃を仕掛ける高橋。これに酒井は《残骸の漂着》を合わせていく。高橋は少しアクションのそぶりを見せるが、最終的には受け入れ2枚の沼を戦場に追加した。


高橋の続くアクションは《戦慄の影》。高橋が今ここにすわっていることこそが、現代に生まれ変わった《ナントゥーコの影》が先代同様の輝きを発していることの証左に違いない。しかしこの《戦慄の影》は酒井の呼び出した《ドミナリアの英雄、テフェリー》によって即座にライブラリーへと押し返される。


それでも掴みかけている流れを手放すわけにはいかない高橋は2枚目の《戦慄の影》を送り込むとこれを《ドミナリアの英雄、テフェリー》へ差し向ける。ここに飛んできた《残骸の漂着》には《暗記》をあわせ、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を排除することに成功し、《光袖会の収集者》を追加する。


ならばと酒井は土地をすべて倒して《副陽の接近》をキャスト。ライフを25へと引き上げ、《戦慄の影》からの圧力を回避すると共に、数ターン後の勝利を宣言して見せた。酒井のライブラリートップは《残骸の漂着》で確定している。それだけに確実にダメージを与えられるこのターンでどれだけのマナを注ぎ込むかを悩む高橋。


じっくりと考え、この先の展開を見据えた結果、《戦慄の影》と《光袖会の収集者》の5点でのみとすると、《暗記》で酒井の《宝物の地図》をライブラリーの2枚目へ置くことで少しでも《副陽の接近》を遠ざけるとともに、自身の手元に戻った《戦慄の影》を戦場へと送り出す。


酒井に舞い戻った《残骸の漂着》。


だが既に前のターンに考えをまとめていた高橋はターンが帰ってくると、間髪いれずに《戦慄の影》1体のみをタップ状態とする。そして、黒マナを6つつぎ込みパワーを9へと上昇。



DSC_0058.JPG



酒井は悩む、どこまで《残骸の漂着》を引っ張るか、ここで打って次に2体に殴られても良いのか、相手に土地を与えていいのか、加えて《光袖会の収集者》の攻撃は、高橋へのエネルギーも供給する。じっくりと考えた酒井は、自身のライフを改めて確認すると、20の数値に斜線をいれ、11と書き換えた。


続くターンの高橋は《光袖会の収集者》と《戦慄の影》の2対で攻撃。攻撃側の高橋が何もせずに優先権を放棄。続いて酒井も優先権を放棄することで、ダメージは5で確定。酒井のライフが6となる。


ここまで、ぎりぎりまで引き付けた酒井が起死回生の《燻蒸》をキャストする。


だが無念、高橋《中略》の前に《燻蒸》は成就せず。ことここにいたり、《残骸の漂着》を打てなくなった酒井をみて、高橋は満をじして、初めて《戦慄の影》2体を同時にタップした


 


高橋 1-0 酒井


 



Game2


ファーストアクションは後手の高橋の《悪意の騎士》。続くターンには《戦慄の影》と、まるで黒単ビートダウンのような動きをみせていく。酒井は「仕方ない」と呟きながら《不可解な終焉》で《戦慄の影》を追放するもの《悪意の騎士》には手を出すことが出来ない。加えてこの《不可解な終焉》のために《悪意の騎士》は3/2へと成長を遂げている。



DSC_0054.JPG


酒井 善基



そしてここから高橋はデッキの実力をこれ以上なく見せ付けていく。


酒井の《ドミナリアの英雄、テフェリー》を《中略》すると、フルタップの隙をついて《スカラベの神》。酒井も《象形の守り手》を出し、一度までは《スカラベの神》と相打つのだが、続けて出した《象形の守り手》には《暗記》が突き刺さる。無人となった戦場を《悪意の騎士》が走り抜ける。


kishi.png


この騎士は、酒井にはまさに悪意を、高橋には勝利をもたらすのであった。


酒井「騎士はメインですか?」
高橋「サイドからですね。白単系と、赤単に利くので」
酒井「ああ、先制攻撃だから赤にもいいんですね。なるほど勉強になるなぁ」


 


高橋 2-0 酒井


 


高橋優太、BMOスタンダード トップ8へ大きく前進!


 


BIG MAGIC Open Vol.10 カバレージページに戻る

関連の記事

他の記事

『他のカードゲーム』と同時購入の際は、こちらのカートを総合レジに移動させてから『他のカード』の購入をお願いします

合計 0 種類 0
0

Coming Soon!
under development

Coming Soon!
under development

合計 0 種類 0
0