text by Seigo Nishikawa
新環境のスタンダードで俄かに注目を集めているのが単色のデッキだ。
前世代で禁止カードまで生み出した「赤単」は言うに及ばず、その赤単を倒すために「黒単」もいまだ十分な勢力を維持していた。《ベナリア史》を手に入れた「白単」の前評判は実に高く、「緑単」は2ターン目の《鉄葉のチャンピオン》で全てを踏み潰すことを狙っている。
残されたのは「青単」
《副陽の接近》や《王神の贈り物》、《蠍の神》といったなどを中心にすえたデッキは、「青」の持つコントロール力を大いに発揮しているが、およそ「青単」と呼べるデッキはあまり多くない。
そんな環境に、果敢に青単で挑むプレイヤーがいる。
岩崎瞬は生粋のコントロールプレイヤーであり、レガシーからスタンダードまで一貫して青を中心としたコントロールデッキを使用している。先月行われたGP京都では、モダンで青単コントロールを使用しており、カバレッジにも掲載されたとあって覚えている方も多いかもしれない。
そんな岩崎が、スタンダードでも「青単」に挑み見事に2連勝。ビデオマッチとなったRound3では惜しくも敗れてしまったものの、その独自の動きを前に興味を惹かれた方も多いのではないかと思う
イワサキシュン
Mono Blue Full Permission
土地
12《島/Island》
4《周到の砂漠/Desert of the Mindful》
4《イプヌの細流/Ipnu Rivulet》
4《敵意ある砂漠/Hostile Desert》
2《屍肉あさりの地/Scavenger Grounds》
スペル
4《本質の散乱/Essence Scatter》
4《検閲/Censor》
2《中略/Syncopate》
3《取り消し/Cancel》
4《不許可/Disallow》
4《選択/Opt》
4《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination》
4《送還/Unsummon》
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
3《幻惑の旋律/Entrancing Melody》
サイドボード
4《謎めいた海蛇/Cryptic Serpent》
4《多面相の侍臣/Vizier of Many Faces》
2《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist》
3《否認/Negate》
1《呪文貫き/Spell Pierce》
1《歩行バリスタ/Walking Ballista》
-- 何故「青単」なんですか?
岩崎 Randy Buehler(殿堂プレイヤー。パーミッションデッキ使いとして名高い)リスペクトです。正直なところ、環境が早く1マナ・2マナが厚いアグロ相手は厳しいので、強いとは言えないですよ。でもコントロールなどには負けないですね。
-- デッキのほうに目を向けますと、メインはノンクリーチャーでカウンターが山盛りですね。
岩崎 カウンターは17枚入っています。クリーチャーは今はいるのが当たり前なので、相手の無駄杯が単純に増えるのでメインは完全に切っています。
-- とすると勝ち手段は
岩崎 14枚入っている砂漠でライブラリーを削りきることになります。
-- サイドからはクリーチャーが入ってくるんですね。
岩崎 《謎めいた海蛇》が無双することが多いです。メインはあえて《取り消し》を採用して「ノンクリーチャー」であることを主張して、サイドの除去が残らないようにしています。《魔術師の反駁》とかにしてしまうと「もしかしてクリーチャーいるかも」って思われてしまうので。
-- ドミナリアで今回追加されたカードは
岩崎 《中略》! 他には《一瞬》とか考えたんですけど、2マナだと間に合わないことが多く、《送還》に戻りましたね。
-- ありがとうございます。まだまだ上を目指して旋風を巻き起こしてください
岩崎 ありがとうございます。青白とばっかりマッチングしたいですね。
-- 観戦してましたけど、青白には負ける要素がなさそうでしたね。
岩崎 相手はマストカウンターなカードが少ないので、ドローソースを全部スルーしてもむしろライブラリーアウトが早まって、ぐらいで助かるぐらいです。