こんにちは、井上徹です。
今回は5月12~14日に参加したプロツアー『アモンケット』を振り返ってみようと思います、宜しくお願いします。
○スタンダードデッキ選択
『アモンケット』発売後のメタゲームは機体と霊気池の2トップと予想しており、
まずは環境のトップであろう霊気池を触ってみることに。
すると、何度霊気池を起動てもウラモグが出ない。とにかく出ない。
相手の霊気池からは毎回1発でウラモグが出てくる為、ストレスは溜まる一方です。
結局霊気池の調整は1日で断念しました。
機体は元から使うつもりがなかったので、そうなると自然と次の候補に挙がるのは前回のPTでも使った青赤コントロールです。
メインからカウンターを多く積めるため霊気池にも相性が良く、
対機体では『アモンケット』から《マグマのしぶき》が入ったことで《屑鉄場のたかり屋》への耐性も上がっています。
更にMOで流行の兆しを見せていたゾンビ相手にもメインから追放除去を多く取れることから、
青赤コントロールはメタゲーム上でかなり良いポジションにいるのではと思われました。
早速MOのリーグで調整し、BMOでも好感触だったため、そのままPTでの使用デッキに決定しました。
基本的には前環境の青赤コントロールと同じ構成で、
《ショック》→《マグマのしぶき》
《革命的拒絶》→《検閲》
といった感じで、既存カードが『アモンケット』のカードでアップデートされています。
新たに採用された《暗記+記憶》はパーマネント対処とドローを兼ねた非常に優秀なカードです。
《暗記》はこれまでの青赤コントロールが苦手としていたパーマネント(特にプレインズウォーカー)への対処を容易にし、
記憶は自分のターンに打つには隙が大きすぎるカードですが、相手のエンドに《奔流の機械巨人》から唱えることで安全に手札を補充出来ます。
サイドボードでは《氷の中の存在》に代わり《栄光をもたらすもの》を採用することで
ネックだった裏返るまでのタイムラグを解消しつつプレインズウォーカーへの耐性が上がっていたり、
待望の全体除去である《焼けつく双陽》があったりと、
青赤コントロールが必要としていたパーツが『アモンケット』で大幅に補完されました。
○ドラフト練習
今回のドラフトですが、リアルではTeam Cygames主催のドラフト合宿で10回ほど、
Magic Onlineでは20~30回ほどこなしたものの、なんと3-0回数が0というとんでもない結果に...
普段得意としているフォーマットだけに、本番に向けて不安が残ります。
今回ひたすら負けた原因として挙がったのが、『アモンケット』のキーワード能力である督励でした。
特に督励クリーチャーを駆使して殴ってくるデッキを相手にした時の受け方や、ダメージレースの
挑み方がうまく理解しきれず、そこに苦労しました。
そのため普段であればプロツアーの練習は構築8割・ドラフト2割くらいの割合いでやっていたのですが、
今回は構築・ドラフト共に5割と、今まで以上にドラフトに時間を使うことになりました。
ですが、結局最後まではっきりとした手ごたえを掴むことが出来ないまま、プロツアー当日を迎えることに...
○初日ドラフト
初手に《賞罰の天使》を引き当て白へ一直線。
そのまま白単ピックを続けていると、2パック目で《秘法の管理者》《ドレイクの安息地》と流れてきたため青へ。
3パック目でも《栄光半ばの修練者》が流れてきたりと、終始流れに恵まれたピックをすることができました。
スペルが少々物足りないものの、レアに恵まれた強力なデッキが完成。
サイドボードに1枚《叱責の風》があったのですが、これは明確な構築ミスだったと思います。
盤面に触れるスペルであり、《洞察の探求者》や《謎めいた海蛇》などもあるため、このデッキにとって非常に重要なカードでした。
R1:赤白 ○○
R2:赤緑t黒 ×○×
R3:白緑 ○×○
R2で巨大化系スペルを多用する赤緑に押し切られてしまったものの、
4枚入っているレアに助けられ2-1となりました。
このドラフトでは対戦相手が全員赤緑白の3色をメインとしたアグロデッキで、
アモンケット環境におけるアグロ戦略の人気が窺えますね。
○初日スタンダード
R4:青白フラッシュ ○×○
R5:黒単ゾンビ ○○
R6:ティムール霊気池 ××
R7:ティムール霊気池 ××
R8:マルドゥ機体 ×○×
霊気池2連戦ではどのゲームもひたすら連打された霊気池と《不屈の追跡者》を捌ききれずあっさり敗北。
対霊気池では、メインから2枚取っている粗暴な排除が足を引っ張ってしまいました。
○二日目ドラフト
初手《砂の撹拌》から四手目の《栄光の神バントゥ》で黒を確定し、遅い順目で流れてきた《用心深いナーガ》《苦刃の戦士》から二色目に緑を視野に。
2パック目では初手候補が《オケチラの従者》と《苦刃の戦士》しかなく、
1パック目で白のカードを全く見ていない為、3パック目で白は期待できないものの、
現状取れている緑のカードにあまり魅力を感じなかったため《オケチラの従者》をピック。
このピックがうまく嵌り、2手目《排斥》、3手目《扇持ち》で白へ参入。
3パック目では予想通り白は全く流れてこないものの、黒いカードを補強していきピック終了。
メインアタッカーが2体の《枯死コウモリ》と少々心許ないですが、3枚の《悪運尽きた造反者》を始め、地上の硬さはなかなかです。
R9:赤白 ○○
R10:赤緑 ○○
R11:黒緑t赤白 ○○
幸運にも1ゲームも落とすことなく3-0!
対戦相手が地上クリーチャーメインのデッキばかりだった為、
どの試合も強化した《枯死コウモリ》がゲームを決めてくれました。
始まるまで不安だったドラフトラウンドですが、5-1で切り抜けることが出来ほっと一安心です。
○二日目スタンダード
R12:黒単ゾンビ ○××
R13:ティムール霊気池 ○○
R14:マルドゥ機体 ××
R15:ティムール霊気池 ○×○
R16:マルドゥ機体 ○×○
霊気池・機体・ゾンビ以外とのマッチアップは青白フラッシュのみというメタ読み通りのマッチアップとなりましたが、
スタンダードラウンドは合計5-5と振るわず...
VS霊気池は2-2でまあこんなものかなとは思いますが、
《粗暴な排除》をメインから2枚取った上でのVSゾンビ1-1、VS機体1-2は少し悔しさが残ります。
今回のスタンダードでは特定の相手・盤面で劇的に効くカード(《粗暴な排除》《周到の神ケフネト》)をメインから多く採用したことが
裏目に出る場面が多く、そういったカードをメインから採用する場合のバランスの難しさを感じました。
○結果
スタンダードが5-5と振るわなかったものの、ドラフトが5-1と好調だったお陰でなんとかプロポイントを上乗せすることが出来ました。
これで今シーズン3回目のプロツアーが終わり、現在プロポイントが28点。
プロツアー京都の参加点を入れてゴールドレベルまで...あと4点、となりました。
これからシーズン終盤に入り、残りグランプリもあと僅か。
気合を入れて走りきりたいと思います!
明日から始まるグランプリ神戸も良い成績が残せるように頑張ります!
以上、プロツアー『アモンケット』レポートでした!