あったかい日には猫がその辺でとろけている光景に遭遇することがある。集団で日向ぼっこをしている姿には癒されるものである。
そういえば先日、古い民家を改装した猫カフェに行ったのだが、窓際のソファに座っていると陽の光を浴びたい猫が自然と膝の上に寝転がってきて、よく出来ているシステムだなと感心したのを思い出した。猫と暖かな太陽とはある種のコンボ、切れない関係なんだな。
それを1枚で表現している《白の太陽の頂点》というカードがある。このイラスト、最高にあったけぇ~。そりゃ猫もたくさん出てくるよという、力強くもまぶしすぎない優しい陽光。フレイバーテキストを見ると、ミラディンの原住民と新ファイレクシア人の戦いの後に起きた出来事らしい。
タージ=ナールというのはミラディン原住種族の1つである猫のヒューマノイド、レオニン達にとっての古えの居住地である。そう、まんま《古えの居住地》としてカード化されているあの土地だ。旧ミラディンブロックのストーリーでは、この地はメムナークらの陰謀により爆弾で破壊されてしまった。後に《王の摂政、ケンバ》はレオニンらを率いてこの重要拠点をより強いものへと再建した。その地にて、再び悪しき者どもとの戦闘が行われ...一時的にレオニンらは新ファイレクシア人の侵略を退けたようである。
その代償は少なくなかったようだが、白の太陽がタージ=ナールの頂点に輝いた時、その光景に希望を見出したレオニンらが再集結!と、そんなフレイバーが込められているんだろうね。
『ミラディン包囲戦』の太陽の頂点サイクルに属する1枚であり、構築でも使用されることがあった。白のトリプルシンボルと、使い勝手は良くないコストではあるがインスタントでX体の2/2トークンを生み出すという効果は強力だ。
対戦相手のエンド時にトークンをズラリ並べて続くターンで総攻撃を仕掛けたり、あるいは攻撃クリーチャーを集団でブロックしたり...ある程度マナを揃えている際の効果はゲームを大きく変える力を持っている。
太陽の頂点サイクルは陽が沈むとまた昇るように、唱えた後はライブラリーに戻って再度ドローされることを待つものとなっている。
序盤は軽いコストで使ってゲーム展開を良くし、後半には大呪文として機能させる...そんなデザインのカードの中で、《白の太陽の頂点》は序盤に低いXで唱えるとただただ重たいだけの呪文になってしまうという、ちょっと能力を活かしきれていないものではある。まあリミテッドで相手の攻撃を受け止める除去として使って、また引いたらそれでゲームエンドを狙えるチャンスがあるってだけで十分に強いレアではあるけどね。
トリプルシンボル=単色デッキ用カードということで単色がテーマの『統率者2014』に再録され、猫が沢山出てくる=猫部族デッキ専用カードということで『統率者2017』にも再録されている。次に再録されるのはトークンをテーマにした統率者デッキとかかな?