「オティエフの心の中では、被疑者の方に傾いていた。しかし裁判所においては彼は単なる見物人であり、ただ自分の手が死刑の判決を示すのを見ているだけだ。」
《よじれた正義》のフレイバーテキストの引用だ。このカードではラヴニカの3つのギルドが交わっている。鎧のデザイン的にボロス所属であろう兵士がアゾリウスの裁判官によって死刑宣告を言い渡されているシーンだが、よく見ると亡霊のようなものが裁判官・このテキストで言うオティエフの身体を包み込んでいる。
これに操られ、己の意志とは無関係に判決を下しているというわけだ。この亡霊的な存在はディミーアの工作員であろう、カードの色からそう推測できる。初期ディミーアはラヴニカのギルドの中でも特別なもので、公にはその存在を知られていなかった...むしろ実在するのかどうかもわからない集団だった。このように影から世界を操っていたのだろう。このボロスの兵士には同情するしかない。
カードとしては除去とドローを同時にこなす、実に青黒らしいカード。2マナの《残酷な布告》に4マナでドローがついてきたという感じだ。生け贄に捧げられたクリーチャーのパワー分ドローできるため、大型クリーチャーを狙い打てればとてつもないアドバンテージを稼ぎ出す。まあ青の4マナソーサリーなら3ドローで十分に優秀なので、パワー3を処理できればカードパワー的に申し分なしという成果が得られる。
ただ生け贄除去の悲しいところで、クリーチャーが多数並んでしまうデッキ相手には効果が薄い。リミテッドなどで膠着戦になった際には、戦場に最も影響を与えていないクリーチャーが消えるだけで大きな成果は望めないだろう。
全体マイナス修正などで小型を薙ぎ払ってから唱えたり、そもそも戦場に出させないなどのお膳立てをしてやるか、あるいはサーチできるようにして大艦巨砲主義デッキ相手に持ってくるシルバーバレット候補にしておくなど、運用にはテクニックが求められる1枚だ。
綺麗に決まった時のゲームへの影響力は=勝利と言っても過言ではない、こういうカードを上手く使ってゲームに勝ちたいと思わせてくれる、マジックプレイヤーの貪欲さを体現した1枚と言えよう。
岩SHOW Card of the Day 2018/10/12《力こそ正義/Might Makes Right》
岩SHOW Card of the Day 2018/10/11《テル=ジラードの正義/Tel-Jilad Justice》
岩SHOW Card of the Day 2018/10/09《正義の凝視/Gaze of Justice》