アウトローの世界では裏切りは当たり前、今日を生きるための常套手段。アウトローもの映画を観ていると、無垢な主人公が必ずと言っていいほどハメられる。いい勉強になっただろう、ってやつだ。
連中がわざわざ法に縛られない危険な生き方をするのはなぜか?第一に金だ。金を積まれりゃ昨日の敵が今日の友、マジックの世界では傭兵たちがそんな連中で、中でも《反逆者の密告人》は金で人を売るドストレートなクズ野郎をカード化したものだ。
傭兵はマスクス・ブロックでフィーチャーされたタイプで、レベルと対をなすライバル的存在として用意された。しかしまあ、レベルの方が基本的にはクリーチャーとして勝っていた...プロテクション持ちがいること・自分よりコストの重いクリーチャーが呼べること(傭兵は軽いクリーチャーしか呼べない)など、使い勝手に大きく差がついていためだ。極めつけは《果敢な勇士リン・シヴィー》の存在。この伝説のレベルが強すぎたため、レベルデッキ「リベリオン」は世界中でしようされるようになった。
『プロフェシー』ではこうなることを予測していたのか、傭兵側にこの《反逆者の密告人》が用意された。これはサイクルで、白には《傭兵の密告人》が用意されたのだが、同じような能力でも能力起動に色マナが不要な分、《反逆者の密告人》の方が使って欲しいカードとしてデザインされているように思える。その起動型能力とは、敵対するタイプへの疑似除去。
《反逆者の密告人》は3マナでレベルをライブラリーの底へと送り込む。2,3回起動してやれば盤面がきれいさっぱりすることだろう。レベルは先に触れた、他のレベル・クリーチャーをライブラリーから戦場へ呼んでくる能力を持っているので、この特殊バウンス能力で根絶やしにすることは簡単ではないかもしれない。
ただ、それらのリクルート能力がタップが必要なのに対し、こちらは不要なのでマナさえあれば連発できる。呼べるやつから排除して、戦闘要員を消し去ってしまえば...密告完了、後は自軍が相手を制圧するのを待つだけだ。
レベルサイドに潜り込んで反逆の戦士たちを裏切り続ける傭兵、というデザインなのでレベルと傭兵のタイプを併せ持っている。なので実は、黒いデッキ・傭兵デッキよりもレベル側が採用することの方が多かった。同型対策にもなるし、自軍のレベルをライブラリーの底に逃がして各種除去から護るという使い方も出来る、黒いカードではあるがお得意のリクルートで戦場に出せば問題なし、"白への被覆"とでも形容すべき除去耐性も持ち合わせており、頼りになる。
その攻防自在っぷりからメインから投入されることもしばしば。プロツアーシカゴ00ではそのアプローチを行ったkai Buddeが優勝している。マジック界で一番稼いだ傭兵、と言っても過言じゃないだろう。
今週は「アウトロー・ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/07/04《クルーインの無法者/Kruin Outlaw》
岩SHOW Card of the Day 2018/07/03《Hangman》
岩SHOW Card of the Day 2018/07/02《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》