前回の続き。《柱平原の雄牛》は野生の牛ではなく、遊牧民により飼われる家畜である。遊牧ってのは家畜のための牧草、そして人のためにも必要な水を獲得するために、定期的・周期的に移動しながら行われる牧畜のことである。のどかなイメージがあるが、家畜の移動というのは厄介な仕事だろう。犬を用いたりするのはよく知られるが、人間も無茶苦茶頑張らないといけない、タフな体力仕事だ。相手は生き物で、そしてゼンディカーの2/4もある恐竜くらいのデカさの雄牛とくれば、移動するように促したところで言うことを聞いてくれるはずもなく。頑固で強い牛達を従えるには力と技が不可欠。その技術において卓越していることで知られるのがブルース・タール。戦乱以前の彼は牛を煽り立てる技の名手として知られる一牧人だったが。エルドラージが覚醒し、次元そのものの危機に瀕した時、彼は遊牧民の仲間を組織化してこれと戦い、そしてなんと数々の勝利を収めたという。牛を扱う時と同様に、独創的な罵詈雑言を浴びせる戦闘スタイルはゼンディカー中に知れ渡ったとか。
とにかくイラストのインパクトがすごい。ブルース親父、ここまでファンタジー度を排して普通のおっちゃんが描かれているカードもそうそうない。色白ながら逞しい二の腕と胸板!体中に生え、日の光で輝くふんわりした産毛まで鮮明に描かれている。正直なところ、このカードを最初に見た時は笑ってしまった。それまでに発表されていた『統率者2016』のカードと毛色が違い過ぎてね(笑)しかしこのインパクトもあって、なんだか覚えにくい名前の連中ばかりの同セットのレジェンド達の中でもこのカードだけはしっかり覚えられた。見事なまでのキャラ勝ちである。
同セットが誇る、史上初の複数の統率者を採用できるシステム"共闘"を持った多色レジェンドの一角だ。同じ色を共通するメンツと組んでも良いし、真逆のカラーと組んでも良い。ブルースとタッグを組んだ時点で、どう考えても面白いのだから。能力はネタ抜きで優秀。戦場に出るか攻撃するたび、自軍の一体に二段攻撃と絆魂を付与する。つえ~、一発でダメージレースがひっくり返るぞ。というわけで無防備な本体をカバーできる色を持った統率者と組みたいね。
何気に同盟者である。レガシーで同盟者デッキを組む際にはどうぞ。個人的には、ノーマッド(遊牧民)のタイプを持っていないのがちょっと残念。オラクル変更来てくれ~(来ない模様)。
今週は「肉ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/05/31《柱平原の雄牛/Pillarfield Ox》
岩SHOW Card of the Day 2018/05/30《ファルケンラスの肉裂き/Falkenrath Reaver》
岩SHOW Card of the Day 2018/05/29《フォベロスの肉裂き/Phoberos Reaver》
岩SHOW Card of the Day 2018/05/28《吸肉/Syphon Flesh》