今週は不動ウィーク、不動と言えば《不動のアジャニ》が最も有名なカードではないだろうか。このアジャニの何が不動なのかというと、確固たる信念・決意を持っているという状態を指していると考えられる。一体アジャニに何があったのか?彼はテーロスにてかつての恩人であり友であるエルズペスの戦いを支え助けた。この戦いの旅路の末に、エルズペスは神々の手により不当な仕打ちを受け、命を落とす。
彼女を救えなかったアジャニは、この次元の神々への静かな怒りを胸に抱いている...というわけで、神々への復讐・エルズペスの定命の世界への帰還を成し遂げることを硬く決意し、ぐらつくことのないアジャニの生き方を表現しているカードが《不動のアジャニ》である。
カードとしてはアジャニの中でも唯一の色マナがシングルシンボルなのが特徴だ。
神々への怒りを抱いている=信心が減っている状態を表現しているのかもしれない。能力はいつものアジャニという感じだが、シンボルが薄い分劇的な効果は得られないものとなっている。クリーチャー1体のサイズを一段階上げて先制攻撃・警戒・絆魂を与える【+1】能力、またプレイヤーとその支配下のプレインズウォーカーへのダメージを1点残して軽減する紋章を得る【-7】能力はオマケと考えるのが良いだろう。
どちらの能力も機能する盤面はあるものの、いつでも嬉しいものというわけではない。このカードの本懐は【-2】能力によって遂げられる。クリーチャーに+1/+1カウンターを乗せる全体強化で戦力を大幅アップさせ、同時に他のプレインズウォーカーへと忠誠カウンターを贈与してより強い能力を早く、あるいは連打できるようにしてやることが出来る。自分が状況をどうこうするというカードではなく、あくまでクリーチャーとプレインズウォーカーのサポート役をするという、実にアジャニっぽいデザインだ。
このカードを使うのであれば、無論だがクリーチャーとプレインズウォーカーの多いデッキを組むようにしよう。ギデオンやサルカンといったクリーチャー化するプレインズウォーカーには両方のカウンターが乗るので相性は抜群である。トークンをばら撒くエルズペスとの相性も言わずもがなだ。
エルズペスの形見のマントをまとい決意を胸にしたアジャニは、現状ゲートウォッチのメンバーとなって宿敵ニコル・ボーラスとの戦いに備えている。このカードのように他者をサポートする献身的なアジャニも良いのだが、《復讐のアジャニ》のような単騎でどうにかしてやろうという攻撃的なデザインのアジャニもそろそろ見たいぞ!
今週は「不動ウィーク」
岩SHOW Card of the Day 2018/10/22《不動の守り/Steadfastness》
岩SHOW Card of the Day 2018/10/23《揺るぎない信仰/Faith Unbroken》
岩SHOW Card of the Day 2018/10/24《動かぬ生/Still Life》